浅野川大橋
金沢市の橋
浅野川大橋(あさのがわおおはし)は、石川県金沢市の浅野川にかかる道路橋である。同市橋場町と東山一丁目の間を結ぶ国道159号(国道359号重用)の鉄筋コンクリートアーチ橋[5]。国登録有形文化財[1][2][3][4]。
浅野川大橋 | |
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基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 石川県金沢市橋場町[1] - 東山一丁目 |
交差物件 | 浅野川[2][3][4] |
用途 | 道路橋 |
路線名 | 国道159号[5] |
管理者 | 国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所[3][4] |
竣工 | 1922年(大正11年)[1][2][3][4] |
座標 | 北緯36度34分19.44秒 東経136度39分52.11秒 / 北緯36.5720667度 東経136.6644750度 |
構造諸元 | |
形式 | アーチ橋[4][5] |
設計活荷重 | TL-20 |
材料 | 鉄筋コンクリート[1][4] |
全長 | 54.545 m |
幅 | 16.500 m |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
概要
編集現在の浅野川大橋は、独特の構造(3径間連続固定アーチ構造)に特徴があるアーチ橋である[1][4]。橋が完成した1922年(大正11年)から1966年(昭和41年)までは、北陸鉄道金沢市内線が浅野川大橋上を通っていた[6]。
形式は3径間連続RC固定アーチ橋で、橋長は54.545 m(メートル)、幅員は16.50 mである[7][8][1]。車道は4車線で歩道が設けられている。また、1989年(平成元年)には街灯や高欄などの改修工事によって大正時代に建造された当時の姿を復元した[4]。
諸元
編集歴史
編集- 1594年(文禄3年):加賀藩初代藩主前田利家が北国街道に木橋を架橋[11]。
- 1922年(大正11年):北陸鉄道金沢市内線の敷設に伴い、現在の鉄筋コンクリートのアーチ橋が完成[1][2][3][4][11]。開通は同年12月14日(金沢市内線の軌道も供用開始)[6]。
- 1966年(昭和41年)12月26日:北陸鉄道金沢市内線の橋場町停留場 - 鳴和停留場間(浅野川大橋を含む)が廃止[6]。
- 1989年(平成元年):建築当時の復元作業を実施(無電柱化・街灯の復刻改修・レリーフの設置など)[4][11]。
- 2000年(平成12年):国の登録有形文化財に登録(官報での告示は同年12月20日)[2][3][11][12]。
- 2005年(平成17年)11月10日:浅野川大橋北詰の火の見櫓が登録有形文化財として登録(官報での告示は同年12月5日)[13]。
- 2008年(平成20年)4月1日:浅野川大橋交番前交差点以北の路線が国道159号から国道359号に変更[14][15]。
- 2016年(平成28年)4月 - 車線幅を減少させて、歩道の拡幅を実施[9]。
- 2020年(令和2年):「浅野川四橋の景観照明」として土木学会デザイン賞奨励賞受賞[16]。
周辺
編集浅野川大橋周辺にはひがし茶屋街や主計町といった古くからの茶屋街があり[1][4][17]、観光地としても有名である。また、竹久夢二は前妻の出身地である金沢へは3回訪問しており、訪問時に浅野川大橋をスケッチしている[18]。
風習
編集浅野川大橋を含む浅野川流域の7か所の橋では、彼岸の中日の深夜に橋を渡る「七つ橋渡り」と呼ばれる風習がある[2][19][20][21]。午前0時に浅野川大橋や上流部にある歩行者・自転車専用橋の梅ノ橋などを数珠を持ちながら無言で渡りきると無病息災を願う風習で[2][22]、参加者のほとんどが女性である[19]。また、無言で渡りきるだけでなく、後ろを振り返ってはいけない、同じ橋は二度と渡れないなどのルールがある[22]。
ギャラリー
編集-
北側にある火の見櫓
-
復元された街灯と欄干
脚注
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h 『ニッポンを解剖する!金沢 能登図鑑』JTBパブリッシング、2018年3月1日、75頁。ISBN 978-4-533-12465-5。
- ^ a b c d e f g “男川「犀川」と女川「浅野川」。二つの河川で橋めぐり”. 箔一 (2018年9月20日). 2022年12月31日閲覧。
- ^ a b c d e f “10月に渡橋式 浅野川大橋 「100歳」 2年後に節目 犀川大橋”. 北陸中日新聞Web. (2022年7月16日). オリジナルの2022年7月16日時点におけるアーカイブ。 2022年12月31日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “金沢名所結ぶ橋100歳に 大正の面影”. 産経ニュース. (2022年10月27日) 2022年12月31日閲覧。
- ^ a b c “令和4年度事業概要〜石川の礎を築く〜” (PDF). 国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所. p. 11 (2022年). 2022年12月31日閲覧。
- ^ a b c 今尾恵介『日本鉄道旅行地図帳 6号 北信越』新潮社、2008年10月18日、31頁。ISBN 978-4-10-790024-1。
- ^ “浅野川大橋データ”. 国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所. 2023年10月1日閲覧。
- ^ “浅野川大橋について”. 浅野川大橋・犀川大橋 百寿会. 2023年10月1日閲覧。
- ^ a b “浅野川大橋の歩道を拡げます” (PDF). 国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所 (2016年4月1日). 2022年1月18日閲覧。
- ^ 天坂豊治、金谷進、能登優一、水口昇「浅野川大橋の景観設計について」『北陸地方建設局管内技術研究会論文集』平成元年度、建設省北陸地方建設局、1989年7月、307-310頁。
- ^ a b c d 歴史・沿革 - 浅野川大橋・犀川大橋百寿会
- ^ 浅野川大橋 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 浅野川大橋詰火の見櫓 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ 『4月1日より、国道の路線名・経路等が変わります。』(PDF)(プレスリリース)国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所、2008年3月24日 。2022年12月31日閲覧。
- ^ 「4月から国道の路線名などを変更 金沢河川国道事務所」『北國新聞』朝刊2008年3月25日、5面。
- ^ “浅野川四橋の景観照明”. 土木学会景観・デザイン委員会. 2023年10月1日閲覧。
- ^ 能登印刷 2015, p. 38.
- ^ “夢二が愛育んだ奥座敷…湯涌温泉(金沢市)”. 読売新聞オンライン. (2022年12月11日) 2022年12月31日閲覧。
- ^ a b 能登印刷 2015, p. 143.
- ^ “まいどさんの金沢クイズ 七つ橋渡りの巻”. テレビ金沢 (2017年9月23日). 2022年12月31日閲覧。
- ^ “金沢7つ橋渡りとは!?”. 石川さん情報Live リフレッシュ (2021年8月4日). 2022年12月31日閲覧。
- ^ a b 能登印刷 2015, p. 144.
参考文献
編集- 能登印刷出版部『伝統と革新の町・金沢を歩き解く! 金沢謎解き街歩き』実業之日本社、2015年3月19日。ISBN 978-4-408-00870-7。
関連項目
編集外部リンク
編集- 浅野川大橋 - 国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所
- 浅野川大橋について - 浅野川大橋・犀川大橋百寿会
- 浅野川大橋 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ほっと石川旅ねっと 浅野川大橋 - 石川県観光連盟