エバラ食品工業株式会社(エバラしょくひんこうぎょう、英語: Ebara Foods industry, Inc.)は、神奈川県横浜市西区に本社を置く日本食品メーカー焼肉のたれなど家庭用・業務用調味料の製造・販売を行う独立系の中堅企業である[1]。通称はエバラ食品エバラ。コーポレート・スローガンは「こころ、はずむ、おいしさ。[2]

エバラ食品工業株式会社
Ebara Foods Industry, Inc.
本社が入居する横浜アイマークプレイス
種類 株式会社
市場情報
略称 エバラ食品、エバラ
本社所在地 日本の旗 日本
220-0012
神奈川県横浜市西区みなとみらい四丁目4番5号
横浜アイマークプレイス14階
設立 1958年昭和33年)5月13日
業種 食料品
法人番号 5020001022870 ウィキデータを編集
事業内容 調味料の製造販売
代表者 代表取締役社長 森村剛士
代表取締役副社長 髙井孝佳
資本金 13億8,713万円
売上高 連結:513億3,400万円
単体:428億8,700万円
(2021年3月期)
純資産 連結:270億6,200万円
単体:234億4,500万円
(2021年3月31日現在)
総資産 連結:403億1,900万円
単体:352億2,800万円
(2021年3月31日現在)
従業員数 連結:693名
(2023年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 KMST HOLDINGS株式会社 33.72%他
(2020年3月31日現在)
関係する人物 森村國夫(創業者)
宮崎遵(元社長・会長
外部リンク https://www.ebarafoods.com/
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概要

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社名は、創業者の森村國夫がかつて事業を営んでいた東京都荏原区(現・品川区)に由来する[3][4]。また荏原区では、國夫の兄である森村武次郎ソースケチャップ製造事業を行っており、武次郎は1947年(昭和22年)9月に荏原食品工業株式会社(現・コンパスグループ・ジャパン)を設立[5]。荏原食品工業は1953年(昭和28年)4月にキンケイ食品工業株式会社へ商号変更[5]し、1956年(昭和31年)12月には株式会社金鶏商会(現・平和食品工業)の創業者が死去したため、武次郎が同社の経営権を継承した[6]。そして弟の國夫が1958年(昭和33年)5月に荏原食品株式会社を設立し、「キンケイ」ブランドのソース・ケチャップの製造販売を開始。創業時は本社・工場を神奈川県横浜市神奈川区松見町に置いた[3]。これらの3社には直接的な資本関係はないが、同じ森村家にルーツを持つ食品製造会社として繋がりを持ってきた[7]

なお、ポンプ冷凍機などで知られる荏原製作所は、本社・工場所在地が旧荏原区であったという共通点のみで、資本関係・人的関係を含めて関連は一切ない。

拠点

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過去の拠点
  • 横浜工場 - 神奈川県横浜市神奈川区
  • 伊勢原工場 - 神奈川県伊勢原市

社史・記念誌

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  • エバラ食品40年史 味な文化を創造する(エバラ食品工業株式会社社史編纂委員会・編)2000年発行、213ページ。
  • エバラ食品グループ60年史(エバラ食品株式会社・編)2019年発行、179ページ。

沿革

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沿革|エバラ食品(外部サイト)

