イヴの総て』(イヴのすべて、原題:All About Eve )は、1950年公開のアメリカ映画。監督はジョセフ・L・マンキーウィッツ

イヴの総て
All About Eve
ポスター(1950)
監督 ジョセフ・L・マンキーウィッツ
脚本 ジョセフ・L・マンキーウィッツ
製作 ダリル・F・ザナック
出演者 ベティ・デイヴィス
アン・バクスター
音楽 アルフレッド・ニューマン
撮影 ミルトン・クラスナー
編集 バーバラ・マクリーン
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 1950年10月13日
日本の旗 1951年9月21日
上映時間 138分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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ベティ・デイヴィス(左)とゲイリー・メリル

概要

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主役のマーゴ・チャニングを演じるベティ・デイヴィス

実在の女優エリザベート・ベルクナーをモデルとした、メアリー・オアの1946年の短編小説 "The Wisdom of Eve" を原作としている。

ブロードウェイの裏側を見事に描ききり、アカデミー賞では、作品賞をはじめとして6部門で受賞。カンヌ国際映画祭でも審査員特別賞と女優賞を受賞した。

監督のマンキーウィッツは脚本も担当。前年のアカデミー賞において『三人の妻への手紙』に続いてアカデミー監督賞と脚本賞を受賞。2年連続で4つのアカデミー賞を一人の人間が獲得したのは後にも先にもマンキーウィッツただ一人である。

当初、マーゴ役はクローデット・コルベールが演じる予定だったが、怪我のために降板。スーザン・ヘイワードマレーネ・ディートリヒバーバラ・スタンウィックの名前も挙がったが、脚本を読んで気に入ったベティ・デイヴィスが演じ、彼女の代表作となった。

チャンスを狙う新人女優役として、無名時代のマリリン・モンローが出演。後のモンローのブレイクとリンクする作品として、今日では極めて重要視されている。

青春の抗議』、『黒蘭の女』に続いて3度目のオスカー受賞かと言われたデイヴィスだが、共演のアン・バクスターが所属会社フォックスの力を借りて主演女優賞にノミネートされ、結局、票が二つに割れたことで、二人とも受賞は叶わなかった(受賞はジュディ・ホリデイ)。

1970年ブロードウェイミュージカルとなり『アプローズ英語版』(「拍手喝采」の意味)のタイトルで公演された。この作品は1970年のトニー賞最優秀作品賞をはじめ主要5部門を受賞。 初演のマーゴ役はローレン・バコールで、ミュージカル初出演でありながら主演女優賞を獲得したが、映画でイヴ役を演じたアン・バクスターがわずか1年でマーゴ役を引き継ぎ、実際の配役の上でも追う者と追われる者のドラマがあった。1972年には劇団四季により日本で公演されている。

あらすじ

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アメリカ演劇界最高の栄誉であるセイラ・シドンス賞が、新進女優イヴ・ハリントンに与えられた。満場の拍手のうち、イヴの本当の姿を知る数人だけは、複雑な表情で彼女の受賞を見守るのだった…。

田舎から出てきた女優志望のイヴは、ブロードウェイの大女優のマーゴの付き人となる。自分の大ファンだというイヴに目をかけるマーゴだったが、イヴは次第に本性を表してゆき、批評家やマーゴの周りにいる人々に取り入ってゆく。ある日、出るはずの舞台に間に合わなかったマーゴの代役として出演するチャンスをつかみ、イヴは批評家たちから絶賛される。これを皮切りに、劇作家や有名批評家に巧く取り入り、マーゴまでも踏み台にしてスター女優へのし上がっていく。

キャスト

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役名 俳優 日本語吹替
NET テレビ東京 PDDVD
マーゴ・チャニング ベティ・デイヴィス 奈良岡朋子 後藤加代 宮寺智子
イヴ・ハリントン アン・バクスター 池田昌子 山崎美貴 小林さやか
アディソン・ドゥイット ジョージ・サンダース 中村正 石塚運昇 土師孝也
ビル・サンプソン ゲイリー・メリル 臼井正明 寺杣昌紀 牛山茂
カレン・リチャーズ セレステ・ホルム 加藤道子 日野由利加 小林優子
ロイド・リチャーズ ヒュー・マーロウ 鈴置洋孝 最上嗣生
マックス・フェビアン グレゴリー・ラトフ 富田耕生 稲垣隆史 岩田安生
バーディ セルマ・リッター 瀬畑奈津子 村上あかね
カズウェル マリリン・モンロー 向井真理子 かないみか 小林美穂
フィービー バーバラ・ベイツ
日本語版スタッフ
演出 福永莞爾 羽田野千賀子
翻訳 伊原奈津子 二木京子
調整 長井利親 遠西勝三
効果 リレーション
プロデューサー 久保一郎
戸張涼
椿淳
制作 ムービーテレビジョン ミックエンターテイメント

主な受賞歴

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外部リンク

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