AdobeがAIを活用した映像生成モデルを開発中

Adobeが、AIモデルを利用して映像を生成する技術を開発中であることを発表しました。この技術は、今年の後半にAdobeのフラグシップ動画編集スイートであるPremiere Proに統合される予定ですが、具体的な発売日については明らかにされていません。

新しいAI映像ツール

Adobeの新開発モデルは、OpenAIのSoraやGoogleのImagen 2、その他多数のスタートアップが活動する生成AI映像領域への対抗として提供されます。テキストプロンプトや参照画像から映像を一から作り出すこのモデルは、Premiere Proに新たな機能として、オブジェクトの追加、削除、及び映像の自動延長という3つの特徴をもたらします。

具体的な機能について

オブジェクトの追加機能では、ユーザーは映像クリップの特定のセグメントを選択し、そこにオブジェクトを挿入するためのプロンプトを入力します。オブジェクトの削除機能は、映像からブームマイクやコーヒーカップなどのオブジェクトを除去します。さらに、映像の自動延長機能を使って、クリップの始めや終わりに数フレームを追加できます。

深刻な問題に対する対策

生成AIツールによるディープフェイクへの懸念に対処するため、AdobeはPremiereにコンテンツクレデンシャル（コンテンツの起源を特定できるメタデータ）を導入します。これにより、どのコンテンツがAIによって生成されたか、またどのAIモデルが使用されたかを明確にできるようになります。

モデルトレーニングの背景

Adobeはモデルのトレーニングに使用されるデータセットについては詳細を明かしていませんが、トレーニングにはAdobe Stockから提供される映像クリップも含まれ、提供者への報酬はクリップの品質に応じて変動します。

今後の展開

Adobeは、Premiereの映像生成機能に関する価格設定についてはまだ公開していませんが、既存のFireflyモデルに倣った生成クレジットシステムに従う予定です。また、Adobeはサードパーティ製の映像生成モデルのPremiereへの統合も検討中であり、OpenAIとのコラボレーションも進めています。