菅野剛士

日本の元プロ野球選手、スカウト

菅野 剛士(すがの つよし、1993年5月6日 - )は、東京都府中市出身の元プロ野球選手外野手内野手)。右投左打。

菅野 剛士
2019年6月7日 東京ドームにて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 東京都府中市
生年月日 (1993-05-06) 1993年5月6日(31歳)
身長
体重
171 cm
83 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手一塁手
プロ入り 2017年 ドラフト4位
初出場 2018年3月30日
最終出場 2023年6月17日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

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プロ入り前

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1歳年下の山野辺翔とは実家が近所の幼なじみでよく遊んでいた[1]。府中市立日新小学校時代に武蔵府中リトルリーグで野球を始め、全国大会準優勝を経験。府中市立府中第八中学校時代は武蔵府中シニアに所属し3年春には全国大会ベスト8に進出[2]。当時のチームメイトには、前述の山野辺のほか、茂木栄五郎横尾俊建らがいる[1]

東海大相模高校に進学後、1年生秋からレフトのレギュラーを獲得。甲子園には2010年春(1回戦敗退)、2010年夏(準優勝)、2011年春(優勝)の計3回出場した 。チームメイトは1学年上に一二三慎太大城卓三、同期には田中俊太渡辺勝がいる。

明治大学に進学後、1年生からベンチ入りし2年の春からはレギュラーを獲得。2年春と4年春に外野手のベストナインに選ばれた他、慶應義塾大学髙木大成の記録を更新する東京六大学歴代最多の28二塁打を記録した[3]。全国大会には、2年春の全日本大学選手権(ベスト4)、2年、3年秋の神宮大会(いずれも準優勝)と3度出場。ベストナインを2回受賞。 4年次の2015年プロ野球ドラフト会議では指名が有力視されるも、チームメイトの髙山俊阪神タイガース1位)、坂本誠志郎(阪神2位)。上原健太北海道日本ハムファイターズ外れ1位)の名が続々呼ばれていく中、菅野はプロ志望届を出した明治大学の選手の中から唯一の指名漏れとなった。

2016年、大学を卒業して社会人野球の日立製作所へ進み、高校時代の同期である田中俊太と再びチームメイトになる。新人ながら4番ライトでレギュラーの座を獲得。同年夏の第87回都市対抗野球大会ではチーム初の決勝進出(準優勝)に貢献し、田中とともに若獅子賞を受賞。社会人ベストナインにも選ばれた。2年目の2017年には、第28回BFAアジア野球選手権の日本代表に選出。全試合で5番打者を務め、打率4割を記録し、チームの優勝に貢献した。

2017年10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議にて千葉ロッテマリーンズから4位指名を受け、契約金5000万円、年俸1150万円(推定)で契約した。背番号は31[4]

ロッテ時代

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2018年、オープン戦から好調だったこともあり、3月30日に行われた東北楽天ゴールデンイーグルスとの開幕戦(ZOZOマリンスタジアム)で「6番・左翼手」として開幕スタメンに抜擢され、4回に則本昂大からプロ初安打を放った[5]。この試合では、同じくルーキーの藤岡裕大も「2番・遊撃手」で開幕スタメンを果たしていて、ルーキー2人がスタメンに入るのは、1997年の小坂誠清水将海以来、21年ぶりの出来事だった[6]。しかし、打撃不振に陥るなどシーズンを通して一軍と二軍を行き来し、53試合の出場で、打率.176、2本塁打、18打点に留まった。11月24日、290万円増となる推定年俸1440万円で契約を更改した[7]。オフの自主トレでは、打撃強化による一軍定着を誓い、中村晃に弟子入りをした[8]

2019年は、二軍で打率.424と結果を残し、4月7日に一軍に昇格した[9]が、3試合で11打数無安打4三振と結果を残せず、4月14日に二軍降格。その後一軍に復帰し、6月21日の東京ヤクルトスワローズ戦(明治神宮野球場)で2打席連続本塁打を放つ活躍を見せた[10]が、打率.197と調子が上がらず、7月4日に二軍降格。その後一軍に上がることなくシーズンを終えた。11月26日、現状維持となる推定年俸1440万円で契約を更改した[11]

