感染拡大、親子の面会交流減少 別居側の4割超「一度も会えず」

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で離婚や別居で離れて暮らす親子の「面会交流」が減少し、今年3月以降に4割以上が一度も子供と会えていないことが、民間団体「共同親権草の根活動」が実施したアンケートで分かった。コロナ禍の中で親子の断絶が進んでいるとして、同団体は国や自治体に対し、両世帯が健康で感染症対策も図られている場合、面会交流を外出自粛の対象外と明示することなどを求めている。

 アンケートは離婚などで子供と離れて暮らす親107人を対象に今月14~20日に実施。感染が拡大した3月以降、子供と全く会えなくなった人は44%、子供と会う頻度や時間が減少した人は32%に上った。

 婚姻中は原則父母が親権者となるが、日本では離婚後、父母の一方を親権者と定める「単独親権」のため、別居親と子供との面会交流の取り決めは離婚時に父母間で交わす。多くは月に1回程度だが、最近は子供と同居する親権者が感染などを恐れ、面会に否定的なケースが目立つという。

 直接の面会交流が困難な場合は、ビデオ通話やSNS(会員制交流サイト)などを活用した「間接交流」も可能だが、実施できた親子が約2割にとどまることも判明した。同団体は「コロナ禍の中、親子の断絶が進む恐れがある」と危惧している。

 新型コロナとの闘いは長期化も予想されるが、外出自粛要請が続く場合、親子の断絶が進む懸念があるかを問うと、「強く懸念される」が57%、「やや懸念される」が28%だった。

 法務省が世界24カ国の親権制度を調査したところ、22カ国が離婚後も父母の双方が子供の親権を持つ「共同親権」を採用。日本と同様の単独親権はインドとトルコのみだった。共同親権の是非をめぐっては、有識者や法務省、厚生労働省、最高裁事務総局の担当者らでつくる「家族法研究会」で議論が進んでいる。

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