第3後方支援連隊
第3後方支援連隊(だいさんこうほうしえんれんたい、英語: JGSDF 3rd Logistics Support Regiment)は、兵庫県伊丹市の千僧駐屯地に連隊本部が駐屯する第3師団隷下の後方支援部隊である。
第3後方支援連隊 | |
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創設 | 1992年(平成4年)3月27日 |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 陸上自衛隊 |
部隊編制単位 | 連隊 |
兵科 | 武器科、需品科、輸送科、衛生科、通信科、施設科、化学科、情報科 |
兵種/任務 | 後方支援 |
所在地 | 兵庫県伊丹市 |
編成地 | 千僧駐屯地 |
通称号/略称 | 3後支 |
上級単位 | 第3師団 |
最終上級単位 | 陸上総隊 |
担当地域 | 関西 |
概要
編集連隊本部を千僧駐屯地に置き、大久保・福知山・伊丹・信太山・姫路・今津の6つの駐屯地に一部部隊を配置し、補給・整備・輸送・衛生の各機能を通じて、第3師団隷下部隊の兵站(補給、整備、回収、輸送等の業務)及び衛生の支援を任務とするほか、災害派遣や民生協力、国際貢献活動も行っている。
沿革
編集- 1992年(平成 4年)3月27日:師団近代化への改編に伴い、第3武器隊・第3補給隊・第3輸送隊・第3衛生隊を統合して第3後方支援連隊が千僧駐屯地で編成完結。衛生隊を大津駐屯地に配置。
- 1994年(平成 6年)3月28日:衛生隊が大津駐屯地から千僧駐屯地へ移駐[1]。
- 1995年(平成 7年)1月:阪神・淡路大震災発生により、災害派遣で出動。
- 1996年(平成 8年)3月29日:師団司令部第4部長職が専任化され、連隊長との兼補が解除。武器隊が武器大隊に改編。
- 2006年(平成18年)3月27日:後方支援体制の変換により武器大隊に師団隷下の諸部隊の整備部門を統合し、第1整備大隊、第2整備大隊に再編。
- 2011年(平成23年)3月15日 - 6月:東日本大震災に対する災害派遣活動、第3師団生活支援隊として亘理町で衛生支援、給食支援、入浴・洗濯支援などを実施。
- 2013年(平成25年)11月 - 2014年(平成26年)6月:南スーダン派遣施設隊第5次要員に隊員を派遣[2][3]。
- 2014年(平成26年)8月26日 - 9月1日:平成26年8月豪雨により発生した広島市の土砂災害に対する災害派遣活動、広島市安佐南区で入浴支援を実施[4]。
- 2018年(平成30年)6月18日:大阪府北部地震の発生に伴い、大阪府知事から第3師団長に対して災害派遣要請があったため、本連隊は給水支援・入浴支援に当たった[5]。同月26日、大阪府知事からの撤収要請により、全ての活動を終了した[5]。
- 2023年(令和 5年)3月16日:
- 第2整備大隊戦車直接支援隊(今津駐屯地)と偵察直接支援小隊(千僧駐屯地)を廃止・統合し、偵察戦闘直接支援隊を今津駐屯地に新編。
- 輸送隊第3輸送小隊(千僧駐屯地)を廃止[6]。(セミトレーラにより戦車輸送等を実施してきたが、第3戦車大隊廃止に伴い、こちら30年間の輸送支援を終え廃止。)
- 2024年(令和 6年)3月20日:第2整備大隊特科直接支援隊(姫路駐屯地)を廃止。
- 第3後方支援連隊本部
- 第3後方支援連隊本部付隊「3後支-本」(連隊本部の支援、連隊の通信に関する業務を担任)
- 付隊本部
- 連隊本部班
- 通信小隊
- 第1整備大隊:第3師団師団隷下部隊に対する全般整備支援(衛生器材を除く)及び第2整備大隊直接支援部隊に対する増援を実施
- 第1整備大隊本部
- 第1整備大隊本部付隊「3後支-1整-本」
- 化学整備班:第3特殊武器防護隊等を支援
- 火器車両整備中隊「3後支-1整-火車」
