宇野駅
宇野駅(うのえき)は、岡山県玉野市築港一丁目にある西日本旅客鉄道(JR西日本)宇野線(宇野みなと線)の駅で、同線の終着駅である。駅番号はJR-L15。
宇野駅 | |
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駅舎とロータリー(2016年3月) | |
うの Uno | |
◄JR-L14 備前田井 (2.5 km) | |
所在地 | 岡山県玉野市築港一丁目1番1号 |
駅番号 | JR-L15 |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | ■宇野線(宇野みなと線) |
キロ程 |
32.8 km(岡山起点) 茶屋町から17.9 km |
電報略号 | ウノ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線 |
乗車人員 -統計年度- |
990人/日(降車客含まず) -2021年- |
開業年月日 | 1910年(明治43年)6月12日[1] |
備考 |
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宇野駅 | |
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うの Uno | |
所属事業者 | 四国旅客鉄道(JR四国) |
開業年月日 | 1910年(明治43年)6月12日 |
廃止年月日 | 1991年(平成3年)3月16日* |
乗入路線 | |
所属路線 | 宇高航路(宇高連絡船) |
キロ程 | 0.0 km(宇野起点) |
(18.0 km) 高松► | |
備考 | *連絡船自体は1988年(昭和63年)4月10日廃止。 |
宇野駅 | |
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うの Uno | |
所属事業者 | 玉野市 |
開業年月日 | 1953年(昭和28年)4月5日* |
廃止年月日 | 1972年(昭和47年)4月1日 |
乗入路線 | |
所属路線 | 玉野市営電気鉄道(玉野市電) |
キロ程 | 0.0 km(宇野起点) |
(0.7 km) 広潟► | |
備考 | *備南電気鉄道により開業 |
概要
編集かつては、四国への移動手段であった宇高連絡船との接続駅として東京・大阪方面からの優等列車や貨物列車が入線して賑わい、構内には側線や機回し線、引込み線などが幾本もある広大な駅であった。しかし1988年(昭和63年)に瀬戸大橋の開通で四国との連絡口としての使命を終え、1991年(平成3年)には宇高航路で残っていた高速艇も廃止になり、1994年(平成6年)12月3日に旧駅舎(鉄筋コンクリート2階建)の北側へ新築された現行駅舎へ移転し(この時までにホームがかさ上げされた)、翌年から始まった旧駅舎の解体をはじめとした駅前広場の再開発により、その名残もほぼなくなった。なお、当駅には普通列車のみが発着するが、観光列車「La Malle de Bois」(ラ・マル・ド・ボァ)の運行が設定される日もある(※2022年7月現在)。
歴史
編集- 1910年(明治43年)6月12日:国有鉄道宇野線開業と同時に設置(一般駅)[2]。宇高航路が開設され、連絡船が就航[2]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道法の施行に伴い、宇野線・宇高航路を公共企業体日本国有鉄道(国鉄)が継承。
- 1947年(昭和22年):岡山県内に昭和天皇の戦後巡幸。宇野駅発、妹尾駅着のお召し列車が運行[3]。
- 1953年(昭和28年)4月5日:備南電気鉄道(のちの玉野市営電気鉄道)により、宇野駅 - 玉駅間が開業[4]。
- 1956年(昭和31年)3月24日:備南電気鉄道が玉野市営電気鉄道となる[4]。
- 1960年(昭和35年)
- 1961年(昭和36年)9月1日:宇野線の単線自動化が完成。
- 1965年(昭和40年)
- 1968年(昭和43年) 9月1日:駅構内にあり、開かずの踏切でもあった宇野踏切解消のため、宇野駅構内跨線橋工事が開始される。
- 1969年(昭和44年)
- 1970年(昭和45年)
- 1972年(昭和47年)
- 1982年(昭和57年)11月:構内の橋はかりを廃止[8]。
- 1986年(昭和61年)11月1日:荷物・車扱貨物の取扱を廃止(旅客駅となる)[1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、宇野線をJR西日本[1]と日本貨物鉄道(JR貨物、第二種鉄道事業者)、宇高航路を四国旅客鉄道(JR四国)が継承。
- 1988年(昭和63年)4月10日:瀬戸大橋開通に伴い、本四備讃線(瀬戸大橋線)開業。宇高航路の連絡船・ホーバークラフトが廃止。高速艇は存続。当駅に発着する唯一の優等列車であった「瀬戸」の運転区間が、瀬戸大橋線を経由する東京駅 - 高松駅間に延長されたため、当駅発着が終了。