2020年は、2月の練習試合では打率.415(41打数17安打)、2本塁打、4打点と結果を残したが、3月のオープン戦、6月の練習試合では当たりが止まり、開幕は二軍で迎えた[12]。しかし、二軍で打率.400(15打数6安打)、3本塁打、7打点と結果を残すと、7月7日に一軍昇格[12]。7月11日の埼玉西武ライオンズ戦(ZOZOマリン)で1号本塁打を放つと、この試合から3試合連続マルチ安打の活躍を見せるなど[12]、7月は打率.300、出塁率.458と結果を残し、左翼手のレギュラーとして出場を重ねた[12]。9月8日の北海道日本ハムファイターズ戦(ZOZOマリン)では、不振の井上晴哉に代わり、春季キャンプから練習していた一塁手として、初めて先発出場した[12]。10月6日には、新型コロナウイルスに感染したことが明らかになり、離脱した[13]が、10月22日に復帰した[14]。最終的に自己最多の81試合に出場。打率.260、2本塁打、20打点の成績を残した。12月11日、1000万円増となる推定年俸2440万円で契約を更改した[15]

2021年は、3月26日に行われた福岡ソフトバンクホークスとの開幕戦(福岡PayPayドーム)に「2番・一塁手」で出場[16]。しかし、結果が残せず先発出場は16試合のみに終わり、33試合の出場で打率.194、2本塁打と苦しいシーズンとなった[17]。12月9日、300万円減となる推定年俸2140万円で契約を更改した[17]

2022年は、4月19日と4月20日の西武戦(ベルーナドーム)でチームは2試合連続の1安打完封負けを喫するが、どちらの試合も菅野による1安打で無安打無得点を阻止した[18]。2試合連続で同じ打者が無安打を阻止したのはNPB史上初である[18]。また、8月21日の楽天戦(楽天生命パーク宮城)でも1安打完封負けを喫しているが、その試合の1安打も菅野が打ったヒットである[19]。5月10日の楽天戦(楽天生命パーク)で、右太腿のハムストリングスを痛めた影響もあり、41試合の出場で1本塁打、6打点、打率.209と結果が残せなかった[20]。11月21日、240万円減となる推定年俸1900万円で契約を更改した[20]

2023年は、7月6日の二軍戦で走塁中に左ハムストリング腱部分を断裂し、7月10日にハムストリング腱切除術を受けた[21]。その影響もあり6試合の出場にとどまった。10月3日に球団から戦力外通告を受けた。12球団合同トライアウトには参加せず、11月27日、育成選手として球団と再契約を結んだ[22]。推定年俸は400万円減となる1500万円となった[23]

2024年、二軍で41試合に出場して打率.264、1本塁打、6打点の成績を残し、 7月31日に再び支配下契約を締結し、背番号は64となった[24]。しかし、一軍公式戦への出場機会がないまま、10月6日に2年連続となる戦力外通告を受け[25]、12月10日に球団が現役引退と来年からのアマスカウト就任を合わせて発表した[26]

選手としての特徴

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バットコントロールに優れ[27]、小柄ながらも広角に長打を放つ中距離ヒッター[28][29]。アマチュア時代から勝負強さに定評があった[30][31]

人物

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巨人菅野智之とは同じ名字で、東海大相模高校出身と共通点はあるが血縁関係はない[32]

毎日、朝のテレビ情報番組でやっている占いを見てしまい、「今日のラッキーアイテム」で、自分の持っているものが出ていたりすると「よし」と思うらしい[33]

