SHOGUN 将軍

2024年制作のアメリカのネット配信ドラマ作品

SHOGUN 将軍』(しょうぐん、Shōgun)は、2024年から放映・配信されているアメリカ合衆国時代劇ドラマシリーズ。ジェームズ・クラヴェルの1975年の小説『将軍』を原作とし、レイチェル・コンドウ英語版ジャスティン・マークス英語版が制作している。

SHOGUN 将軍
ロゴ
ジャンル 歴史ドラマ
原作 ジェームズ・クラヴェル
将軍
出演者
作曲
国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
日本語
製作
製作総指揮
プロデューサー
製作
放送
放送チャンネルFX
Hulu
Disney+
放送期間2024年2月27日 - 4月23日
公式ウェブサイト
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増上寺で行われた大ヒット祈念イベント。真田広之コスモ・ジャーヴィスアンナ・サワイらが参加。

真田広之コスモ・ジャーヴィスアンナ・サワイ浅野忠信平岳大トミー・バストウ二階堂ふみらのアンサンブル・キャストで、セリフの大部分は日本語である[1]

原作小説は、1980年にもリチャード・チェンバレン主演で『将軍 SHŌGUN』としてドラマ化されており、本作はそのリメイクになる[2][3][4][5]

あらすじ

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『将軍』は、「異なる世界の二人の野心家と謎の女性の衝突」を描く。冒険心溢れるイギリスの船乗りジョン・ブラックソーンは、危険を顧みず日本に難破し、異文化に触れていく中で次第に自己を見つめ直していく。強大な権力を持ち狡猾な大名である吉井虎永は、自身にとって脅威となる権力と対立している。貴重な技術を持つが家柄の柵によって名誉を傷つけられているレディ・マリコ(戸田鞠子)は自身の価値と忠誠心を証明する必要に迫られている[2][6]

キャスト

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史実で相当するキャラクターは[]内で表記。

各話

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通算
話数
タイトル監督脚本放送日米国視聴者数
(百万人)
1"按針"
(英語: Anjin)
ジョナサン・ヴァン・タルケンレイチェル・コンドウ英語版 & ジャスティン・マークス英語版2024年2月27日 (2024-02-27)0.764[9]
2"二人の主君に仕えて"
(英語: Servants of Two Masters)
ジョナサン・ヴァン・タルケンレイチェル・コンドウ & ジャスティン・マークス2024年2月27日 (2024-02-27)0.764[9]
3"明日は明日"
(英語: Tomorrow Is Tomorrow)
シャーロット・ブランドストロムシャノン・ゴス2024年3月5日 (2024-03-05)0.492[10]
4"八重垣"
(英語: The Eightfold Fence)
フレデリック・E・O・トーイナイジェル・ウィリアムズ英語版 & エミリー・ヨシダ2024年3月12日 (2024-03-12)0.517[11]
5"父の怒り"
(英語: Broken to the Fist)
フレデリック・E・O・トーイマット・ランバート2024年3月19日 (2024-03-19)0.554[12]
6"うたかたの女たち"
(英語: Ladies of the Willow World)
ヒロミ・カマタメーガン・ホアン2024年3月26日 (2024-03-26)0.523[13]
7"線香一本の時"
(英語: A Stick of Time)
福永壮志マット・ランバート2024年4月2日 (2024-04-02)0.540[14]
8"奈落の底"
(英語: The Abyss of Life)
エマニュエル・オセイ=クフォーシャノン・ゴス2024年4月9日 (2024-04-09)0.436[15]
9"紅天"
(英語: Crimson Sky)
フレデリック・E・O・トーイレイチェル・コンドウ & ケイリン・プエンテ2024年4月16日 (2024-04-16)0.538[16]
10"夢の中の夢"
(英語: A Dream of a Dream)
フレデリック・E・O・トーイメーガン・ホアン & エミリー・ヨシダ2024年4月23日 (2024-04-23)0.625[17]

制作

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企画

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2018年8月のテレビ批評家協会の夏のプレスツアーで、FXは新たな「Shogun」のアダプテーションを制作することを発表し、シリーズ製作を直接発注した。

製作総指揮には、アンドリュー・マクドナルド、アロン・ライヒ、マイケル・デ・ルカミカエラ・クラヴェルドイツ語版ティム・ヴァン・パタンユージーン・ケリー英語版ロナン・ベネット英語版の参加が望まれていた。エグゼクティブ・プロデューサーにジャスティン・マークス、レイチェル・コンドウ、ミカエラ・クラベル、エドワード・L・マクドネル、マイケル・デ・ルーカ[18]。ヴァン・パタンも監督として参加し、ベネットも脚本を手掛ける。シリーズの製作会社は、FXプロダクションとDNAテレビジョンが担当。制作費は1話あたり数十億円とされ[1]、10話で計100億円以上とされる[19]

