コーセイ
この記事は「旧馬齢表記」が採用されており、国際的な表記法や2001年以降の日本国内の表記とは異なっています。 |
コーセイ[1]は日本の競走馬、繁殖牝馬。主な勝ち鞍に1989年の中山記念、1987年の報知杯4歳牝馬特別など。1986年度の優駿賞最優秀3歳牝馬に選出された。また、出自が430万円で馬主に頒布された抽せん馬と呼ばれる競走馬ながら、重賞4勝を挙げクラシックでも好走したため「抽せん馬の星」とも呼ばれた[3]。
コーセイ | |||||||||||||||
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欧字表記 | Kosei[1] | ||||||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||||||||
性別 | 牝[1] | ||||||||||||||
毛色 | 栗毛[1] | ||||||||||||||
生誕 | 1984年4月21日[1] | ||||||||||||||
死没 | 2014年6月15日(30歳没)[2][3] | ||||||||||||||
父 | タイテエム[1] | ||||||||||||||
母 | ハマノルーフ[1] | ||||||||||||||
母の父 | サンプルーフ[1] | ||||||||||||||
生国 | 日本(北海道新冠町)[1] | ||||||||||||||
生産者 | 中本隆太郎[1] | ||||||||||||||
馬主 | (株)アイ・ケイ・テイ・オーナーズ[1] | ||||||||||||||
調教師 | 尾形盛次(美浦)[1] | ||||||||||||||
厩務員 | 永井智樹[4] | ||||||||||||||
競走成績 | |||||||||||||||
タイトル | 優駿賞最優秀3歳牝馬(1986年)[1] | ||||||||||||||
生涯成績 | 18戦6勝[1] | ||||||||||||||
獲得賞金 | 2億1855万2400円[1] | ||||||||||||||
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経歴
編集- 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[5]
1986年10月4日、東京競馬場での新馬戦でデビューし、8馬身差で1着[6]。2走目のいちょう特別はメリーナイスの5着となったが、続く抽せん馬特別競走を6馬身差で勝利し、年末のテレビ東京賞3歳牝馬ステークスも7番人気で勝利[6]。3歳時は4戦して重賞1つを含む3勝とし、1986年度の優駿賞最優秀3歳牝馬に選ばれた[6]。4歳となり、初戦のクイーンカップでナカミジュリアンの2着となったのち西下して報知杯4歳牝馬特別で重賞2勝目。桜花賞ではマックスビューティとは差のない2番人気に支持され、レースでも2着に入る[7]。続く優駿牝馬ではマックスビューティの4着に入ったが、その後骨折による1年近い休養に入る[6]。
1988年4月、復帰戦となる新潟競馬場の谷川岳ステークスでガルダンの2着に入り、新潟大賞典4着を経て出走の七夕賞で重賞3勝目を挙げた[6]。続く3戦は関屋記念10着、休み明けの愛知杯7着、有馬記念ではオグリキャップの10着として6着以下の成績が続いたが、1989年を迎えてアメリカジョッキークラブカップ4着、目黒記念5着を経て出走の中山記念を9番人気で勝利して重賞4勝目とした[6]。続く安田記念でバンブーメモリーの8着に入ったのが最後の競馬となった。
競走成績
編集以下の内容は、JBISサーチ[5]、netkeiba.com[8]に基づく。
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭数 | 枠番 | 馬番 | オッズ(人気) | 着順 | タイム (上り3F/4F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
勝ち馬/(2着馬) |
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1986.10. | 4東京 | 3歳新馬 | ダ1200m(良) | 7 | 7 | 7 | 6.3 (4人) | 1着 | 1:12.9 (48.9) | -1.3 | 鈴木寿 | 51 | (シートバー) | |
10.25 | 東京 | いちょう特別 | OP | 芝1600m(良) | 7 | 3 | 3 | 6.3 (3人) | 5着 | 1:36.5 (47.4) | 0.4 | 鈴木寿 | 53 | メリーナイス |
11.15 | 東京 | 3歳抽せん馬特別 | 400 | 芝1600m(良) | 6 | 1 | 1 | 1.1 (1人) | 1着 | 1:38.0 (48.1) | -1.0 | 鈴木寿 | 54 | (タニタケシバオー) |
12.13 | 中山 | テレビ東京賞3歳牝馬S | GIII | 芝1600m(良) | 14 | 7 | 11 | 17.4 (7人) | 1着 | 1:35.7 (36.1) | -0.2 | 増沢末夫 | 53 | (ウインホイッスル) |
1987. | 2. 1東京 | クイーンC | GIII | 芝1600m(良) | 12 | 1 | 1 | 3.3 (2人) | 2着 | 1:35.8 (47.3) | 0.0 | 増沢末夫 | 54 | ナカミジュリアン |
3.22 | 阪神 | 報知杯4歳牝馬特別 | GII | 芝1400m(良) | 14 | 8 | 14 | 4.6 (3人) | 1着 | 1:24.5 (49.0) | -0.1 | 増沢末夫 | 54 | (コメーテス) |
4.12 | 阪神 | 桜花賞 | GI | 芝1600m(良) | 18 | 5 | 9 | 3.6 (2人) | 2着 | 1:36.4 (48.2) | 1.3 | 増沢末夫 | 55 | マックスビューティ |