- 施設整備隊「3後支-1整-施」(大久保駐屯地):第3施設大隊等を支援
- 通信電子整備隊「3後支-1整-通」:第3通信大隊等を支援
- 第2整備大隊:第3師団隷下の部隊に装備されている各種装備品(火器、車両、誘導武器、通信器材等)の整備及び回収を担任
- 補給隊「3後支-補」:糧食・燃料・部品の補給、入浴・洗濯業務を担任し、第3師団隷下部隊を支援
- 補給隊本部
- 補給隊本部付隊
- 需品補給小隊
- 部品補給小隊
- 業務小隊
- 輸送隊「3後支-輸」:人員、補給品、車両等の輸送を担任し、第3師団隷下部隊を支援
- 輸送隊本部
- 管理班
- 第1輸送小隊
- 第2輸送小隊
- 衛生隊「3後支-衛」:第3師団作戦地域での患者の治療・後送及び防疫を担任。平素は各種訓練及び衛生技術支援
- 衛生隊本部
- 治療隊
- 救急車小隊
第3後方支援連隊長
編集官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
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第3後方支援連隊長 | 1等陸佐 | 佐藤敦茂 | 2023年 | 8月 1日陸上幕僚監部装備計画部武器・化学課総括班長 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 前職 | 後職 |
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1 | 山里洋介 | 1992年 | 3月27日 - 1993年 3月23日統合幕僚学校学校教官 →1992年3月16日 第3師団司令部第4部長 |
陸上幕僚監部装備部武器・化学課 化学室長 |
2 | 小津光由 | 1993年 | 3月24日 - 1995年 3月22日陸上幕僚監部教育訓練部教育課 企画班長 |
陸上幕僚監部装備部需品課長 |
3 | 泉新司 | 1995年 | 3月23日 - 1997年 3月25日陸上幕僚監部装備部武器・化学課 車両班長 |
陸上自衛隊関西地区補給処 武器部長 |
4 | 山田博敏 | 1997年 | 3月26日 - 1999年 3月31日陸上自衛隊幹部学校 教育部教務課長 |
陸上自衛隊幹部学校主任研究開発官 |
5 | 北川実 | 1999年 | 4月 1日 - 2001年11月30日装備開発実験隊火器科長 | 陸上自衛隊九州補給処 武器部長 |
6 | 岩﨑親裕 | 2001年12月 | 1日 - 2002年12月 1日陸上幕僚監部人事部人事計画課 企画班長 |
陸上幕僚監部防衛部防衛課勤務 |
7 | 精山英人 | 2002年12月 | 2日 - 2004年 7月31日陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 | 陸上自衛隊北海道補給処 総務部長 |
8 | 川上幸則 | 2004年 | 8月 1日 - 2005年 7月31日陸上幕僚監部人事部補任課 人事第2班長 |
陸上幕僚監部装備部 武器・化学課化学室長 |
9 | 森茂敏 | 2005年 | 8月 1日 - 2007年 3月27日陸上幕僚監部装備部 武器・化学課火器班長 |
陸上自衛隊武器学校第1教育部長 |
10 | 熊岡弘志 | 2007年 | 3月28日 - 2008年12月15日陸上自衛隊研究本部主任研究開発官 | 陸上自衛隊研究本部研究員 |
11 | 和田信之 | 2008年12月16日 - 2010年11月30日 | 統合幕僚学校教育課第1教官室 学校教官 |
陸上自衛隊東北補給処 装備計画部長 |
12 | 黒丸逸朗 | 2010年12月 | 1日 - 2012年 7月25日陸上自衛隊幹部学校学校教官 | 自衛隊大分地方協力本部長 |
13 | 河原久嗣 | 2012年 | 7月26日 - 2012年11月18日技術研究本部 技術開発官(陸上担当)付 第3開発室長 |
