沖縄県警察
沖縄県が設置した警察組織
沖縄県警察(おきなわけんけいさつ)は、沖縄県が設置した警察組織であり、沖縄県内を管轄区域とし、沖縄県警と略称する。管轄人口は140万人。沖縄県公安委員会の管理を受け、給与支払者は沖縄県知事である。警察庁九州管区警察局管内。
沖縄県警察 | |
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沖縄県警察本部庁舎 | |
役職 | |
本部長 | 小堀龍一郎(警視長) |
警務部長 | 田中真実(警視正) |
組織 | |
上部組織 | 沖縄県公安委員会 |
内部組織 | 警務部、生活安全部、地域部、刑事部、交通部、警備部、警察学校、警察署 |
概要 | |
所在地 |
那覇市泉崎1丁目2-2 北緯26度12分41.6秒 東経127度40分52秒 / 北緯26.211556度 東経127.68111度座標: 北緯26度12分41.6秒 東経127度40分52秒 / 北緯26.211556度 東経127.68111度 |
設置 | 1972年(昭和47年)5月15日 |
前身 | 琉球警察 [注 1] |
ウェブサイト | |
沖縄県警察 |
沿革
編集- 1972年(昭和47年)5月15日:沖縄県警察が発足
- 1974年(昭和49年)4月1日:交通部に交通機動隊を設置
- 1976年(昭和51年)4月1日:防犯部を新設。
- 1978年(昭和53年)7月30日:交通方法変更を実施
- 1987年(昭和62年)4月1日:交通部に高速道路交通警察隊を設置
- 2005年(平成17年)9月6日:警備部に特殊部隊(SAT)を設置
- 2007年(平成19年)4月1日:刑事部に捜査第三課(窃盗犯対応)を設置、安全なまちづくり推進課を生活安全部所属に変更、刑事部暴力団対策課に銃器薬物対策課及び捜査第一課組織犯罪対策係を統合
- 2018年(平成30年)4月1日:刑事部暴力団対策課を刑事部組織犯罪対策課に組織改編[1]。
- 2020年(令和2年)4月1日:警備部に国境離島警備隊を設置。
- 2021年(令和3年)
- 4月1日:地域部を新設(生活安全部から分離)。運転免許課を運転免許管理課に運転免許課自動車運転免許試験場を運転免許試験課に組織改編。
- 10月1日:警備部に警衛対策課を新設し、沖縄県警察航空隊を地域部地域課から警備部警備第二課に移管。
組織
編集- 警備第一課
- サイバー事案対処室
- 警備第二課
- 外事課
- 警衛対策課
- 機動隊
- 特殊部隊
- 国境離島警備隊 - 2020年(令和2年)4月発足。離島への不法上陸に対応する日本初の国境離島警備専門の部隊。隊長は警視正。
沖縄県警察学校
編集→詳細は「沖縄県警察学校」を参照
規模
編集- 交番数 - 67
- 駐在所数 - 80
- 警備派出所 - 5
- 職員数 - 2535人
- 車両 - 800台
- 警備艇 - 6隻
- ヘリコプター - 3機
- JA21RP 「しまもり」(AS365N3)
- JA22RP「なんぷう」(AW109E パワー)
- JA001P「うりずん」(EC225LP Super Puma Mk2+)
警察署
編集県内の警察署数は14。警察車両のナンバー地名はすべて「沖縄」である。なお、警察署長の階級は那覇警察署と沖縄警察署が警視正、他警察署はすべて警視。
地域 | 警察署名称 | 管轄区域 | 備考 |
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島尻 | 那覇警察署 | 那覇市(小禄支所管内・山下町・奥武山町・垣花町および那覇空港を除く) 島尻郡久米島町・渡嘉敷村・座間味村・粟国村・渡名喜村・南大東村・北大東村 |
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豊見城警察署 | 豊見城市・那覇市(小禄支所管内・山下町・奥武山町・垣花町) 那覇空港 |
那覇警察署から分離。 | |
糸満警察署 | 糸満市、島尻郡八重瀬町 | ||
与那原警察署 | 南城市、島尻郡与那原町・南風原町 | ||
中頭 | 浦添警察署 | 浦添市、中頭郡西原町 琉球大学 |