  • 1958年(昭和33年)5月 - 荏原食品株式会社として創業。本社・工場を神奈川県横浜市神奈川区松見町に置く。「キンケイ」ブランドのソース、ケチャップを製造開始。
  • 1965年(昭和40年)11月 - 「インスタントラーメンのスープ」発売。
  • 1968年(昭和43年)
    • 1月 - 「札幌ラーメンの素」(みそスープ)発売。
    • 3月 - 焼肉のたれ「朝鮮風」を発売。
    • 4月 - 商品ブランドを「キンケイ」から「エバラ」へ変更。
    • 7月 - エバラ食品工業株式会社へ商号変更。
  • 1969年(昭和44年) - 「すき焼のたれ」発売。「すき焼きのたれ」誕生秘話(外部サイト)
  • 1970年(昭和45年) - テレビCMを開始。焼肉のたれのCMキャラクターに落語家月の家圓鏡(後の八代目橘家圓蔵)を起用、約15年間出演し、会社の知名度アップに貢献する[8]
  • 1972年(昭和47年)7月 - 神奈川県伊勢原市に伊勢原工場を新設。
  • 1975年(昭和50年)2月 - 本社を神奈川県横浜市神奈川区沢渡へ移転。
  • 1978年(昭和53年)6月 - 「黄金の味」発売、テレビCMを全国一斉放映。※ 「黄金の味」誕生秘話(外部サイト)
  • 1980年(昭和55年)
    • 3月 - 横浜工場を閉鎖し、研究所として開設。
    • 7月 - 群馬工場(群馬県伊勢崎市)稼働。
  • 1981年(昭和56年)10月 - 株式会社日本冷食(冷凍食品の製造販売)の株式を取得し、子会社化。
  • 1984年(昭和59年)
  • 1986年(昭和61年)5月 - 本社を神奈川県横浜市西区北幸へ移転。
  • 1988年(昭和63年)
    • 3月 - 米国現地法人 US EBARA FOODS INC.を設立。
    • 4月 - 株式会社エバラコーポレーションを設立、外食事業へ進出。
  • 1990年(平成2年)5月22日 - 物流子会社として、株式会社エバラ物流を設立[9]
  • 1994年(平成6年)4月 - 津山工場(岡山県津山市)稼働。
  • 1996年(平成8年)3月 - US EBARA FOODS INC.を清算。
  • 1999年(平成11年)12月 - 株式会社エバラコーポレーションを解散し、外食事業から撤退。
  • 2000年(平成12年)3月 - 株式会社エバレイ(冷凍食品の販売)を設立。
  • 2003年(平成15年)
    • 4月 - 株式会社エバレイを吸収合併。中央研究所(神奈川県足柄上郡)を開設。
    • 11月13日 - 日本証券業協会に株式を店頭登録[10]
  • 2004年(平成16年)
    • 9月30日 - 子会社の横浜エージェンシーが、人材派遣業の株式会社サンリバティー横浜の全株式を取得。
    • 12月 - 日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所に株式を上場。
  • 2005年(平成17年) - 荏原食品(上海)有限公司を設立。
  • 2006年(平成18年)3月27日 - 全額出資子会社の株式会社日本冷食(北海道津別町)を、同業のサンマルコ食品株式会社(札幌市)に売却[11]
  • 2010年(平成22年) - ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。
  • 2011年(平成23年)
    • 5月19日 - CI導入で「エバラ」の新ロゴマーク(従来のロゴに、唇をイメージしたデザイン)と新スローガン「こころ、はずむ、おいしさ。」を発表。同年7月から順次導入していく[12]
      • 社章・社旗及び業務用製品に関しては旧ロゴマークを引き続き使用していたが、2014年頃から業務用は「Evara」のロゴマーク(前述の新ロゴマークをカタカナ表記から英字表記に置き換えたもの)を使用している。
    • 6月20日 - 韓国CJ第一製糖(CJ Cheiljedang)との折半出資による合弁会社、エバラCJフレッシュフーズを設立[13]
    • 9月12日 - テレビ番組の提供クレジットが「エバラ食品」からブランドロゴの「エバラ」に変更(筆頭スポンサー番組の提供読みの呼称も引き続き「エバラ食品」)。
  • 2012年(平成24年)11月 - 荏原食品香港有限公司を設立。
  • 2013年(平成25年)
  • 2014年(平成26年)
  • 2015年(平成27年)3月 - 荏原食品香港有限公司にシンガポール支店を設立。
  • 2017年(平成29年)1月 - 台灣荏原食品股份有限公司を設立。
  • 2018年(平成30年)8月 - EBARA SINGAPORE PTE. LTD.を設立。
  • 2021年(令和3年)
    • 6月 - EBARA FOODS (THAILAND) CO., LTD.を設立。
    • 10月31日 - エバラCJフレッシュフーズの全株式を譲渡、合弁解消[18]
  • 2022年(令和4年)
    • 1月 - 株式会社スギショーテクニカルフーズの株式を取得。
    • 4月 - 東京証券取引所の市場第一部からスタンダード市場に移行。株式会社エバラビジネス・マネジメントを設立。
    • 5月 - EBARA FOODS MALAYSIA SDN. BHD. を設立。ヤマキン株式会社の株式を取得。
  • 2023年(令和5年)10月 - 丸二株式会社の株式を取得[19]

主な商品

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  • 焼肉のたれシリーズ
  • 黄金の味シリーズ
    • 同社の主力商品。ネーミングは1978年(昭和53年)のNHK大河ドラマ黄金の日日』から採った[20]。焼肉のたれ部門では日本食研の「焙煎にんにく」と並んでシェア争いを繰り広げている。年間出荷は約4000万本で、2017年に初の大幅リニューアルを実施した[21]
  • 焼肉応援団シリーズ
  • おろしのたれシリーズ
  • 浅漬けの素シリーズ
  • 担々ごま鍋の素
  • キムチ鍋の素
  • プチッと鍋 - ポーション容器入り個包装の濃縮鍋スープ
  • すき焼のたれ
  • どんぶりのたれシリーズ
  • 横濱舶来亭シリーズ - カレーシチューハヤシ等のフレーク状ルウ

業務用製品としては、日本マクドナルドで販売される「てりやきマックバーガー」のテリヤキソースなども製造販売する(一般販売はされていない)。

スポンサー活動

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製作は横浜エージェンシー&コミュニケーションズ。全国の民放テレビ局スポットCMが放送されている。なお、提供番組は下記の通り。