ジブリアニメ『崖の上のポニョ』の「ポニョ」に似ているとファンの間で話題になり、ロッテ球団広報からも「菅ニョ」とSNSで紹介されている[34]。また、チーム内での愛称も「ポニョ」と呼ばれている[35][36]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2018 ロッテ 53 161 131 15 23 3 2 2 36 18 1 0 4 1 20 0 5 27 4 .176 .306 .275 .581
2019 28 73 66 7 13 2 0 3 24 7 0 0 0 0 6 0 1 11 0 .197 .274 .364 .638
2020 81 275 223 24 58 10 3 2 80 20 1 3 5 0 45 0 2 55 7 .260 .389 .359 .748
2021 33 75 67 8 13 4 0 2 23 5 1 0 2 0 5 0 1 20 4 .194 .260 .343 .604
2022 41 93 86 6 18 6 0 1 27 6 0 0 0 0 7 0 0 20 1 .209 .269 .314 .583
2023 6 11 10 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 2 1 .100 .182 .100 .282
通算:6年 242 688 583 60 126 25 5 10 191 56 3 3 11 1 84 0 9 135 16 .216 .323 .328 .651

年度別守備成績

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一塁 外野
























2018 ロッテ - 48 66 3 0 0 1.000
2019 - 21 28 0 1 0 .966
2020 12 83 5 0 4 1.000 60 106 1 0 0 1.000
2021 14 75 9 0 5 1.000 12 11 0 1 0 .917
2022 6 18 2 0 1 1.000 18 27 2 0 0 1.000
2023 - 3 6 0 1 0 .857
通算 32 176 16 0 10 1.000 162 244 6 3 0 .988

記録

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初記録
その他の記録

背番号

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  • 31(2018年 - 2023年)
  • 131(2024年 - 同年7月30日)
  • 64(2024年7月31日 - 同年終了)