宜野湾警察署と与那原警察署から分離。 |
宜野湾警察署 | 宜野湾市、中頭郡中城村(琉球大学敷地内除く) | 普天間警察署から改称。 | |
沖縄警察署 | 沖縄市、中頭郡北谷町・北中城村 | コザ警察署から改称。 | |
嘉手納警察署 | 中頭郡嘉手納町・読谷村 | ||
うるま警察署 | うるま市(石川地域を除く) | 具志川警察署から改称。 | |
石川警察署 | うるま市(石川地域) | ||
国頭 | 国頭郡恩納村・金武町・宜野座村 | ||
名護警察署 | 名護市、国頭郡大宜味村・東村・国頭村 | ||
本部警察署 | 国頭郡本部町・今帰仁村・伊江村、島尻郡伊是名村・伊平屋村 | 渡久地警察署から改称。 | |
宮古 | 宮古島警察署 | 宮古島市、宮古郡多良間村 | 宮古警察署から改称。 |
八重山 | 八重山警察署 | 石垣市、八重山郡竹富町・与那国町 |
不祥事
編集- 2017年5月 - 宜野湾警察署警務課の男性巡査部長(33歳)が2014~2016年、職場での地位を利用して、後輩の警察官6人に「仕事の授業料だ」「甘えていいか」などと言って、キャバクラの飲食代など計109万円を払わせていた。また県警のデータベースで交際女性の前科前歴などを不正に照会したり、「仲間の印だ」として後輩7人に3万円前後の自分と同じ時計を買わせたりしていた。さらに2016年12月に公用パソコンの液晶画面を殴って壊したとして、5月18日、県警は器物損壊の疑いで那覇地方検察庁に書類送検し、男性巡査部長を停職6か月の懲戒処分とした。男性巡査部長は同日付で依願退職[2]。
- 2017年5月 - 糸満警察署地域課の男性巡査部長(30歳)が飲み会で後輩4人に計8万円を払わせていた。また2014年から2016年の間に後輩2人の顔を殴ったとして暴行の疑いで5月18日、県警は男性巡査部長を那覇地方検察庁に書類送検し、停職1か月の懲戒処分とした、男性巡査部長は同日付で依願退職[2]。
- 2017年6月 - 糸満警察署警備課の男性巡査長(26歳)が那覇市内のホテルで18歳未満と知りながら県内に住む女子高校生(16歳)にみだらな行為をしたとして、県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕された[3]。また2016年12月に女子中学生(14歳)に現金を渡す約束をしてみだらな行為をした疑いで県警は児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反(児童買春)の容疑で男性巡査長を再逮捕[4]。
- 2017年6月 - 宮古島警察署の男性巡査長(26歳)が宮古島市内のアパートで、未成年と知りながら17歳の少女にみだらな行為をした疑いで、県警は男性巡査長を県青少年保護育成条例違反(みだらな性行為の禁止)の疑いで書類送検。男性巡査長は略式起訴され、罰金30万円を納付。男性巡査は6月16日付で停職1か月の懲戒処分を受け、依願退職[5]。
- 2020年1月 - 機動隊の男性巡査(26歳)がうるま市の機動隊独身寮の同僚の部屋に侵入し、現金6,000円を盗んだとして県警は17日、住居侵入と窃盗の容疑で男性巡査を那覇地方検察庁沖縄支部に書類送検し、停職3か月の懲戒処分とした。男性巡査は同日付で依願退職。男性巡査は2019年9月ごろから11月30日にかけ、計9万円を盗んだことを認めている[6]。
- 2020年5月 - 警備部機動隊長の男性警視(50代)が飲み会後に酒に酔った状態で、「女の車に拉致された」と虚偽の110番通報を複数回行った。男性警視は29日付で警務部付に異動。県警内では新型コロナウイルス感染防止のため、飲み会の自粛中とされていた。県警は事実関係について非公表としつつ、「多量飲酒によって不適切な行為はあった」とコメントした[7]。
