エプソムカップは、日本中央競馬会 (JRA) が東京競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

エプソムカップ
第41回エプソムカップ(2024年6月9日)
優勝馬:レーベンスティール
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 東京競馬場
創設 1984年6月10日[1]
2025年の情報
距離 芝1800m
格付け GIII
賞金 1着賞金4300万円
出走条件 サラ系4歳以上(国際)(特指)
負担重量 別定
出典 [2][3]
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寄贈賞を提供するエプソム競馬場Epsom Race Course)はロンドンから南に約27kmのサリー州エプソムダウンズに位置する競馬場[4]で、1661年に最初のレースが行われた記録が残っている[5]。同競馬場では英国ダービーのほか、英国オークスコロネーションカップといったG1レースが行われる[4]

正賞はエプソム競馬場賞[2][3]

概要

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1983年に東京優駿(日本ダービー)が50回を迎えたのを機に、東京競馬場と英国ダービーを開催するエプソム競馬場が姉妹競馬場として提携した際に記念植樹(東京競馬場からは桜が、エプソム競馬場からは柏が贈られた)とカップの交換を行い[5][4][6]、1984年から東京競馬場で「エプソムカップ」を、エプソム競馬場では「The JRA Condition Stakes[注 1]」が行われるようになり[5]、両競馬場およびJRAと英国ジョッキークラブの親善が図られている[5]

施行場・距離は創設時より東京競馬場の芝1800mで定着。創設時の負担重量はハンデキャップだったが、1996年より別定に変更された[5]

外国産馬は1993年から[1]地方競馬所属馬は2012年からそれぞれ出走可能になった[7]ほか、2005年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[8]

競走条件

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以下の内容は、2025年現在[2][3][9]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 57kg、牝馬2kg減
    • 2023年6月10日以降のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬3kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GII競走またはGIII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
    • 2023年6月9日以前のGI競走(牝馬限定競走を除く)1着馬2kg増、牝馬限定GI競走またはGII競走(牝馬限定競走を除く)1着馬1kg増
    • (ただし2歳時の成績を除く)

賞金

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2024年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[2][3]

歴史

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  • 1984年 - 4歳以上の馬による重賞(GIII[注 2])として創設、東京競馬場の芝1800mで施行[5]
  • 1993年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[1]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳以上」に変更[1]
  • 2005年 - 国際競走に変更され、外国調教馬が5頭まで出走可能となる[8]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国調教馬の出走枠が9頭に拡大[10]
  • 2012年 - 特別指定交流競走となり、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能になる[7]
  • 2020年 - COVID-19の流行により「無観客競馬」として開催[11]
  • 2022年 - 「エリザベス女王即位70年記念」の副題を付して施行。
  • 2023年 ‐ この年から負担重量を「グレード別定」に変更され、斤量も3歳53kg、4歳以上57kg(牝馬2kg減)に変更された。
  • 2025年
    • 施行時期を5月に、出走条件も4歳以上にそれぞれ変更予定。
    • 施行日を1999年以来再び土曜日に変更すると共に、NHKマイルカップ前日に施行予定。

歴代優勝馬

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距離はすべて芝コース。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。競馬場及び距離は全て東京競馬場芝1800mで施行。