5.24 | 東京 | 優駿牝馬 | GI | 芝2400m(重) | 24 | 5 | 15 | 6.7 (2人) | 4着 | 2:31.4 (49.2) | 0.5 | 増沢末夫 | 55 | マックスビューティ |
1988. | 4.24新潟 | 谷川岳S | OP | 芝1600m(稍) | 12 | 7 | 10 | 8.4 (5人) | 2着 | 1:35.5 (48.1) | 0.0 | 大崎昭一 | 57 | ガルダン |
5.15 | 新潟 | 新潟大賞典 | GIII | 芝2200m(稍) | 11 | 1 | 1 | 5.5 (1人) | 4着 | 2:14.8 (48.3) | 0.2 | 大崎昭一 | 56 | メークアスマート |
7.10 | 福島 | 七夕賞 | GIII | 芝2000m(不) | 12 | 8 | 12 | 6.2 (2人) | 1着 | 2:04.0 (38.6) | 0.0 | 増沢末夫 | 56 | (ティードリーム) |
8. 7 | 福島 | 関屋記念 | GIII | 芝1200m(稍) | 14 | 5 | 7 | 3.8 (1人) | 10着 | 1:12.0 (37.5) | 1.1 | 増沢末夫 | 57 | ヒシノリフオー |
12.11 | 中京 | 愛知杯 | GIII | 芝2000m(良) | 16 | 8 | 16 | 17.9 (9人) | 7着 | 1:59.8 (36.0) | 1.6 | 徳吉一己 | 57 | カツトクシン |
12.25 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 13 | 1 | 2 | 126.5(13人) | 10着 | 2:35.0 (36.6) | 1.1 | 大崎昭一 | 55 | オグリキャップ |
1989. | 1.22中山 | アメリカジョッキークラブC | GII | 芝2200m(良) | 10 | 7 | 8 | 16.9 (6人) | 4着 | 2:16.0 (35.9) | 0.4 | 大崎昭一 | 55 | ランニングフリー |
2.19 | 東京 | 目黒記念 | GII | 芝2500m(重) | 12 | 1 | 1 | 7.9 (4人) | 5着 | 2:38.3 (48.9) | 1.5 | 大崎昭一 | 57 | キリパワー |
3.12 | 中山 | 中山記念 | GII | 芝1800m(良) | 13 | 3 | 3 | 27.5 (9人) | 1着 | 1:48.7 (36.6) | -0.2 | 鈴木寿 | 55 | (カイラスアモン) |
5.14 | 東京 | 安田記念 | GI | 芝1600m(稍) | 17 | 4 | 8 | 16.7 (9人) | 8着 | 1:35.8 (49.0) | 1.5 | 鈴木寿 | 55 | バンブーメモリー |
引退後
編集競走馬引退後はタイヘイ牧場で繁殖牝馬となり、2003年に繁殖生活から引退。以後は引退名馬けい養展示事業の助成を受け、北海道浦河町の渡辺牧場で余生を過ごしていた[3]。功労馬時代には、同じく渡辺牧場に居たナイスネイチャの母ウラカワミユキと仲がよく、年上のウラカワミユキが頼るように寄り添っていたという[3]。2014年6月15日未明に立てなくなっていたところを発見され、朝に安楽死の処置がとられた[2][3]。産駒は目立った成績を残さなかったが、8番仔トゥギャザーアゲンは日本のみならず韓国でも競走生活を送った。
産駒一覧
編集生年 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 管理調教師 | 戦績 | 主な勝利競走 | 供用 | 出典 | |
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初仔 | 1992年 | ジェイリーガー | 牡 | 栗毛 | サッカーボーイ | 浅川清 →福留砂子 |
栗東・福永甲 →高知・松岡利男 |
4戦0勝(地方出走歴なし) | [9] | ||
2番仔 | 1993年 | シンメイオウヒ | 牝 | 鹿毛 | アンバーシャダイ | 織田芳一 | 栗東・梅田康雄 | 7戦0勝 | (繁殖牝馬) | [10] | |
3番仔 | 1994年 | アイアムザフィリー | 栗毛 | シンボリルドルフ | (有)クローバークラブ | 美浦・二本柳俊夫 →美浦・高橋裕 |
4戦0勝 | (繁殖牝馬) | [11] | ||
4番仔 | 1995年 | (コーセイの1995) | 牡 | ミホノブルボン | [12] | ||||||
5番仔 | 1996年 | バビロンフォンテン | 鹿毛 | ラストタイクーン | 吉橋計 | 船橋・山浦武 | 8戦3勝 | [13] | |||
6番仔 | 1997年 | ハギサカヒカル | 栗毛 | ソヴィエトスター | 森本祐太郎 | 笠松・伊藤強一 | 3戦1勝 | [14] | |||
7番仔 | 1998年 | ゲンパチザガッツ | 牡→騸 | トニービン | 平野武志 →千田裕美 →山本雄司 →土山弘昭 |
美浦・加藤修甫 →水沢・千田知幸 →上山・鈴木長次 →荒尾・和田正美 |
33戦1勝(うち地方31戦1勝) | [15] | |||
8番仔 | 1999年 | トゥギャザーアゲン | 牝 | 鹿毛 | メジロライアン | (株)タイヘイ牧場 →? |
栗東・松元茂樹 →? |
21戦2勝(うち韓国11戦2勝) | [16] | ||
9番仔 | 2000年 | ガッサンオペラオー | 牡 | オペラハウス | 千葉一郎 | 水沢・酒井仁 | 26戦1勝 | [17] | |||
10番仔 | 2001年 | ユルセ | ウォーニング | 小田切有一 | 栗東・音無秀孝 →園田・中塚猛 |
23戦2勝(うち地方14戦1勝) | [18] | ||||