脚本

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2020年1月には、元の脚本家であるロナン・ベネットが作業を続けることができなくなったため、新たな脚本家兼エグゼクティブプロデューサーのジャスティン・マークス英語版と彼の妻で監督補佐プロデューサーのレイチェル・コンドウ英語版が一からやり直した[4]。シリーズの執筆チームには、共同エグゼクティブプロデューサーのシャノン・ゴス、コンサルティングプロデューサーのマット・ランバート、脚本編集者のメーガン・ホアン、スタッフライターのエミリー・ヨシダも参加している[20]。マークスとコンドウは、1980年の『将軍 SHŌGUN』のようなハリウッドチックではなく、細部にこだわり、現代人に日本の文化が伝わるような脚本にするため、1年以上を費やした[4]。また真田には当初、主演を依頼したものの、後にプロデューサーとしての参加をも要請した[4]。最初の脚本段階では英語、それを日本語に直訳し、別の脚本家が時代劇の言い回しに書き換える、さらに英訳し直して字幕をつけるという手間のかかる作業が行われた[1]

キャスティング

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これまでハリウッドで制作された日本の時代劇作品は、役に最も適した俳優ではなく、英語が話せる日本人の中で最適な俳優を選ぶことになってしまっていたが、英語を喋らなくてもよくなったことで、日本の錚々たる俳優陣のキャスティングを可能にした[1]

将軍 SHŌGUNとの違い

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1980年の『将軍 SHŌGUN』は、アメリカと日本双方の資本で制作され[3]台詞の大部分が英語で、日本語が出て来るときは「ブラックソーンの視点」だからという理由で字幕も付けず、アメリカの視聴者は日本語の台詞を「音響効果」のように聞いた[3]。日本ではテレビ朝日が英語の台詞に日本語の字幕を付けて放映した[3]。『将軍 SHŌGUN』は、日本の戦国時代を舞台にしていながら、物語の焦点が過度に英国人航海士に偏っている、とも評され、当時の日本文化を、オリエンタリズムの視線で誇張して描写している、という指摘もあった[3]。これに対して本作は、英国人航海士を演じたコスモ・ジャーヴィスを除くと主演助演から端役に至るまでほとんど日本人が演じ、内容の展開も当時の権力者を中心としたものだった、と現地メディアは報じている[3]。台詞は70%以上が日本語で、英語の字幕でも見ることができる[3]。『将軍 SHŌGUN』以外もこれまでハリウッドで日本の時代劇が作られたことはあったが、台詞は英語が中心[1]。ハリウッドでは台詞は英語だけか、英語に吹き替えをするのが半ば常識だった[1]。総指揮のジャスティン・マークスは「当初、ハリウッドがこの数十年、日本を描く時『どんな間違いを犯したか』ずっと真田さんと議論しました。互いを尊重する"言語"。ハリウッドと日本が力を合わせた時に、観た人をあっと言わせる方法を模索しました」と述べている[1]

美術・時代考証等

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真田広之は主演とプロデューサーも兼任した[2][3][6][21][22][23]。真田は「日本人が見てもおかしくない日本を描こう」という原則にこだわった[3][19]。真田は「誤解された日本を描く時代を終わらせたかった」と語り、エミー賞受賞時には「こだわったのはauthentic。私が演じた役は、歴史上実在する家康という戦国の世を終わらせた人物です。皆さんが思うSAMURAI(ハリウッドがこれまで描いてきたSAMURAI)とは違います。今回はオーセンティックにこだわりました」[1][24]「今回の作品は東(東洋)西(西洋)が壁を越えて互いを尊重する夢のようなプロジェクトだった。世界と本当に通じ合う日本の時代劇を作り、うれしく思う」などと語った[3][5][24]

