大神島
大神島(おおがみじま)は、宮古列島の島のひとつである。宮古島の北約4kmに位置し、行政区分としては沖縄県宮古島市に属する。2005年の合併以前は平良市に属していた。面積は0.24km2、人口22人(住民基本台帳人口、2019年1月1日現在)[1][3]。
大神島 | |
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所在地 | 日本 沖縄県宮古島市 |
所在海域 | 東シナ海 |
座標 | 北緯24度55分1秒 東経125度18分29秒 / 北緯24.91694度 東経125.30806度座標: 北緯24度55分1秒 東経125度18分29秒 / 北緯24.91694度 東経125.30806度 |
面積 | 0.24[1] km² |
海岸線長 | 2.3[2] km |
最高標高 | 74.4 m |
プロジェクト 地形 |
概要
編集集落は、港がある島の南側に集中する。集落から丘を登ると遠見台があり、宮古島、池間島を展望できる。集落以外の島内の多くは聖域とされ、島民以外の(場合によっては島民も)立ち入りが禁じられている。2000年5月には島の約20%にあたる6万m2を焼失する山火事が起きている[4]。秘祭・祖神祭(ウヤガン)が開催されることで知られる[5]。人が住み始めて約200年とされるが、秘祭の関係で島の歴史は島民の口承が中心となっており未解明なところが多い[6][7][8]。
島の周囲にはサンゴ礁が発達しており、海岸には浸食により根元が細く削られたノッチと呼ばれる奇岩が点在する。
17世紀の海賊キャプテン・キッドが財宝を隠したという伝説がある[9]。ただし、キャプテン・キッドは大西洋及びインド洋を中心に活動しており、大神島はその活動範囲からは大きく外れている。
産業
編集半農半漁の島で、カーキダコと呼ばれる干ダコが特産。高齢化と過疎化が進んでいる。近年、観光による振興が図られ、観光客が増加している。2013年には、島唯一の食堂兼民宿「おぷゆう食堂」が開業している[10]。
2010年には、島の北西部の一周道路と海岸とに挟まれてできた潮だまりを利用して、熱帯魚を畜養し、観察できる自然水族園を設ける構想が報じられたが[11][12][13]、2022年現在、続報はない。
交通
編集船舶
編集- 島尻漁港(宮古島) - 大神漁港(大神島)
- 株式会社大神海運により、1日4往復の定期便が運航されている[14][注釈 1]。大神漁港には、2011年9月に浮桟橋が完成[16]。2012年2月には休息所も完成している[17]。2022年3月30日には新造船「ウカンかりゆす」が就航している[18]。
道路
編集- 一周道路 - 当初は島を一周する道路が計画されていたが、島の東部から北部にかけての約1/4強が未完成で、島の東端付近と北端付近で行き止まりになっている。島民によると、工事が中断された理由は、工事の途中で重機の部品が壊れたり病人が続出したため、島の神司が祈願をして工事を再開したが、それでも工事関係者が入院した後死亡するなどの異変が続いたためだと言う[19]。
- 大神島と他の島を結ぶ橋はない。なお、大神島を除く宮古島市の有人島は、すべて宮古島と橋で結ばれている。
公共施設
編集名所・旧跡・観光スポット
編集言語
編集大神島では、宮古語(宮古方言)のひとつである大神方言(大神島方言)が話される。大神方言は、音韻的に特殊である[24]。
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脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b “関係資料(平成30年1月)” (PDF). 沖縄県企画部地域・離島課. 2018年9月15日閲覧。
- ^ “島データ” (PDF). 沖縄のしまじま. 沖縄県. 2018年9月15日閲覧。
- ^ “島しょ別住民基本台帳人口及び世帯数”. 沖縄県 (2019年9月12日). 2019年12月21日閲覧。
- ^ “島の20%が焼失/大神島で原野火災”. 琉球新報. (2000年5月8日)
- ^ 川田桂「沖縄宮古島ウヤガン信仰研究序説」『人間環境学研究』第8巻第2号、人間環境学研究会、2010年12月、133-145頁。
- ^ ““祈りの島”未来へ 宮古・大神島、初の地域誌作り”. 琉球新報. (2016年1月4日). オリジナルの2016年1月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ “人口26人、離島の生活誌を出版 沖縄・大神島 歴史や祭祀を後世へ”. 沖縄タイムス. (2017年1月30日). オリジナルの2017年1月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ “人口30人の島が「生活誌」 沖縄・大神島、「祈り」の歴史や文化、詳細に記録”. 琉球新報. (2017年1月29日). オリジナルの2022年4月19日時点におけるアーカイブ。
- ^ “宮古島/池間島/大神島/来間島”. 知・旅・住 離島総合情報サイト 沖縄のしまじ. 沖縄県企画部地域・離島課. 2018年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月19日閲覧。
- ^ “大神島「おぷゆう食堂」 伝統と魅力保存へ模索 「島がなくならないように」”. 琉球新報. (2016年12月3日). オリジナルの2016年12月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大神島に自然水族園、専門家が現場視察、提案”. 宮古新報. (2010年11月4日). オリジナルの2016年10月9日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大神島に「水族園」構想 専門家視察、自然生かし活性化”. 琉球新報. (2010年11月5日). オリジナルの2016年3月15日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大神島を「自然水族園」へ”. 宮古毎日新聞. (2011年5月18日). オリジナルの2014年7月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大神島”. 大神島自治会. 2022年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月19日閲覧。
- ^ “島から出られない…人口20人の切実な問題 沖縄・大神島、旅客船が故障中”. 沖縄タイムス. (2018年12月31日). オリジナルの2018年12月31日時点におけるアーカイブ。
- ^ “浮き桟橋供用開始/大神島”. 宮古毎日新聞. (2011年10月20日). オリジナルの2013年10月23日時点におけるアーカイブ。
- ^ “待望の休息所が完成/大神島”. 宮古毎日新聞. (2012年2月28日). オリジナルの2013年10月23日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大神に新造船就航/島尻漁港結ぶ定期船”. 宮古毎日新聞. (2022年3月31日). オリジナルの2022年3月31日時点におけるアーカイブ。
- ^ 森口豁『だれも沖縄を知らない-27の島の物語』筑摩書房、2005年7月、pp.186-188
- ^ “大神中、休校へ 自治会長「寂しいが仕方ない」”. 琉球新報. (2008年3月25日). オリジナルの2016年3月12日時点におけるアーカイブ。
- ^ “島の学びや消える/大神小中学校”. 宮古毎日新聞. (2011年12月3日). オリジナルの2014年3月13日時点におけるアーカイブ。
- ^ “与那国の久部良バリ・フリシ 「国名勝」に指定へ”. 琉球新報. (2013年11月16日). オリジナルの2016年10月9日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大神の遠見台 国指定史跡に/文化審議会”. 宮古毎日新聞社. (2013年11月16日). オリジナルの2014年3月7日時点におけるアーカイブ。
- ^ 大野眞男「南琉球大神島方言の音対応と音変化」『岩手大学教育学部研究年報』第59巻第2号、岩手大学教育学部、1999年12月27日、39 - 53頁。