11番仔 | 2003年 | アースキャンドル | 牝 | 栗毛 | キャプテンスティーヴ | 松山増男 →竹原孝昭 |
北海道・檜森邦夫 →佐賀・土井道隆 →佐賀・吉田昭 |
16戦0勝 | [19] |
血統表
編集コーセイの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | オリオール系 |
[§ 2] | ||
父 タイテエム 1969 鹿毛 |
父の父 *セントクレスピンSaint Crespin 1956 栗毛 |
Aureole | Hyperion | |
Angelola | ||||
Neocracy | Nearco | |||
Harina | ||||
父の母 *テーシルダTehsilda 1963 黒鹿毛 |
*ヴェンチア Venture |
Relic | ||
Rose o'Lynn | ||||
Temoignage | Tulyar | |||
Mehmany | ||||
母 ハマノルーフ 1970 栗毛 |
*サンプルーフ Sunproof 1959 栗毛 |
Alycidon | Donatello | |
Aurora | ||||
Sonsa | Hyperion | |||
Duplicity | ||||
母の母 ボストホマレ1958 鹿毛 |
ボストニアン | *セフト | ||
神正 | ||||
テツノホマレ | 大鵬 | |||
コロナ | ||||
母系(F-No.) | クレイグダーロツチ(GB)系(FN:11-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Hyperion 4 × 5 ・ 4 =15.63%、Donatello 5 × 4 = 9.38%、Neocracy 3 ・ 5(父内) = 15.63% | [§ 4] | ||
出典 |
- 近親にロングハヤブサ(阪神3歳ステークスなど)、マックスキャンドゥ(報知杯4歳牝馬特別、サンスポ賞4歳牝馬特別)[6]
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “コーセイ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b “重賞4勝のコーセイが死亡”. SANSPO.COM (2014年6月18日). 2014年6月18日閲覧。
- ^ a b c d e “桜花賞で2着するなど活躍した「抽選馬の星」コーセイが死亡”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2014年6月18日). 2020年5月1日閲覧。
- ^ “「抽選馬の星」コーセイ、言葉を越えた信頼関係/馬と人の絆(2)”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2013年8月9日). 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b “コーセイ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g “コーセイ”. 競走馬のふるさと案内所. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “究極の美!二冠牝馬マックスビューティ列伝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2014年2月14日). 2020年5月1日閲覧。
- ^ “コーセイの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “ジェイリーガー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “シンメイオウヒ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “アイアムザフィリー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “_”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “バビロンフォンテン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “ハギサカヒカル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “ゲンパチザガッツ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “トゥギャザーアゲン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “ガッサンオペラオー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “ユルセ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ “アースキャンドル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ a b c “コーセイ 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年5月1日閲覧。
- ^ 小林皓正 編『サラブレッド血統マップ'93』コスモヒルズ、1993年、26-27頁。
- ^ “コーセイの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年5月1日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ
- コーセイ - 競走馬のふるさと案内所
- コーセイ - 引退名馬(名馬.jp)