真田の原点とも言えるのが、時代劇の名作を多数生み出した京都東映太秦映画村東映京都撮影所(以下、東映京都)[2][22][25][26]1978年の東映『柳生一族の陰謀』を皮切りに[27]、10代のころから、多くの時代劇に出演しキャリアを積んできた[5][22][25][26][28]。一時期は製作の拠点=スタッフルームは、東映京都に置かれた[2]。当初は一部の場面を日本国内で撮影する構想もあったが、世界的な新型コロナウイルスの流行もあり、カナダバンクーバーに変更して撮影されることになった[29][30]。しかし、真田は旧知の着物スペシャリストを東映京都から呼び寄せるなど[22]、自ら美術、衣装、メーク、所作など、時代劇のあらゆる分野のスペシャリストを日本から招集[4][19]、日本から多くのキャスト・スタッフが渡航し、日本流の時代劇作りに情熱を注いだ[2][4][5][7][19][25][26][29]

真田ら製作陣が重視したのは、日本では時代劇と呼ばれる戦国ドラマを、究極のレベルに高めることだった[2][31]。これまで日系と他のアジア系が混同されがちだったハリウッド価値観に挑戦するかのごとく、真田はすべての日本人の役を、日本人、または日本ルーツを持つ俳優が演じるよう提案[2]。キャスティングはこの方針の基に行われ[2]エキストラについてもカナダに駐在している日本人や日系人を起用した[32][33]。また、登場人物の言葉使いから座り方などの細部にまでこだわり、舞台美術小道具のスタッフも、日本の文化を理解している日本人を起用する徹底ぶりを見せた[19][22][23][25]。撮影現場ではあらゆるディテールが歴史的、文化的にふさわしくなるように立ち振る舞いから、周りとの接し方など細かい所作まで演出指導が行われた[22]

これまでにハリウッドで描かれた日本は、日本人から見ると「ヘンテコ日本」としか言いようがない描写や舞台美術、衣装などで溢れ返っていたが、『SHOGUN 将軍』がその方向を軌道修正し、大きくハードルを上げたとも評される[23]。海外のスタッフや出演者らには、日本の歴史や文化をまとめ日本を正しく理解してもらうための約900ページにも及ぶマニュアルを作成[31]。撮影セットのには土足厳禁[31]ケータリングには日本食を用意し[31]、衣裳の家紋の位置から、わらじの履き方、兵隊が持つ銃や槍を全員に右手で持たせたり、お城に農民を入れないようにするなど細かく指導し[22][23][34]、妥協を許さない作品づくりが行われた[31]。真田は自身が出演しない日も撮影現場に通い、日本の文化が正しく描写されるよう指導したと言われる[2]。また、不自然な日本の描写を正すために編集作業にも加わり、1年半かけてすべての編集、レコーディングVFXを自身で確認した[35]

2003年トム・クルーズ主演『ラスト サムライ』で注目された真田は、同作品への出演を機にハリウッドに移住[26][27][36]、海外に軸足を移し20年[2]。真田は当時から「日本の武士道や、日本の時代劇をちゃんとハリウッドで表現することができない、俳優だけでは全てやり遂げられない、口出せないことも多い」と悔しがり[4][5]、「誤解に満ちた日本人像が今まで結構多かった。僕たちの時代でそれを払拭したい」と願っていたと言われる[5]。真田のたゆまぬ献身と努力が、ようやくハリウッドで報われたとも評され、エンターテイメント作品を通じて、日本大使的な役割も担う真田の集大成的な作品となったとも称賛される[5][23]

撮影

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シリーズの主要な撮影は2019年3月に日本イギリスで開始する予定だったが、ネットワークは製作が十分な状態に達していないと感じ、より高い目標を目指したいと考えたため、撮影は延期[37][38]。後に新型コロナウイルスの世界的流行もあり、これらの国での撮影は断念した[30]

カナダバンクーバーに巨費を投じて城の内部や村のセットを建設[19]。シリーズの主要な撮影は2021年9月22日バンクーバーで始まり、2022年7月2日まで続き、予定よりも2か月間延長された[39][40]

音楽・サウンドトラック

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サウンドトラックは、アカデミー賞受賞作曲家のアッティカス・ロスレオポルド・ロス、ニック・チューバが作曲を担当。このロサンゼルスの作曲家チームに日本から石田多朗がアレンジャーとして加わり、4人体制で制作が進められた。石田は雅楽や日本の伝統音楽に関するアレンジレコーディングを全面的に手掛けた[41][42][43]

公開

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第1シーズンは2024年2月27日にアメリカではFX on HuluFXで、日本ではDisney+で公開された。

後述のエミー賞受賞を受けて、2024年11月16日から8日間、全国約200の映画館でも1話と2話を上映する予定[44]

2024年5月16日に第2シーズンと第3シーズンの制作が発表された[45][46][47]

メイキング番組

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2024年4月には、Disney+で制作陣が本作のアクションシーンのこだわりについて語るインタビュー及びメイキング番組『The Making Of Shogun』が公開された[48][49]