現在

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テレビ
ラジオ
  • エバラ Camp Station おいしいノアソビ(2021年4月4日 - 、TOKYO FM
その他

過去

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テレビ
※「エバラでいっただきま〜す」と題したCMも放送されていた[22]。また「焼肉のたれ」のCMジングルはたかしまあきひこ作曲である[23]
その他

出演者

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現在の出演者

男性

  • 瀬戸康史(浅漬けの素、なべしゃぶ、プチっと鍋、プチっとうどん、すき焼きのたれ)
  • 濱田岳(黄金の味、焼肉ザクだれ)

女性

過去の出演者

など

脚注

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注釈

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  1. ^ 「私はベジタリアン」と菜食主義をテレビで発言したことから途中降板。焼肉のたれのCMのスピンオフ企画映画「エバラ家の人々」にも出演。
  2. ^ 現在も『はやく起きた朝は…』(フジテレビ)で共演。

出典

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  1. ^ フィスコ企業調査レポート
  2. ^ 経営理念 公式サイト
  3. ^ a b 沿革 - 「焼肉のたれ」誕生秘話
  4. ^ 本間之英『誰かに教えたくなる「社名」の由来 不況に強い企業精神』講談社 ISBN 4062812657 p.87
  5. ^ a b 沿革 コンパスグループ・ジャパン
  6. ^ 会社概要・沿革 平和食品工業株式会社
  7. ^ 西洋フード、事業再編で2019年8月までに百貨店内飲食店を全閉店-「カーサ」は全国4店のみに 都市商業研究所、2019年9月8日
  8. ^ 円蔵さん エバラ食品「知名度アップに貢献」15年間CM出演”. Sponichi Annex 芸能. スポーツニッポン (2015年10月17日). 2022年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
  9. ^ 会社概要 / 沿革”. 株式会社エバラ物流. 2023年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
  10. ^ よくあるご質問”. エバラ食品工業. 2024年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
  11. ^ サンマルコが日本冷食を買収冷食100億円と道内トップ規模に”. 水産タイムス社 (2006年3月28日). 2021年6月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
  12. ^ コーポレートステートメントの制定と新コーポレートロゴの導入” (PDF). エバラ食品工業 (2011年5月19日). 2024年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
  13. ^ エバラ C J フレッシュフーズ|会社概要”. Ebara C J Fresh Foods. 2012年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
  14. ^ JASDAQスタンダードから市場第二部への変更 -エバラ食品工業(株)-”. 日本取引所グループ (2013年11月21日). 2024年7月23日閲覧。
  15. ^ エバラ食品工業(2819)、連結子会社横浜エージェンシーが連結孫会社サンリバティー横浜を吸収合併”. M&Aニュース. 日本M&Aセンター (2013年12月10日). 2022年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
  16. ^ 本社移転に関するお知らせ”. エバラ食品工業 (2014年4月23日). 2023年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月23日閲覧。
  17. ^ 市場第二部銘柄から市場第一部銘柄への指定 -エバラ食品工業(株)-”. 日本取引所グループ (2014年11月25日). 2024年7月23日閲覧。
  18. ^ エバラ食品工業、合併会社(持分適用関連会社)株式譲渡に伴い韓国CJ CheilJedang Corporationと合弁契約解消へ”. 日本M&Aセンター (2021年9月13日). 2024年7月23日閲覧。
  19. ^ エバラ食品、広島の食品製造・丸二を買収”. 日本経済新聞 (2023年8月9日). 2024年7月23日閲覧。
  20. ^ “焼肉のたれ「黄金の味」発売35周年記念 リンゴは希少品種である国産の「紅玉」を100%使用 「黄金の味35周年記念限定品」を発売”. エバラ食品. (2013年6月10日). https://www.ebarafoods.com/company/20130610_ohgon35kinen.pdf 2021年4月29日閲覧。 
  21. ^ 発売以来初!「黄金の味」シリーズを大幅リニューアル”. エバラ食品工業(2017年5月17日). 2017年9月1日閲覧。
  22. ^ エバラ食品工業、「今夜のメニュー情報提供」60秒のTVCM放映”. 日本食糧新聞電子版. 日本食糧新聞社 (2001年4月23日). 2024年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月2日閲覧。
  23. ^ ドリフの人気を支えた作曲家、たかしまあきひこさんの音楽/芸能ショナイ業務話”. サンスポ. 産経デジタル (2016年11月23日). 2024年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月2日閲覧。
  24. ^ 嵐が「夢」応援するムービー公開 企業連動CMには「夢コピー」社員も出演”. AdverTimes. 宣伝会議 (2020年11月5日). 2020年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月13日閲覧。
  25. ^ a b 双子の父・花江夏樹、子の成長実感「個性が出てきた」 “見守る”楽しさ”. ORICON NEWS. オリコン (2021年5月18日). 2021年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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