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手形法第75条

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

コンメンタールコンメンタール手形法

条文

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第75条  
約束手形ニハ左ノ事項ヲ記載スベシ
  1. 証券ノ文言中ニ其ノ証券ノ作成ニ用フル語ヲ以テ記載スル約束手形ナルコトヲ示ス文字
  2. 一定ノ金額ヲ支払フベキ旨ノ単純ナル約束
  3. 満期ノ表示
  4. 支払ヲ為スベキ地ノ表示
  5. 支払ヲ受ケ又ハ之ヲ受クル者ヲ指図スル者ノ名称
  6. 手形ヲ振出ス日及地ノ表示
  7. 手形ヲ振出ス者(振出人)ノ署名

解説

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約束手形には、左の事項を記載しなければならない。
一 証券の文言中にその証券の作成に用いる語をもって記載する約束手形であることを示す文字
二 一定の金額を支払う旨の単純な約束
三 満期の表示
四 支払をする地の表示
五 支払を受け又はこれを受ける者を指図する者の名称
六 手形を振出す日及び地の表示
七 手形を振出す者(振出人)の署名

判例

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  1. 約束手形金請求(最高裁判決 昭和36年07月31日)手形法第47条
    組合の代表者名義で提出された約束手形に対する組合員の責任の有無。
    民法上の組合の代表者が、組合のために、その組合代表者名義で約束手形を振出した場合には、同組合の組合員は、共同振出人として、同手形について合同してその責を負うものと解するのが相当である。
  2. 約束手形金請求(最高裁判例 昭和47年4月4日) 民法第108条手形法第8条
    1. 双方代理により振り出された約束手形と振出完成の時期
      約束手形の振出人の代理人と受取人の代表者とが同一人であつて、手形の振出につき双方代理行為が成立するときは、振出行為の完成を留保すべき特段の事情のないかぎり、振出人の代理人として法定の形式に従つて手形の作成をおえた時に振出行為が完成し、その後は受取人の代表者の資格において手形を所持するにいたるものと解すべきである。
    2. 民法108条に違反して振り出された約束手形の第三取得者に対する本人の手形上の責任
      民法108条に違反して約束手形が振り出された場合において、右手形が第三者に裏書譲渡されたときは、右第三者に対しては、本人は、その手形が双方代理行為によつて振り出されたものであることについて第三者が悪意であつたことを主張・立証しないかぎり、振出人としての責任を免れない。
  3. 損害賠償請求(最高裁判決 昭和46年06月10日)民法第644条,手形法第10条,手形法第77条2項
    1. 銀行が当座勘定取引契約に基づき手形の印影を照合するにあたつて尽くすべき注意義務の程度
      銀行が、当座勘定取引契約に基づき、届出の印鑑と手形上の印影とを照合するにあたつては、銀行の照合事務担当者に対して社会通念上一般に期待されている業務上相当の注意をもつて慎重に行なうことを要し、右事務に習熟している銀行員が右のような注意を払つて熟視するならば肉眼で発見しうるような印影の相違が看過されて偽造手形が支払われたときは、その支払による不利益を取引先に帰せしめることは許されない。
    2. 印影照合についての銀行の注意義務と免責約款の効力
      銀行が手形の印影と届出印鑑とが符合すると認めて支払をした場合は責任を負わない旨の当座勘定取引契約上の免責約款は、銀行が手形の印影照合にあたつて尽くすべき前項の注意義務を軽減する趣旨のものではない。
    3. 当座勘定取引契約に基づき手形の支払委託をうけた銀行が振出日欄白地の約束手形を支払つた場合における取引先に対する効力
      当座勘定取引契約上の支払委託は、特段の事情のないかぎり、振出日欄白地の確定日払の約束手形の支払を含む趣旨とは解されず、銀行が、支払委託の有無を確認するための相当な方法をとることなく、右白地手形の支払をしたときは、その結果を取引先に帰属させることは許されない。

参照条文

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前条:
第74条
手形法
第12章 通則
次条:
第76条
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