ただ,最近学校の MATLAB ライセンスに Parallel Computing Toolbox が加わって一部関数が置き換えられたためか,単にバージョンアップの恩恵なのかは知りませんが,一部の計算ルーチンがマルチコア用にコンパイルされているらしく,計算によっては50%を超えるプロセッサ使用率を見ることもできるようになりました.
でも依然として,大半の処理は片方のコアのみで処理されるようです.
本来は並列計算できる部分は処理系が自動的に判別して最適に処理してくれるのが理想なんですが,なかなか実現されないですね.また,最近はコア1つ当たりの性能向上は収束気味で,今後はコアの数が増える方向にPCは進化するようなので,今後MATLABでPCの進化の恩恵を享受するためには,並列計算のスキルを身につけておく必要がありそうです.
MATLAB で Parallel Computing Toolbox が使える場合,単一マシンで並列処理をするのはとても簡単で
matlabpool 2 %デュアルコアの場合 parfor idx=1:100 % 並列化する処理 end matlabpool close
とやれば並列に処理されます.matlabpool の後の数字は生成されるスレッド数です.
結構並列化のオーバーヘッドがあるようで,単位処理の計算量があまりに小さい場合,かえって遅くなることもあるようです.結果が芳しくないときはプロファイラでチェックしてみるべきですね.
Particle Swarm Optimization (PSO) なんかは並列計算の恩恵を最大限に受けられるアルゴリズムなので,目的関数の評価に時間がかかる問題であれば,処理速度がほぼコア数倍になります.(といってもまだデュアルコアでしか試してませんが・・・)
もうちょっと手間をかけると複数のマシンをつないでクラスタリングとかもできるようなので,人がいない夜中とかに実験室のマシンを束ねて試してみようかな〜
・・・・と思ったらクラスタリングには MATLAB Distributed Computing Server っていう別製品が必要なようですね.
また,Parallel Computing Toolbox ではスレッドの数も4つまでに制限されてるようです.
つまり現状ではクアッドコアのXeon W3570以上のCPUを使っても性能向上は期待できないということかな?
値段を考えると2.66GHzのXeon W3520か,近々更新される見込みなCore i7あたりが計算用マシンのCPUとしてはベストになるのだろうか・・・