登場曲

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脚注

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出典

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  1. ^ a b 「チームに貢献するため」"守備の人"からプロへ 西武ドラ3野手の転機とは?」『Full-Count』2019年7月17日。2024年7月31日閲覧
  2. ^ 菅野剛士 | 千葉ロッテマリーンズ | 選手」『週刊ベースボールONLINE』。2018年4月2日閲覧
  3. ^ 明大・菅野が新記録 通算28本目二塁打、高木大成超えた」『スポニチアネックス』2015年10月26日。2024年1月11日閲覧
  4. ^ ロッテ4位菅野「やっと…」巨人菅野に負けたくない」『日刊スポーツ』2017年11月22日。2018年4月2日閲覧
  5. ^ a b ロッテ4位菅野、則本から初安打「自信につながる」」『日刊スポーツ』2018年3月31日。2020年12月8日閲覧
  6. ^ ロッテルーキー藤岡裕大&菅野剛士、開幕スタメンへ」『日刊スポーツ』2018年3月25日。2024年1月11日閲覧
  7. ^ 【24日の主な契約更改】中日・小笠原は現状維持2100万円 未勝利の楽天・安楽は400万円減」『スポーツニッポン』2018年11月24日。2024年1月11日閲覧
  8. ^ ロッテ菅野が中村晃に弟子入り、1軍定着へ打撃強化」『日刊スポーツ』2019年1月14日。2024年1月11日閲覧
  9. ^ ロッテ藤原登録抹消「まだまだ対応しきれてない」」『日刊スポーツ』2019年4月7日。2020年12月8日閲覧
  10. ^ ロッテが球団4500勝、今季最多タイ猛攻で節目」『日刊スポーツ』2019年6月21日。2020年12月8日閲覧
  11. ^ ロッテ・菅野は現状維持「来季は開幕スタメンを目標にやりたい」」『スポーツニッポン』2019年11月26日。2024年1月11日閲覧
  12. ^ a b c d e 出塁率.389、守備では無失策だったロッテ・菅野剛士」『BASEBALL KING』2020年12月6日。2020年12月8日閲覧
  13. ^ ロッテ鳥谷、角中、清田ら新たに11人がコロナ陽性」『日刊スポーツ』2020年10月6日。2020年12月8日閲覧
  14. ^ 日本ハム吉田輝星登録、阪神ボーア抹消/22日公示」『日刊スポーツ』2020年10月22日。2020年12月8日閲覧
  15. ^ ロッテ・菅野 1000万円増も「コロナで離脱が悔い残る」」『スポーツニッポン』2020年12月11日。2024年1月11日閲覧
  16. ^ 【公式】福岡ソフトバンクホークス VS 千葉ロッテマリーンズ(2021年3月26日)」『パ・リーグ.com』2021年3月26日。2024年1月11日閲覧
  17. ^ a b ロッテ菅野剛士は300万円減「悔しさは相当ある」巻き返しを誓う」『日刊スポーツ』2021年12月9日。2024年1月11日閲覧
  18. ^ a b 【データ】ロッテ菅野剛士が2戦連続でノーノー阻止、同じ打者は初 28イニング連続無得点」『日刊スポーツ』2022年4月21日。2024年1月11日閲覧
  19. ^ 2022年8月21日 (日)」『NPB.jp 日本野球機構』2022年8月21日。2024年1月11日閲覧
  20. ^ a b ロッテ・菅野剛士が240万円減の年俸1900万円 「来年30歳。ケアも重点を置いてやっていきたい」」『サンケイスポーツ』2022年11月21日。2024年1月11日閲覧
  21. ^ 【ロッテ】菅野剛士がハムストリング腱切除術 復帰まで約3か月」『スポーツ報知』2023年7月21日。2024年1月11日閲覧
  22. ^ ロッテ、菅野剛士と育成再契約 球団発表…戦力外→トライアウトは受験せず」『Full-Count』2023年11月27日。2023年11月27日閲覧
  23. ^ 【ロッテ】菅野剛士が育成契約に「上がるしかない…イチからのスタート。新しい気持ちで」」『中日スポーツ・東京中日スポーツ』2023年11月27日。2024年1月11日閲覧
  24. ^ 【ロッテ】河村説人と菅野剛士 育成から支配下契約に」『スポーツ報知』2024年7月31日。2024年7月31日閲覧
  25. ^ ロッテが東條大樹、二保旭ら13選手に戦力外通告 秋山正雲、本前郁也らは育成で再契約を検討」『サンケイスポーツ』2024年10月6日。2024年10月8日閲覧
  26. ^ ロッテ戦力外の菅野剛士が現役引退「夢のような時間に深く感謝いたします」 今後はロッテのアマスカウト就任」『サンケイスポーツ』2024年12月10日。2024年12月10日閲覧
  27. ^ 他球団も垂涎!? パリーグの2022年現役ドラフト注目野手6人。主力級の実力持つ目玉選手たち」『ベースボールチャンネル』2022年12月2日。2024年1月11日閲覧
  28. ^ 菅野剛士(千葉ロッテマリーンズ)」『週刊ベースボールONLINE』。2024年1月11日閲覧
  29. ^ ドラフト会議2017」『日刊スポーツ』。2024年1月11日閲覧
  30. ^ ロッテ4位菅野は笑顔「12球団で1番熱い印象」」『日刊スポーツ』2017年10月26日。2024年1月11日閲覧
  31. ^ 4年間の軌跡(2)菅野剛士」『明大スポーツ新聞部』2015年11月15日。2024年1月11日閲覧
  32. ^ 井口監督、ドラ4菅野の打撃絶賛「吉田正みたいなタイプ」」『スポーツニッポン』2018年1月23日。2024年1月11日閲覧
  33. ^ ロッテ・菅野剛士外野手「誰がどうやって内容を考えているんだろう?」/占い」『週刊ベースボールONLINE』2018年3月6日。2018年4月2日閲覧
  34. ^ 千葉ロッテマリーンズ 公式Twitter 2018/06/27 より」『Twitter』2018年6月27日。2021年8月24日閲覧
  35. ^ ポニョことロッテ・菅野が今季初アーチ」『サンスポ』2019年5月26日。2021年8月24日閲覧
  36. ^ 31 菅野 剛士 選手名鑑2021」『千葉ロッテマリーンズ オフィシャルサイト』。2021年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月24日閲覧
  37. ^ 【データ】ロッテ菅野剛士が2戦連続でノーノー阻止、同じ打者は初 28イニング連続無得点」『日刊スポーツ』2022年4月21日。2022年4月21日閲覧
  38. ^ 【ロッテ】パ単独ワースト16度目完封負けで自力V消滅…1安打に「打てる球はあった」井口監督」『日刊スポーツ』2022年8月21日。2022年8月22日閲覧

関連項目

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外部リンク

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