留萌港

北海道留萌市にある港湾

留萌港(るもいこう)は、北海道留萌市にある港湾港湾管理者留萌市港湾法上の「重要港湾」、港則法上の「特定港」に指定されている。

留萌港
所在地
日本の旗 日本
所在地 北海道留萌市
座標 北緯43度57分21秒 東経141度38分15秒 / 北緯43.95583度 東経141.63750度 / 43.95583; 141.63750座標: 北緯43度57分21秒 東経141度38分15秒 / 北緯43.95583度 東経141.63750度 / 43.95583; 141.63750
詳細
管理者 留萌市
種類 重要港湾
統計
統計年度 2020年
発着数 945隻[1]
貨物取扱量 1,049,617トン[1]
公式サイト 留萌港

概要

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留萌港は留萌市をはじめとする留萌振興局旭川市を中心とする上川・空知地方の流通拠点港、日本海漁場とする沿岸漁業の基地としての役割を担っている[2]

特に冬季は日本海からの西風が強く、昭和初期には「冬季西風の強吹するとき風速28米を超ゆること珍しからず、高さ6米以上の波浪防波堤に衝激して勢猛烈を極む」と形容された[3]。その激しさは、インドマドラス(チェンナイ)イギリススコットランドウィック英語版と並んで「世界三大波濤[4][5]」または「世界三大波浪港[6]」と呼ばれている。

南防波堤は激浪による稀有な難工事であり、堤体の移動や改修の歴史などから「留萌港南防波堤」として2010年に「土木学会選奨土木遺産」に選定されている[7]

港湾施設

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「港湾施設」参照[8]

外郭施設

  • 西防波堤
  • 北外防波堤
  • 南防波堤
  • 北防波堤
  • 古丹浜北防波堤
  • 古丹浜南防波堤
  • 東岸地区防波堤
  • 内港西防波堤
  • 大町地区船溜防波堤
  • 留萌川導流堤
  • 大町第1防潮堤
  • 大町第2防潮堤
  • 明元町防波護岸
  • 大町防波護岸
  • 塩見町防波護岸
  • 三泊町防波護岸
  • 南護岸
  • 北岸地区護岸
  • 古丹浜防波護岸
  • 大町地区船溜防波護岸
  • 副港護岸
  • 南防波堤護岸
  • 古丹浜ふ頭南護岸
  • 古丹浜ふ頭北護岸
  • 塩見地区緑地護岸

係留施設

  • 大型船けい船岸壁
    • 南-8.0 m岸壁
    • 南-7.0 m岸壁
    • 南-6.0 m岸壁
    • 南-5.0 m岸壁
    • 北岸壁
    • 東岸地区岸壁
    • 古丹浜ふ頭-10.0 m岸壁
    • 古丹浜ふ頭-7.5 m岸壁
    • 北防波堤ドルフィン
    • 三泊地区-12.0 m岸壁

荷さばき施設

  • 荷さばき地
    • 古丹浜荷さばき地
    • 古丹浜ふ頭荷さばき地
    • 北岸地区荷さばき地
    • 南岸地区荷さばき地
    • 大町地区荷さばき地
    • 三泊地区荷さばき地
  • 上屋
    • 19号倉庫
  • 木材整理水面
    • 古丹浜木材整理水面
    • 北岸木材整理水面

緑地

  • 塩見地区緑地

官公署

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沿革

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留萌市街と留萌港周辺の空中写真(1977年(昭和52年)撮影の6枚を合成作成)。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