評価

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再生回数

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初回エピソードの世界配信開始から6日間で900万回の再生回数を記録した。これは同じくDisney+にて配信されたリアリティ番組『カーダシアン家のセレブな日常』のシーズン1を上回り、世界配信されたドラマシリーズの再生回数としては歴代1位である。また、Huluで配信されたFX制作の番組としても、同期間の再生回数が2023年に配信開始されたコメディドラマシリーズ『一流シェフのファミリーレストラン』のシーズン2を上回り1位となった[50][51][52]

批評

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本作は欧米主要メディアの映画評ではおおむね好意的に受け止められた[53]。とりわけ慎重に監修を受けた日本文化の表現がドラマの重厚さを担保していると称賛されたほか[54]真田広之ら主要な俳優の日本語の演技も総じて高く評価されており、中世ファンタジー『ゲーム・オブ・スローンズ』につづく重要なドラマとも評されている[55]

またニューヨークに本拠を置くメディア博物館[56]のキュレーターは日本メディアの取材に答えて、日本の現代のアニメ漫画映画に親しんだアメリカの視聴者にとって「日本の戦国時代」という特殊な設定が魅力的だったという見方を示している[24]

アメリカの映画評論サイトであるRotten Tomatoesでの批評家スコアは2024年9月中旬の時点で99%、39人のトップ批評家に限ると100%の評価スコアとなっている[57][58]

批判

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ニューヨーク・タイムズ紙は、中心人物であるはずの「按針」を演じるコスモ・ジャーヴィスの存在感が薄いため物語の展開に説得性を欠いていると批判している[59]。また同紙は、1980年版に比べて異文化の尊重という視点が盛り込まれた点は評価できるものの、物語全体は結局「不思議な異文化をながめる欧米人の視点」という構造を抜け切れておらず、アジア人女性に対する性的興味などアメリカ人の先入観を下敷きにする点も変わっていない、などと指摘している[59]

史実と異なる点についての批判もあり、歴史評論家の香原斗志は武士が簡単に刀を抜いたり、漂着した船の船員に対して虐待を行うなどの場面は史料に記録されていないと指摘し、「ハラキリゲイシャから抜け出せていない」と述べている[60][61]。なお、これらの場面は原作小説にも記述されているほか、1980年のNBCテレビ版でも再現されており、当時も同様の指摘や批判が発生している[62]

本作が公開される前から一部の黒人コミュニティや民族学者からは「1980年版にも本作にも、どうして日本の作品なのに黒人が出ないのか」という批判が発生していた。日本人からすれば荒唐無稽な言いがかりでしかないわけであるが、原因は複数ある。第一に、1910年頃に北米で確認されている坂上田村麻呂黒人説があり、これは証拠の無いデマだったと結論付けられているにもかかわらず、未だに根強く残っていること[63]。「侍が勇敢であるためには、黒人の血を少しは受け継がなければならない[64]」という諺が日本に存在すると信じている者もいるうえ[65]、黒人説を肯定する論文も存在するといったことが影響していると考えられる[66]。本作に黒人が登場しないのは、結局のところ映画、テレビ、歴史書で一般的な白人救世主の作品だと主張している[67]

受賞・ノミネート

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アメリカメディアや業界関係者の間では『SHOGUN』は、派手なハリウッド・キャンペーンも展開せず、「レーダー外」の存在だったと言われる[24]。2024年9月15日にロサンゼルスで授賞式が行われる第76回プライムタイム・エミー賞英語版では作品賞や主演男優賞など、25の部門にノミネートされ業界を驚かせた[2][24][68][69]。作品賞に英語以外の作品がノミネートされたのは第74回プライムタイム・エミー賞英語版(2022年)の『イカゲーム』(Netflix制作)以来、2年ぶりである[70]

また、エミー賞では11人の日本人がノミネートされ、過去最多となった[71]。本作品に出演した真田広之や浅野忠信などもノミネートされたが、日本人が俳優部門にノミネートされるのは第59回プライムタイム・エミー賞(2007年)でノミネートされたマシ・オカNBC制作『HEROES』)以来、17年ぶりとなった[72][73]

2024年9月8日、エミー賞の授賞式に先駆けて、技術系や美術系などの一部部門が発表され、撮影賞や視覚効果賞などで受賞。この時点でこれまでテレビ番組の単一シーズンとしては最多の受賞記録となっていた『ゲーム・オブ・スローンズ』(HBO制作、第67回(2015年)・第68回(2016年)・第71回(2019年))の12冠を上回る14冠を獲得した[74][75]