回数 施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1984年6月10日 サクラシンボリ 牡5 1:51.7 小島太 久保田彦之 全演植
第2回 1985年6月9日 スズマッハ 牡4 1:50.4 大崎昭一 仲住芳雄 小紫芳夫
第3回 1986年6月8日 スーパーグラサード 牡4 1:50.1 中野栄治 清水美波 平野井昌弘
第4回 1987年6月14日 ダイナフェアリー 牝4 1:48.1 増沢末夫 鈴木康弘 (有)社台レースホース
第5回 1988年6月12日 ソウシンホウジュ 牝4 1:48.1 柏崎正次 古賀末喜 惣万房子
第6回 1989年6月11日 ニホンピロブレイブ 牡4 1:50.2 柴田政人 伊藤雄二 小林百太郎
第7回 1990年6月10日 サマンサトウショウ 牝5 1:47.7 角田晃一 渡辺栄 トウショウ産業(株)
第8回 1991年6月8日 プレクラスニー 牡4 1:47.2 江田照男 矢野照正 田島榮二郎
第9回 1992年6月13日 マルマツエース 牡4 1:47.1 安田富男 仲住芳雄 松田敏雄
第10回 1993年6月12日 サクラセカイオー 牡4 1:46.8 小島太 境征勝 (株)さくらコマース
第11回 1994年6月11日 ワコーチカコ 牝4 1:47.5 岡部幸雄 伊藤雄二 石田隆夫
第12回 1995年6月10日 カネツクロス 牡4 1:48.0 的場均 西塚安夫 カネツ競走馬(株)
第13回 1996年6月1日 マーベラスサンデー 牡4 1:45.7 武豊 大沢真 笹原貞生
第14回 1997年5月31日 タイキマーシャル 牡5 1:46.6 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第15回 1998年6月6日 ツクバシンフォニー 牡5 1:48.2 横山典弘 伊藤正徳 細谷昭夫
第16回 1999年6月5日 アメリカンボス 牡4 1:46.0 江田照男 田子冬樹 (株)畔蒜不動産
第17回 2000年6月11日 アメリカンボス 牡5 1:49.5 江田照男 田子冬樹 (株)畔蒜不動産
第18回 2001年6月10日 アドマイヤカイザー 牡5 1:45.1 芹沢純一 橋田満 近藤利一
第19回 2002年6月9日 ジョウテンブレーヴ 牡5 1:46.8 蛯名正義 相沢郁 田邉久男
第20回 2003年6月15日 マイネルアムンゼン 牡4 1:47.7 蛯名正義 田中清隆 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第21回 2004年6月13日 マイネルアムンゼン 牡5 1:47.9 大西直宏 田中清隆 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第22回 2005年6月12日 スズノマーチ 牡5 1:46.6 北村宏司 藤沢和雄 小紫芳夫
第23回 2006年6月11日 トップガンジョー 牡4 1:49.2 後藤浩輝 和田正道 河内孝夫
第24回 2007年6月10日 エイシンデピュティ 牡5 1:48.3 田中勝春 野元昭 平井豊光
第25回 2008年6月15日 サンライズマックス 牡4 1:45.9 横山典弘 増本豊 松岡隆雄
第26回 2009年6月14日 シンゲン 牡6 1:45.5 藤田伸二 戸田博文 花木照人
第27回 2010年6月13日 セイウンワンダー 牡4 1:46.1 福永祐一 領家政蔵 大谷高雄
第28回 2011年6月12日 ダークシャドウ 牡4 1:47.3 福永祐一 堀宣行 飯塚知一
第29回 2012年6月10日 トーセンレーヴ 牡4 1:46.7 C.ウィリアムズ 池江泰寿 島川隆哉
第30回 2013年6月9日 クラレント 牡4 1:45.7 岩田康誠 橋口弘次郎 前田晋二
第31回 2014年6月15日 ディサイファ 牡5 1:46.2 四位洋文 小島太 H.H.シェイク・モハメド
第32回 2015年6月14日 エイシンヒカリ 牡4 1:45.4 武豊 坂口正則 (株)栄進堂
第33回 2016年6月12日 ルージュバック 牝4 1:46.2 戸崎圭太 大竹正博 (有)キャロットファーム
第34回 2017年6月11日 ダッシングブレイズ 牡5 1:45.9 浜中俊 吉村圭司 グリーンフィールズ(株)
第35回 2018年6月10日 サトノアーサー 牡4 1:47.4 戸崎圭太 池江泰寿 (株)サトミホースカンパニー
第36回 2019年6月9日 レイエンダ 牡4 1:49.1 C.ルメール 藤沢和雄 (有)キャロットファーム
第37回 2020年6月14日 ダイワキャグニー 牡6 1:47.7 内田博幸 菊沢隆徳 大城敬三
第38回 2021年6月13日 ザダル 牡5 1:45.1 石橋脩 大竹正博 (有)キャロットファーム
第39回 2022年6月12日 ノースブリッジ 牡4 1:46.7 岩田康誠 奥村武 井山登
第40回 2023年6月11日 ジャスティンカフェ 牡5 1:45.5 横山和生 安田翔伍 三木正浩
第41回 2024年6月9日 レーベンスティール 牡4 1:44.7 C.ルメール 田中博康 (有)キャロットファーム
第42回 2025年5月10日

脚注・出典

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参考文献

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  • 「エプソムカップ(GIII)」『中央競馬全重賞成績集【古馬関東編】』日本中央競馬会、2006年、901-932頁。 

注釈

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  1. ^ netkeiba.comでは、エプソム競馬場で行われる競走を「東京トロフィー」としている[6]
  2. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

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  1. ^ a b c d 中央競馬全重賞成績集【古馬関東編】
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 23. 2024年7月21日閲覧。
  3. ^ a b c d 2024年第3回東京競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  4. ^ a b c 2024年度第3回東京競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 3. 2024年7月21日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 歴史・コース:エプソムカップ 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  6. ^ a b エプソムC特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2015年4月28日閲覧。
  7. ^ a b 2012年の成績表参照。
  8. ^ a b 2005年の成績表参照。
  9. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(夏季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  10. ^ 第3回 東京競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 1617-1619 (2007年). 2016年6月6日閲覧。(索引番号: 14095)
  11. ^ 6月の中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年5月28日). 2020年6月17日閲覧。

各回競走結果の出典

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外部リンク

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