アムールヒョウ
アムールヒョウ( Panthera pardus orientalis もしくはPanthera pardus amurensis 、 別名称はシベリアヒョウまたはチョウセンヒョウ、中国語名は「遠東豹」)はネコ科ヒョウ属ヒョウの1亜種で、極東ロシア沿海地方南部などに棲息する[1]。最北の地に生きるヒョウの1種である。
アムールヒョウ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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アムールヒョウ Panthera pardus orientalis
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Panthera pardus orientalis Schlegel, 1857 | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
Panthera pardus amurensis | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
アムールヒョウ シベリアヒョウ チョウセンヒョウ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Amur leopard | ||||||||||||||||||||||||||||||
アムールヒョウの生息域
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分布
編集朝鮮半島、中国東北部、ロシア沿海地方に自然分布していたが、環境破壊や毛皮目的の狩猟(ソビエト連邦が禁猟とした1956年以降は密猟)で激減[1]。2010年代~2020年代初頭においてはロシア沿海地方南部および隣接する中国吉林省[2]の森林に棲息(北朝鮮にも少数分布の可能性あり[1])しているだけで、絶滅が危惧されている。国際自然保護連合(IUCN)レッドリストでは、ごく近い将来に絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧IA類(CR)に位置づけられている[3]。
ロシアにおける棲息域は、ウラジオストク西方の中露国境地帯で2012年に設定された「ヒョウの里」国立公園(3660平方キロメートル)である。自動撮影カメラの記録から個体数は約100頭程度に回復したと推定されている。交通事故で死亡する個体もあり、公園内を通る道路のトンネル化が進められている[1]。
韓国では1962年に慶尚南道陜川郡で捕獲され、1975年に動物園で死亡した1頭を最後に棲息が確認されていない[4][5]。
自然分布のほか、世界各地の動物園に約250頭が飼育されている(うち日本は旭山動物園など9カ所に合計18頭)。動物園の飼育個体に狩りを覚えさせて、ウラジオストク東方の1970年代までの棲息エリアに野生で再導入する構想もある[1]。
生態
編集体躯・体毛
編集- ヒョウとしては大型で、体長1~1.4m、体重40~70kg程度に育つ[1]。
- 体毛の色は金色に近いオレンジ色で、夏期は毛の長さが約2.5cmだが、冬期には約7cmにまで長くなる。冬毛は淡いクリーム色に変わる。
- また黒いロゼット模様(いわゆる斑点)の径は他のヒョウの亜種より大きく[1]、間隔もより広い。
- オスの首にタテガミのような長い毛がある。
繁殖
編集- 平均寿命は約15年。
- 妊娠期間は90-105日。
- 1回の出産で2-4頭を出産する。
食性
編集個体数
編集世界自然保護基金(WWF)の2013年の調査結果では野生のアムールヒョウは48-50頭と推測される。少なくとも43-45頭の成獣と、4-5頭の幼獣が生息していることが確認され、2007年の調査では27-34頭であったことと比べると、1.5倍に増加しており、回復の兆しを見せている[6]。2020年時点では100頭程度と推計されている[1]。
人間との関係
編集前述「分布」項も参照。
保護活動
編集- ロシアにおいてアムールヒョウの生息地を通る原油パイプライン計画があったが、WWFと他の環境保護団体の反対行動により、アムールヒョウに影響の少ないルートに計画変更されている。
- 個体群管理計画(Population Management Plan)は、アムールヒョウのために確立され、計画繁殖を動物園等で調整している。
飼育・展示
編集日本では、1991年に旭山動物園においてアムールヒョウの「ビック」が、日本初の自然繁殖に成功した[7]。また、日本の動物園にいるアムールヒョウは「ビック」の血縁である[7]。
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i 【世界最前線 Front Line】アムールヒョウ 絶やさない/森林保全、密猟防止一時30頭→100頭に/「動物園から野生」挑戦へ『北海道新聞』2020年5月23日(19面)
- ^ 【動画あり】中国で撮影に成功!シベリアトラとアムールヒョウの親子|極東ロシアの森林保全|WWFジャパン(2014年3月10日)2020年5月24日閲覧
- ^ アムールヒョウについて神戸市立王子動物園(2019年8月13日)2020年5月24日閲覧
- ^ “コラム 絶滅危惧種韓国ヒョウの復元 : 文化 : ハンギョレ”. 『ハンギョレ新聞』 (2015年1月13日). 2017年9月28日閲覧。
- ^ “日本の動物作家・遠藤氏、韓国最後のヒョウを追跡(2)”. 『中央日報』 (2014年1月9日). 2017年9月28日閲覧。
- ^ 絶滅寸前のアムールヒョウに回復の兆し - WWFジャパン、2013年4月13日
- ^ a b “「シベリアヒョウの誕生」”. 『モユクカムイ』第25号. 旭川市旭山動物園公式ホームページ. 2013-5-13 05:10時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月13日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- アムールヒョウ - ウェイバックマシン(2006年9月25日アーカイブ分) - 写真家福田俊司のページ
- 旭山動物園のヒョウとホッキョクグマ死ぬ - 北海道新聞(cache)