すいせい
すいせい(第10号科学衛星、PLANET-A)は日本の宇宙科学研究所(ISAS、現・宇宙航空研究開発機構(JAXA))が打上げた2機目の宇宙探査機である。開発・製造は日本電気が担当した。1985年8月19日に鹿児島宇宙空間観測所よりM-3SIIロケット2号機で打上げられた。
ハレー彗星探査機 「すいせい(PLANET-A)」 | |
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すいせい | |
所属 | 宇宙科学研究所(ISAS) |
主製造業者 | 日本電気 |
国際標識番号 | 1985-073A |
カタログ番号 | 15967 |
状態 | 運用終了 |
目的 | ハレー彗星探査 |
観測対象 | ハレー彗星 |
打上げ機 | M-3SIIロケット 2号機 |
打上げ日時 | 1985年8月19日08:33 |
最接近日 | 1986年3月8日 |
運用終了日 | 1991年2月22日 |
停波日 | 1991年8月20日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | ⌀1.4 m × 0.7 m |
質量 | 139.5 kg |
発生電力 | 100 W |
主な推進器 | ヒドラジン1液スラスタ |
姿勢制御方式 | スピン安定方式 |
軌道要素 | |
周回対象 | 太陽 |
軌道 | 楕円軌道 |
近点高度 (hp) | 1.005 × 108 km |
遠点高度 (ha) | 1.514 × 108 km |
軌道周期 (P) | 約282日 |
観測機器 | |
UVI | 真空紫外線撮像装置 |
ESP | 太陽風観測器 |
すいせいは先立って打上げられていた探査機・さきがけと共にハレー彗星の国際協力探査計画(通称・ハレー艦隊)へ参加し、太陽風とハレー彗星の大気との相互作用を観測したり、紫外線で彗星のコマを撮像することを目的としていた。
1985年11月14日、すいせいは真空紫外撮像装置(UVI)を用いてハレー彗星のコマの水素Lyα輝線による像を初めて撮影した。この像の観測から、コマの明るさが規則的に変光していることが明らかとなり、変光周期から核の自転周期が2.2±0.1日と推定された。
1986年3月8日、ハレー彗星に145,000 kmの距離まで最接近し、彗星付近の太陽風観測を行った。このとき予期せぬ姿勢変化があり、接近前後2回に渡って大きな衝撃が加えられていることが判明した。1回目は最接近12分前、ハレー彗星からの距離は160,000 km。2回目は最接近20分後、距離は175,000 kmであった。データ解析の結来、ハレー核方向より何物か(重さは控えめに見ても約5 mg、比重を1として直径2 mmほど)が飛んで来てすいせい下部へ衝突した、という結論になった。
1991年2月22日に軌道修正用燃料がなくなり、同年8月20日の地球スイングバイ後に運用終了した。アメリカ航空宇宙局のウェブサイトでの紹介文によると1998年にテンペル・タットル彗星とジャコビニ・ツィナー彗星探査を予定していたがこれにより中止になったと言う[1]。
脚注
編集- ^ Suisei Mission Profile by NASA's Solar System Exploration。これについて日本語文献で紹介されることは少ない。