【WWDC 18】ハードウェアの新製品はなし!発表内容まとめ(更新)
Appleは6月4日午前10時(日本時間5日午前2時)より開幕した世界開発者会議(WWDC 18)の基調講演にて、次期バージョンとなるiOS12、macOS Mojave、watchOS、tvOSを発表しました。開発者向けには同日よりベータ版の提供を開始し、正式版のリリースは2018年秋の予定です。
冒頭ティム・クック最高経営責任者(CEO)が「きょうはソフトウェアの発表のみ」と宣言した通り、WWDC開催前に噂されたMacBook Pro、iPad Proなどのハードウェア新製品は発表されませんでした。
しかしアクセサリの新製品として、Apple Watch用バンドとiPhone7/8/X向け純正ケースにいくつかの新色が追加されています。
▼ iOS12:新アプリ追加&既存アプリ強化、自分のアニ文字がつくれるMemojiなど
▼ watchOS 5:Apple Watch同士のトランシーバー機能が追加など
▼ tvOS 12:Dolby Atmos対応!ゼロサインインでログイン簡略化
▼ macOS 10.14:名称は「Mojave」。ダークモード追加、新機能も続々
▼ 基調講演では発表のなかった新商品がストアに追加
▼ 開発者向けベータ1が公開、パブリックベータは今月末予定
最終更新:2018年6月5日 10時53分
iOS12:新アプリ追加&既存アプリ強化、IFTTTのような新機能、自分のアニ文字がつくれるMemojiなど
iOS12は、アプリ起動速度がより早くなるなどの機能拡充や、新機能の追加が盛りだくさんでした。iOS11がインストールできる機種であれば利用できます。
新たにAR機能を使って長さや距離を測定できる新アプリ「メジャー」が追加されます。既存アプリも機能を拡充し、写真アプリではイベントや場所で自動的に分類するほか、検索機能が強化されました。
大きな変更となるのがSiriのショートカット機能です。特定のキーワードを紐づけ登録し、Siriに呼びかけたときにその動作を実行させます。
またスマートフォンの使いすぎ対策として、ユーザーのiPhoneの使用状況を週間まとめで確認できる新機能が追加されます。アプリごとの使用時間がわかるほか、使用時間の上限を設けることができます。
動く絵文字「アニ文字」では新たに舌の動きの認識ができるようになりました。コアラやトラなどの新しいキャラクターも追加され、オリジナルアニ文字がつくれる「Memoji」が新たに利用できます。ビデオ通話ができるFaceTimeは、最大32人まで通話可能になりました。
このほか純正アプリの変更では、iPadでボイスメモが利用可能になるほか、iBooksの名称が「Apple Books」に変更。CarPlayではサードパーティのカーナビアプリが利用可能になります。
またWWDC 18基調講演では触れられませんでしたが、顔認証Face IDで、これまで対応していなかった複数の顔登録ができるようになることが明らかになりました。
watchOS 5:Apple Watch同士のトランシーバー機能が追加、Webコンテンツの表示にも対応
Apple Watch向けの次期OSとなるwatchOS 5では、アクティビティアプリの新機能、Apple Watch同士でのトランシーバー機能の追加や、新ウォッチフェイスのほか、Hey Siriを使わずに、手首を上げて話すだけでSiriに指示が出せるようになりました。
アクティビティアプリでは、友人と7日間の競争ができる新モードCompetionが追加されます。運動計測もより正確になり、ヨガやハイキングなども計測します。トランシーバーのように、Apple Watch同士で音声通話ができる新機能「Walkie-Talkie」も追加されます。
ウォッチフェイスも機能拡張され、WebKit対応によりWebコンテンツが表示できるようになります。iOS12の新機能「Siriショートカット」にも対応するほか、Podcastの再生にも対応します。
WWDC 18で唯一の新製品となったのが、Apple Watch用の新バンド「プライドエディションウーブンナイロン」です。この新バンドにあわせたデザインの新ウォッチフェイス「プライド」も、本日より利用できます。
tvOS 12:Dolby Atmos対応!ゼロサインインでログイン簡略化
Apple TV向けのtvOS 12では、Apple TV 4Kが強化されます。これまで対応していたDoly Visionに加え、迫力のあるサウンドが楽しめるDolby Atmosにも対応します。これまでに購入した映画も、Dolby Atmosをサポートするタイトルは無料でアップグレードされます。
機能面では、シングルサインオンからより進化したゼロサインオンにより、ログインがより簡単になります。iOS12とtvOS 12の連携によるもので、ブロードバンドネットワークを検出して自動的に認証される仕組みです。
このほか新スクリーンセーバーに、国際宇宙ステーションからの地球の映像が追加されます。アメリカではApple TV 4K、iPhone、iPad向けの新アプリも追加される予定で、ライブチャンネルと数万のオンデマンド番組が視聴できるようになります。
macOS 10.14:名称は「Mojave」。ダークモード追加、新機能も続々
Mac向けの次期OSとなるmacOS 10.14の名称は、事前に噂されていたMojave(モハーベ)となりました。黒基調のダークモード追加のほか、スタック機能でデスクトップを自動整理したり、スクリーンショットを撮影してすぐ編集したり、iPhoneで撮影した写真をすぐMac上に貼り付けて加工といったことができるようになります。
ダークモードは、メニューバーやドック、ウィンドウなど全体的に黒基調となります。Xcodeもメリハリの効いた配色になるようで、会場の開発者たちからは大きな拍手が送られました。
Finderにも新しいギャラリービューが追加され、写真のメタデータを確認することも可能になりました。Quick Lookを使ったマークアップなどの編集、スクリーンショットも撮影後すぐに編集できるようになりました。
またContinuityと題した機能では、iPhoneをMacのカメラのように利用できます。デモンストレーションでは、iPhoneで撮影した写真がすぐにMac上に貼り付けされ、編集で別の画像と合成されました。ドキュメントのスキャンも可能です。
Mac App Storeもデザインが一新され、新しいメニューが追加。MicrosoftのOffice 365もストアにラインアップします。
iOSアプリのMac対応についても発表、iOSとmacOSの統合は「NO」
噂されていたiOSアプリのMac対応についても発表がありましたが、「iOSとmacOSは統合するのか?」という問いに対して、会場の画面いっぱいに「NO」と否定。iOSアプリを移植する形になるようです。
iOSアプリのMacへの移植は数年がかりになるようで、macOSでの最初のiOSアプリは、macOS Mojaveで利用できるようになる株価、ニュース、ホーム、ボイスメモアプリになりそうです。
このほかセキュリティとプライバシーの強化、外付けGPUへの対応などが発表されました。
基調講演では発表のなかった新商品がストアに追加
WWDC 18では発表されなかったものの、iPhone向け純正ケースにもApple Watch向けバンドと同じ新色が追加されています。
また29WのUSB-C電源アダプタが、30Wモデルとして販売開始しています。29W同様にiPhone8/8 Plus、Xでの高速充電に対応しています。
開発者向けベータ1が公開、パブリックベータは今月末予定
iOS12、macOS Mojave、watchOS 5、tvOS 12およびXcode 10の開発者向けベータ1が、同日公開されました。いずれも正式版は今年秋にリリース予定。iOS12とmacOS Mojaveでは、パブリックテスター向けのベータが今月末に利用可能となる予定です。
Source:Apple
(asm)