2024年9月15日、エミー賞の授賞式が行われ、フレデリック・E・O・トーイが監督賞、アンナ・サワイが主演女優賞、真田が主演男優賞、本作品が作品賞をそれぞれ受賞した[76]。日本人が俳優賞の主要部門で、非英語作品が作品賞で受賞したのは初めてである[26][77][78]。エミー賞では同賞創設以来過去最多となる合計18冠を獲得[3][1][27][79][注 1]。真田は「これまで時代劇を継承して支えてきてくださった全ての方々、そして監督や、諸先生方に心より御礼申し上げます。あなた方から受け継いだ情熱と夢は海を渡り、国境を越えました。Thank you so much!!」と日本語でスピーチした[22][26][80][81]

授賞日 部門 対象 結果 出典
第1回ゴッサムTV賞英語版 2024年6月4日 ブレイクスルー・リミテッドシリーズ賞 『SHOGUN 将軍』 ノミネート [82][83]
リミテッドシリーズ俳優賞 真田広之
アンナ・サワイ
第40回TCA賞英語版 2024年7月12日 年間番組賞英語版 『SHOGUN 将軍』 受賞 [84]
ドラマ賞英語版
新番組賞英語版
ドラマ俳優賞英語版 アンナ・サワイ
真田広之 ノミネート
ドリアンTV賞英語版 2024年8月12日 ドラマ作品賞 『SHOGUN 将軍』 ノミネート [85]
非英語作品賞 受賞
ヴィジュアル・ストライキング賞 ノミネート
ドラマシリーズ主演俳優賞 アンナ・サワイ
ドラマシリーズ助演俳優賞 穂志もえか
第76回プライムタイム・クリエイティブ・アーツ・エミー賞英語版 2024年9月7-8日 短編ノンフィクション/リアリティ・シリーズ部門作品賞英語版 『SHOGUN 将軍』 受賞 [86][87]
ドラマ・シリーズ部門ゲスト男優賞英語版 ネスター・カーボネル
歴史劇/ファンタジー部門美術賞英語版 ヘレン・ジャーヴィス
クリス・バーチ
リサ・ランカスター
ジョナサン・ランカスター
安針英語版
ドラマ・シリーズ部門キャスティング賞英語版 ラウラ・シフ
キャリー・オーディノ
川村恵
モウリーン・ウェブ
コリーン・ボルトン
1時間シリーズ部門撮影賞英語版 クリストファー・ロス英語版
「安針」
ノミネート
サン・マッカーディ
紅天英語版
受賞
歴史劇部門衣装賞英語版 カルロス・ロザリオ
クリステン・ボンド
田中謙一
ポーラ・プラシー
うたかたの女たち英語版
歴史劇/キャラクター部門ヘアスタイリング賞英語版 サンナ・カーリナ・セッパネン
マライア・クロウリー
マディソン・ガレスピー
ナクリー・キーオ
ジャニス・ベッカリング
線香一本の時英語版
メインタイトルデザイン賞英語版 ナディア・ツオ
マイク・ツェン
アレックス・シルヴァー
リー・バックレー
イリヤ・ツェリューチン
イヴァン・ラリモア
非人工装具部門メイクアップ賞英語版 レベッカ・リー
クリスタル・デヴリン
アンバー・トルドー
アンドレア・アルカラ
レスリー・グラハム
クリスタ・ハン
マイク・フィールズ
エミリー・ウォルシュ
奈落の底英語版
人工装具部門メイクアップ賞英語版 トビー・リンダラ
ブリー=アンナ・レト
スージー・クリマック
夢の中の夢英語版
シリーズ音楽構成部門音楽賞英語版 アッティカス・ロス
レオポルド・ロス英語版
ニック・チューバ
二人の主君に仕えて英語版
ノミネート
テーマ曲賞英語版 アッティカス・ロス
レオポルド・ロス
ニック・チューバ
ドラマ・シリーズ部門編集賞英語版 マリア・ゴンザレス
三宅愛架
「夢の中の夢」
受賞
1時間コメディ/ドラマ・シリーズ部門音響編集賞英語版 ブライアン・A・アームストロング
ベンジャミン・クック
ジェームズ・ギャリヴァンジョン・クリード
山内あや子
マーク・ヘイルストン
ケン・ケイン
メリッサ・ムイク
マット・サリブ
サナ・ケリー
父の怒り英語版
1時間コメディ/ドラマ・シリーズ部門音響賞英語版 スティーヴ・ペダーソン
グレッグ・P・ラッセル
マイケル・ウィリアムソン
赤工隆
アーノ・ステファニアン
「父の怒り」
視覚効果賞英語版 マイケル・クリエット
メロディ・ミード
ジェド・グラスフォード
キャメロン・ウォルドバウアー英語版
フィリップ・イングストローム
チェルシー・ミロス
エド・ブルース
ニコラス・マーフィー
カイル・ロットマン
スタントパフォーマンス賞英語版 南博男
帯金伸行
マーティン・コーチンコ
ジョンソン・ファン
八重垣英語版
第76回プライムタイム・エミー賞英語版 2024年9月15日 ドラマ・シリーズ部門作品賞 『SHOGUN 将軍』 受賞 [88][89]
ドラマ・シリーズ部門主演男優賞英語版 真田広之
ドラマ・シリーズ部門主演女優賞英語版 アンナ・サワイ
ドラマ・シリーズ部門助演男優賞英語版 浅野忠信 ノミネート
平岳大
ドラマ・シリーズ部門監督賞英語版 フレデリック・E・O・トーイ
「紅天」
受賞
ドラマ・シリーズ部門脚本賞英語版 レイチェル・コンドウ英語版
ジャスティン・マークス英語版
「安針」
ノミネート
レイチェル・コンドウ
ケイリン・プエンテ
「紅天」
2024アストラTV賞英語版 2024年12月8日 ストリーミング・ドラマシリーズ作品賞 『SHOGUN 将軍』 受賞 [90]
ストリーミング・ドラマシリーズ主演男優賞 コスモ・ジャーヴィス ノミネート
真田広之 受賞
ストリーミング・ドラマシリーズ主演女優賞 アンナ・サワイ
ストリーミング・ドラマシリーズ監督賞 ジョナサン・バン・タルケン
「安針」
ノミネート
ストリーミング・ドラマシリーズ脚本賞 レイチェル・コンドウ英語版
ジャスティン・マークス英語版
「安針」
ストリーミング・ドラマシリーズ・ゲスト女優賞 宮本裕子
第24回AARP大人のための映画賞 2025年1月11日 テレビシリーズ/リミテッドシリーズ作品賞 『SHOGUN 将軍』 未決定 [91]
テレビ男優賞英語版 真田広之
第30回クリティクス・チョイス・アワード 2025年1月12日 ドラマシリーズ作品賞 『SHOGUN 将軍』 未決定 [92]
ドラマシリーズ主演男優賞英語版 真田広之
ドラマシリーズ主演女優賞英語版 アンナ・サワイ
ドラマシリーズ助演男優賞英語版 浅野忠信
平岳大
ドラマシリーズ助演女優賞英語版 穂志もえか
第52回サターン賞 2025年2月2日 アドベンチャーテレビ賞 『SHOGUN 将軍』 未決定 [93]