- 2022年1月27日未明、沖縄警察署に出向中の宮崎県警察の警察官が、バイクで走行中の高校生を暴走族と誤認し、職務質問を行おうとした際、当該警官の警棒を持った右手と高校生が接触し、右目を失明させた可能性がある事案が発生したが、これを事故扱いで処理した。この事件がSNSを中心に広まり、同日深夜から翌28日未明に同署前に被害者の仲間と見られる若者約300人が集まり、施設や車両の窓ガラスが破壊されるなどの大規模な襲撃を受けた[8][9][10]。11月2日、バイクを止めようとつかみかかり警棒をぶつけたとして、この警察官(巡査)を特別公務員暴行陵虐致傷の疑いで書類送検した[11]。2023年6月29日、那覇地方検察庁は巡査を業務上過失傷害罪で在宅起訴した。客観的証拠が乏しく、故意の立証は困難で、法定刑の軽い業務上過失傷害に切り替えたとみられる[12]。7月14日、県警は巡査を停職1カ月の懲戒処分にした[13]。12月4日、巡査の初公判が那覇地方裁判所で開かれた。検察側は「一生涯にわたって重大な変化を及ぼす取り返しのつかない傷害を負わせた」と指摘する一方、「偶発的、不慮の結果の側面は否定できない」などとして罰金100万円を求刑した[14]。同月25日、那覇地方裁判所は「とっさの出来事とはいえ、警察官に課せられた基本的な注意義務に反する重大な過失だった」として求刑通り罰金100万円の判決を言い渡した[15]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 準暴力団対策を強化 沖縄県警が組織改編 拾得物対策や語学力向上も 沖縄タイムス 2018年3月28日
- ^ a b “「授業料だ」117万円おごらせた先輩警官処分 沖縄”. 朝日新聞 2017年5月18日 21時06分. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “沖縄県警の巡査長逮捕、高校生とホテルでみだらな行為容疑”. 産経新聞 2017.5.26 17:48. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “児童買春容疑、沖縄県警巡査長を再逮捕”. 朝日新聞 2017年6月16日 19時22分. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “少女とみだらな行為 沖縄県警、巡査長を書類送検”. 沖縄タイムス 2017年6月16日 16:17. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “同僚から6千円盗んだ疑いで警察官を書類送検 沖縄県警”. 朝日新聞 2020年1月17日 17時03分. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “警察機動隊長が「女の車に拉致された」 沖縄県警警視、泥酔して嘘の110番通報”. 沖縄タイムス 2020年5月30日 08:30. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “警棒で殴られた? 右手が当たった? 高校生、警官と接触で右目失明 ネットで拡散し300人抗議の騒ぎに | 沖縄タイムス+プラス ニュース”. 沖縄タイムス+プラス. 2022年2月2日閲覧。
- ^ “警察官、右手に警棒「強くぶつかった」 高校生失明 目撃者なく特定難航 | 沖縄タイムス+プラス ニュース”. 沖縄タイムス+プラス. 2022年2月2日閲覧。
- ^ [1]
- ^ 光墨祥吾 (2022年11月2日). "警棒を右目にぶつけ高校生が失明 容疑の巡査を書類送検 沖縄県警". 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2022年11月11日閲覧。
- ^ “沖縄・警棒で高校生失明、過失傷害罪で巡査起訴 故意の立証困難と判断か”. 産経新聞. (2023年6月29日) 2023年6月29日閲覧。
- ^ “警棒で高校生失明 沖縄県警巡査を停職1カ月”. 産経新聞. (2023年7月14日) 2023年7月15日閲覧。
- ^ “沖縄の高校生失明事件初公判 警察官に罰金100万円求刑、即日結審”. 産経新聞. (2023年12月4日) 2023年12月4日閲覧。
- ^ “「重大な過失」沖縄高校生失明、警察官に罰金100万円判決 那覇地裁”. 産経新聞. (2023年12月25日) 2024年3月11日閲覧。