太魯閣号
太魯閣号(タロコごう)は、中華民国の台湾鉄路管理局(台鉄)の電車自強号(日本の鉄道における特急に相当する)の愛称。正式名称は太魯閣自強号列車(繁体字中国語: 太魯閣自強號列車)、公式名称は台湾鉄路管理局TEMU1000型電車。
太魯閣号 | |
---|---|
太魯閣号 | |
運行者 | 台湾鉄路管理局 |
列車種別 | 自強号 |
運行区間 | 員林・樹林 - 台北 - 花蓮・知本 |
経由線区 | 縦貫線北段・宜蘭線・北廻線・台東線・南廻線・海岸線 |
使用車両 | TEMU1000型振り子式電車 |
運行開始 | 2007年5月8日 |
太魯閣号 | |
---|---|
各種表記 | |
繁体字: | 太魯閣號 |
簡体字: | 太鲁阁号 |
拼音: | Tàilŭgé hào |
通用拼音: | Tàilŭgé hào |
注音符号: | ㄊㄞˋ ㄌㄨˇ ㄍㄜˊㄏㄠˋ |
発音: | タイルーガーハオ |
台湾語白話字: | Truku hō |
日本語慣用読み: | タロコごう |
英文: | Taroko Express |
太魯閣号運行路線図 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
運行概況
編集当初は台湾初の振り子式車輌である事から「乗り物酔いするのでは」という懸念があったが、運行開始以後は快適性と速達性で、高い利用率を誇っている。今後は「台鉄捷運化」の推進に伴い、西部幹線への運用拡大が期待されている。
- 経歴
- 2007年2月の春節輸送で自強号の臨時列車扱いとして、振り子装置をオフにして台北 - 花蓮間で運転開始
- 2007年5月8日より正式に営業運転。(平日3往復、土休日4往復)
- 2008年2月25日より、花蓮 - 台北 - 彰化間を4時間で結ぶ東西直通列車が増発される。
- 2015年10月15日より、西部幹線より撤退(普悠瑪号に置き換え)。以降、東部幹線のみでの運用となる。
- 2016年4月21日改正ダイヤで3次車が定期列車に投入されるとともに、再度西部幹線彰化までの乗り入れが復活。
- 同年10月20日ダイヤよりホームが嵩上げされた台中線高架区間への乗り入れを取りやめ、普悠瑪号と運用が入れ替わり、西部幹線直通は海岸線経由となる[2]。
- 2017年4月27日ダイヤで南港駅に停車する列車が増発。一部は普悠瑪自強号と運用が入れ替わった
- 2021年4月2日樹林駅から台東駅に向かう最中、和仁駅と崇徳駅間の清水トンネル付近で脱線事故が発生し、54人死亡、146人重軽傷で病院に搬送される。現地メディアは「過去50年で最悪の事故」とした[3](詳細は「北廻線太魯閣号脱線事故」を参照)。
名称
編集列車名称は伝統的な自強、莒光、復興といった政治的な命名を採用せず、一般公募によって選定された。一般公募では「曙光/AURORA」、「飛魚/FLYING FISH EXPRESS」なども有力視されたが、2006年1月17日に正式に元培科技大学の学生が命名した「タロコ/TAROKO」が選ばれた。理由は沿線の有名なタロコ国家公園の英語と、原住民語の「Taroko」を採用し、中国語や台湾語、客家語のみならず、英語や日本語での表記が容易である点が評価された。
しかし、結局台鉄は太魯閣号を独立の車両名称を認めず、「自強号太魯閣列車」(自強号タロコ型電車)として正式に公表した。時刻表には太魯閣号も「自強号」として表記され、太魯閣号のマークのみ付く形となる。なお、乗車券には「太魯閣 Taroko Exp」と記載されるが、一部の駅電光案内では「タロコ号」の表示は無く、「自強号」としてのみ表示されている。日本製電車ということもあって、日本人観光客の間でもその存在が知られており、そのため、有名な観光地である「九份」へ行く日本人が誤乗する例が後を絶たず(タロコ列車は、九份最寄り駅の瑞芳駅を通過する列車が多い)、駅において日本語アナウンスが行われている。
JR九州885系列車との関連
編集太魯閣号で使用されるTEMU1000型の車両構造はJR九州の885系「白いかもめ・ソニック」を基本としており、885系と同じく日立製作所により開発・製造されている。この車両は台湾初の振り子式電車であり、当初導入された区間(台北 - 花蓮間)で所要時間を3割程度短縮した[4]。
北廻線太魯閣号脱線事故
編集脚注
編集- ^ “TRA Sets to Begin Selling Standing Tickets on May 2 普悠瑪.太魯閣號5/2起賣站票 限當天購買”. 公共電視. (2019年5月1日)
- ^ 定期行駛列車時刻表(106年1月5日起實施)台湾鉄路管理局
- ^ “台湾で列車が脱線、51人死亡 146人が病院で治療”. 朝日新聞. (2021年4月2日)
- ^ なるほどkids 日本全国特急列車に乗ろう!~特急ものしり大図鑑~ (昭文社)