脚注

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注釈

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  1. ^ なお、インタビュー及びメイキング番組『The Making Of Shogun』も短編部門ノンフィクション/リアリティシリーズ賞において、受賞しているため、同番組も含めると19冠獲得となった[49]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j こだわったのは「正統」“あえて日本語”の時代劇が席巻『SHOGUN』エミー賞最多18冠”. テレ朝news. オールニッポン・ニュースネットワーク (2024年9月16日). 2024年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 池田敏 (2024年9月9日). “【知って10倍楽しむ 第76回エミー賞】アメリカドラマ界の天下を取るか?歴史を動かした「SHOGUN 将軍」”. SCREEN ONLINE. 近代映画社. 2024年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月19日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k 金東炫「17世紀日本の権力闘争を描いた米ドラマ『SHOGUN 将軍』、エミー賞18部門席巻 単一作品としては最多の受賞」『朝鮮日報/朝鮮日報日本語版』2024年9月19日。2024年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月19日閲覧
  4. ^ a b c d e f g 津山恵子 (2024年2月28日). “「SHOGUN 将軍」真田広之が「ようやく」と語る事情 「ラスト サムライ」出演以降、秘めていた思い”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2024年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月19日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g “真田広之『SHOGUN 将軍』でこだわった「所作」とは? 「誤解に満ちた日本人像を払拭したい」米エミー賞快挙作品にかけた思い”. めざましmedia (フジテレビジョン). (2024年9月17日). オリジナルの2024年9月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240917134856/https://mezamashi.media/article/15429503 2024年9月19日閲覧。 
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関連項目

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外部リンク

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