かつての留萌川の河口付近にはアイヌ語で「ルルモッペ」(潮の静かに入るところ、海水が静かでいつもあるもの)と呼ばれているアイヌの集落があり[9]場所請負制が始まるとルルモッペにも交易船が行き交うようになり、運上屋が開かれた[9]明治になると、漁獲物や木材を本州へ運ぶ和船や西洋型の帆船が出入りが増加したため、イギリスの技師であるチャールズ・スコット・メークによる調査・計画を機に築港運動が活発になった[9]。そして、1909年(明治42年)に国による築港が認められ、翌年の「第一期拓殖計画」の一環として工事を行った[9]。工事は計画変更や事業期間延長などの影響によって「第二期拓殖計画」に引き継がれた[9]1929年昭和4年)からは留萠鉄道が炭鉱線付設に岸壁築造を含む工事を行って1932年(昭和7年)に竣工しており、日本国内で初めて民間業者が築港に携わる事業となった[10]。なお、近代化した留萌港は1933年(昭和8年)に竣工した[9]。このうち南防波堤は、1910年(明治43年)に着工した[6]ものの、建設中の1920年大正9年)10月8日には最大波高7.6m、最大波長106mという波によって重さ2000tのコンクリートケーソン2函が破壊、5函が移動する被害を被り[5]、1929年に完成した[6][11]。その後も波や台風の影響で、1955年(昭和30年)頃までには港の構造物の多くが被害に遭っていたことから、1959年(昭和34年)には日本国内で初めて25tの大型消波ブロックが南防波堤に設置され[5]、西防波堤の整備など港湾機能拡充を図った[9]。しかし、なおも続く激浪によって消波ブロックの機能が低下したことから、2007年平成19年)から2022年令和4年)にかけて日本国内最大となる80tの消波ブロック967個を設置した[6]2017年(平成29年)12月26日、西防波堤にあるコンクリート製の南灯台(1975年(昭和50年)設置、高さ約14.6m、直径約2.7m、北緯43度57分45.7秒 東経141度37分21.8秒[2])が土台から3mを残して折れているのが見つかった。26日は最大瞬間風速30mを超える暴風雪を記録しており、高波で倒壊したとみられる[12][13][14]。その後、2021年(令和3年)10月14日には、元の位置に西防波堤南灯台が再設置され、復旧が完了した[4]

留萌港の近郊には大和田炭鉱など複数の炭田(留萌炭田)があったため、港には石炭積込機(石炭ローダー)が設置されて石炭の積み出し港として発展したほか[9]木材の輸出も堅調であった[9]。また、石炭から石油へのエネルギー転換によって留萌港は古丹浜地区や三泊地区に大型岸壁を整備し、流通拠点港としての機能強化を図っている[9]

年表

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脚注

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  1. ^ a b 令和2年 北海道港湾統計年報≪概要版≫” (PDF). 北海道. 2022年10月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p パンフレット.
  3. ^ 北海道本島沿岸水路誌 : 総記・津軽海峡・根室海峡・宗谷海峡・北海道本島全岸. [本編]』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  4. ^ a b c ー倒壊した留萌港西防波堤南灯台が復旧しました!ー”. 第一管区海上保安本部留萌海上保安部. 2022年9月26日閲覧。
  5. ^ a b c 留萌の波濤(はとう) 自然のエネルギーが猛威を振るう世界3大波濤のひとつ” (PDF). 北海道開発局留萌開発建設部. 2022年9月26日閲覧。
  6. ^ a b c d e 猫島一人「留萌港守る国内最大消波ブロック 1個80トン、15年かけ設置完了 冬の荒波でも「勢い消す」」『北海道新聞』2022年9月17日。2022年9月24日閲覧。
  7. ^ a b 留萌港南防波堤”. 土木学会選奨土木遺産. 土木学会. 2017年12月4日閲覧。
  8. ^ 港湾施設”. 留萌市. 2017年12月4日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i j 留萌港 開港80年”. 北海道開発局留萌開発建設部. 2017年12月4日閲覧。
  10. ^ 第17回 留萌築港—日本初、請負で施工した港”. 鹿島の軌跡. 鹿島建設. 2017年12月4日閲覧。
  11. ^ a b c 沿革”. 留萌市. 2022年9月26日閲覧。
  12. ^ “北海道で灯台消える…5m超の高波で倒壊か”. 読売新聞. (2017年12月27日). https://web.archive.org/web/20171227025541/http://www.yomiuri.co.jp/national/20171226-OYT1T50094.html 2017年12月31日閲覧。 
  13. ^ “留萌港の灯台折れる 暴風雪 交通事故相次ぐ”. 北海道新聞. (2017年12月26日). https://www.hokkaido-np.co.jp/article/153674 2017年12月31日閲覧。 
  14. ^ “灯台が消えた!? 北海道留萌港 低気圧による波や強風で倒壊か”. 産経ニュース. (2017年12月26日). https://www.sankei.com/photo/story/news/171226/sty1712260007-n1.html 2017年12月31日閲覧。 
  15. ^ 留萌港*12メートル岸壁が供用開始*3万トン級も接岸可*暫定使用*第1船入港、歓迎式”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2004年5月29日). 2017年12月4日閲覧。

参考資料

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関連項目

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外部リンク

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