- 1990年(平成2年)3月:廃止後も残っていた連絡船桟橋と可動橋が解体撤去される。高速艇が利用客減で運航休止。
- 1991年(平成3年)3月16日:高速艇廃止。JR宇高航路廃止[2]。
- 1994年(平成6年)12月3日:北側(内陸方向)に建設していた新駅舎の使用を開始[9]。同時に営業距離を0.1 km短縮[9][2]。
- 1995年(平成7年)1月:旧駅施設(駅舎、列車ホーム、ホーバークラフトのりば)が解体撤去される。跡地周辺の再開発工事が開始。
- 2002年(平成14年)4月1日:JR貨物が茶屋町駅 - 当駅間の第二種鉄道事業廃止。
- 2004年(平成16年)8月30日:台風16号の高潮により被災(後述)。
- 2016年(平成28年)3月:第3回瀬戸内国際芸術祭の出展作品(「JR宇野みなと線アートプロジェクト」)として、駅舎の壁面塗装がエステル・ストッカー(イタリアの画家)がデザインしたものに変わる[10][11]。
- 2019年(平成31年)
- 2020年(令和2年)
2004年8月台風での冠水
編集2004年(平成16年)8月30日に中国地方に上陸した台風16号の影響で瀬戸内海沿岸は予想以上の高潮が発生し、岡山県南部でも各所で浸水による被害があった。宇野駅周辺も冠水し翌朝始発列車の為に駅構内(ホーム)へ停泊していた岡山電車区所属の105系F8編成(2両)と、115系D18編成(3両)の2本の電車も床下浸水の被害を受け電気部品・回路の故障により自走不能に陥り、駅構内の電気・信号設備も冠水、駅事務所でもマルスなどの機器類が被災し、当日は始発からダイヤが大きく乱れ、各種乗車券・特急券など切符類の発券などをはじめとした駅事務にも支障をきたした。
当時、岡山電車区では105系は新和歌山車両センター(当時)へ転出する編成があり、115系は短編成化・リニューアル工事、213系もワンマン化改造のために入場している編成が多く、予備車が極端に不足していたために、たまたま岡山電車区に留置されていた網干総合車両所所属の223系J1編成(6両)を急遽宇野線の運用に投入した。
駅構造
編集両開きの線路配置で、6両対応の島式ホーム1面2線を持つ地上駅[9]。ホームは頭端式だが、先端の30mほどは切り欠きとなっており[14](切り欠き部には線路はない)、2番線の方が有効長が長くなっている。出入口(改札)はホームの南側に1か所。ほか、列車留置用の側線が2本ある。
直営駅(児島駅の被管理駅)であり、駅舎内にはかつてみどりの窓口(エクスプレス予約・e5489対応)、売店(キヨスク)があった。現在では、みどりの券売機プラス、近距離乗車券の自動券売機(オレンジカード対応)、玉野市観光案内所、駅スタンプ、コインロッカーなどがある。ICOCAは2019年3月より改札、自動券売機ともに対応された。
駅構内に乗務員宿泊施設がある。
移転前の駅は、今の駅前広場の位置に駅舎、小型船乗り場の位置に連絡船桟橋(バース跡が一部保存されている)、並行する道路の位置に列車ホーム、道路の海側突き当りの位置にホーバークラフトのりばがあった。駅敷地の三方向が海に囲まれていたが、後に周りが埋め立て拡張された。
のりば
編集のりば | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1・2 | 宇野みなと線 | 岡山方面[14] |
- 上記の路線名は旅客案内上の呼称(愛称)で表記している。日中は主に2番のりばからワンマン列車が発車する。
-
改札口(2024年4月)
-
構内(2015年5月)
-
ホーム(2015年5月)
利用状況
編集1日の平均乗車人員は以下の通りである[15]。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
1999 | 1,478 |
2000 | 1,506 |
2001 | 1,523 |
2002 | 1,457 |
2003 | 1,409 |
2004 | 1,388 |
2005 | 1,345 |
2006 | 1,272 |
2007 | 1,239 |
2008 | 1,203 |
2009 | 1,151 |
2010 | 1,198 |
2011 | 1,175 |
2012 | 1,175 |
2013 | 1,247 |
2014 | 1,188 |
2015 | 1,247 |
2016 | 1,290 |
2017 | 1,246 |
2018 | 1,233 |
2019 | 1,309 |
2020 | 974 |
2021 | 990 |
駅周辺
編集駅前には、バス・タクシー乗り場、駐車場などがある。
公共施設など
編集- 玉野市観光案内所 - JR宇野駅構内。
- 玉野警察署宇野駅前交番 - 駅舎西隣に隣接
- 玉野産業振興ビル - 駅正面南側。
- 玉野商工会議所
- 玉野市観光協会
- 宇野港湾事務所
- 玉野港湾合同庁舎