陸上自衛隊幹部学校付 |
14 | 河野玄治 | 2012年11月19日 - 2014年 | 7月31日陸上自衛隊幹部学校主任教官 | 陸上自衛隊幹部学校主任教官 |
15 | 吉岡正孝 | 2014年 | 8月 1日 - 2016年 7月31日統合幕僚監部首席後方補給官付 後方補給室勤務 |
陸上自衛隊関西補給処装備計画部長 |
16 | 西田博昭 | 2016年 | 8月 1日 - 2018年11月30日統合幕僚監部首席後方補給官付 後方補給室勤務 |
陸上自衛隊関西補給処装備計画部長 |
17 | 三宅睦 | 2018年12月 | 1日 - 2021年12月21日陸上自衛隊教育訓練研究本部教官 | 陸上幕僚監部装備計画部装備計画課 需品室長 |
18 | 上原孝志 | 2021年12月22日 - 2023年 | 7月31日陸上自衛隊教育訓練研究本部 企画調整官 |
第3師団司令部付 |
19 | 佐藤敦茂 | 2023年 | 8月 1日 -陸上幕僚監部装備計画部武器・化学課総括班長 |
主要装備
編集- 1/2tトラック/73式小型トラック
- 1 1/2tトラック/73式中型トラック
- 3 1/2tトラック/73式大型トラック
- 7tトラック/74式特大型トラック
- 重レッカ
- 73式特大型セミトレーラ
- 人員輸送車1号
- 戦車回収車[要検証 ]
- 3トン半水タンク車
- 小型ドーザ
- 3トン半燃料タンク車
- 野外支援車
- 冷凍冷蔵車
- 野外炊具
- 野外洗濯セット2型
- 野外入浴セット2型
- 浄水セット(車載型)
- 野外手術システム
- 1トン半救急車
- 89式5.56mm小銃
- 9mm拳銃
- 12.7mm重機関銃M2
- 91式携帯地対空誘導弾
廃止(改編)部隊
編集- 第3後方支援連隊武器隊「3後支-武」(千僧駐屯地):1996年(平成8年)3月28日廃止。第3後方支援連隊武器大隊に改編。
- 第3後方支援連隊武器大隊「3後支-武」(千僧駐屯地):2006年(平成18年)3月26日廃止。第3後方支援連隊第1整備大隊、第3後方支援連隊第2整備大隊に改編。
- 第3後方支援連隊第2整備大隊戦車直接支援隊「3後支-2整-戦」(今津駐屯地):2023年(令和5年)3月15日廃止。偵察戦闘直接支援隊の一部に改編。
- 第3後方支援連隊第2整備大隊偵察直接支援小隊「3後支-2整-偵」(千僧駐屯地):2023年(令和5年)3月15日廃止。偵察戦闘直接支援隊の一部に改編。
- 第3後方支援連隊第2整備大隊特科直接支援隊「3後支-2整-特」(姫路駐屯地):2024年(令和6年)3月20日廃止。
- 第3後方支援連隊輸送隊第3輸送小隊「3後支-輸」(千僧駐屯地):セミトレーラ装備。2023年(令和5年)3月16日廃止。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “沿革”. 第3後方支援連隊公式HP. 2020年2月23日閲覧。
- ^ 南スーダン派遣施設隊連隊壮行行事及び見送り
- ^ 南スーダン派遣施設隊帰国行事及び出迎え
- ^ 広島県豪雨災害派遣活動
- ^ a b “大阪府北部を震源とする地震に係る災害派遣について(最終報)”. 防衛省 (2018年6月26日). 2018年7月18日閲覧。
- ^ “戦車直接支援隊・偵察直接支援小隊・第3輸送小隊 廃止”. 六甲第86号、令和5年3月29日. 第3後方支援連隊第1科広報. 2024年3月23日閲覧。
- ^ “任務”. 第3後方支援連隊公式HP. 2020年2月23日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 第3後方支援連隊ウェブサイト
- 【公式】陸上自衛隊第3後方支援連隊(千僧駐屯地) (@3log_senzo) - X(旧Twitter)