- 玉野公共職業安定所
- 岡山県玉野警察署
- 玉野市役所
医療機関
編集- 総合病院玉野市立玉野市民病院
- 玉野中央病院
- 岡山赤十字病院玉野分院
教育機関
編集- 玉野総合医療専門学校
- 玉野市立築港小学校
- 玉野市立宇野中学校
- 岡山県立玉野高等学校
交通機関
編集金融機関・郵便局
編集各種施設など
編集- 宇野港銀座商店街
- 宇野港土地ビル
- ショッピングモールメルカ
- 玉野市立図書館
- 玉野市立中央公民館
- 玉野市文化会館 バウハウス
- 駅東創庫&MinatoGallery(ギャラリー)
- Gallery サンコア(現代アートギャラリー)
- 玉野とんぼ玉クラブ、アート工房るんるん島
- 瀬戸内温泉たまの湯
- UNO HOTEL
- 玉野競輪場
- KEIRINHOTEL10
道路
編集- 国道30号 - 宇野駅前交差点が本州側の終点である。
- 国道430号
- 岡山県道22号倉敷玉野線
- 岡山県道466号田井新港線
バス路線
編集のりば | 運行事業者 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 両備バス | ||
2 | 0A1(537):岡山駅 | ||
3 |
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| |
下電バス | 87:児島駅 | 土日祝日1往復のみ運行の直通便 | |
4 | 両備バス |
|
玉野競輪場行無料バスは開催日のみ運行 |
シーバス (玉野市コミュニティバス) |
| ||
下電バス | 児島競艇場(児島ボート)無料バス | 開催日のみ運行 |
その他
編集隣の駅
編集- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 宇野みなと線(宇野線)
- 備前田井駅 (JR-L14) - 宇野駅 (JR-L15)
かつて存在した路線
編集- 日本国有鉄道(国鉄)→ 四国旅客鉄道(JR四国)
- 宇高航路(宇高連絡船)
- 宇野駅 - 高松駅
- 玉野市営電気鉄道
-
- 宇野駅 - 広潟駅
脚注
編集- ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、259頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b c d 日本鉄道旅行地図帳 11号 p. 30
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、100頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ a b c 日本鉄道旅行地図帳 11号 p. 31
- ^ 「宇野駅の新ホーム使用開始」『交通新聞』交通協力会、1960年7月7日、2面。
- ^ 「四支社で新ダイヤ発表」『交通新聞』交通協力会、1960年9月14日、2面。
- ^ 「笠上げ工事急ピッチ」『交通新聞』交通協力会、1960年9月17日、2面。
- ^ 「「通報」橋はかりの廃止について(貨物局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1982年11月19日、1面。
- ^ a b c 「JR宇野駅が新装」『交通新聞』交通新聞社、1994年12月9日、1面。
- ^ “瀬戸内国際芸術祭 作品 JR宇野みなと線アートプロジェクト”. 瀬戸内国際芸術祭. 瀬戸内国際芸術祭. 2022年7月11日閲覧。
- ^ “半日で!!宇野港アート満喫コース”. 瀬戸内 玉野 観光ガイド. 玉野市. 2022年7月11日閲覧。
- ^ a b “宇野駅 駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2018年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月23日閲覧。
- ^ a b 『「みどりの券売機プラス」設置駅拡大のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道岡山支社、2018年12月21日。オリジナルの2019年1月7日時点におけるアーカイブ 。2020年12月23日閲覧。
- ^ a b “宇野駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年3月26日閲覧。
- ^ “岡山県統計年報”. 岡山県. 2023年3月29日閲覧。
参考文献
編集- 『日本鉄道旅行地図帳』 11号《中国 四国》、今尾恵介(監修)、新潮社〈新潮「旅」ムック〉、2009年3月18日。ISBN 978-4-10-790029-6。
関連項目
編集外部リンク
編集- 宇野駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道