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Liella!の見せる成長曲線と様々な「愛」のかたち…「ラブライブ!スーパースター!!」発スクールアイドル

スポーツ報知
昨年12月の宮城公演で3rdライブツアーをスタートさせたLiella! (C) 2022 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!

 メディアを横断して展開しているスクールアイドルプロジェクト「ラブライブ!」発のグループ「Liella!」の3rdライブツアー「「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 3rd LoveLive! Tour ~WE WILL!!~」は3月4、5日、初のドームライブとなる埼玉・ベルーナドームでファイナルを迎える。同ツアー初公演の昨年12月3、4日の宮城・ゼビオアリーナ仙台公演から、3か月にわたるツアーをレビューしたい。

 1期生の5人から2期生の4人が加入して9人になって初のツアー。プロジェクトでは、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が途中から9人編成にメンバー3人を加えて12人(スクールアイドルではない高咲侑=プレーヤーキャラを含めれば13人)になっているが、虹ヶ咲はもともとがソロアイドルの集合体という位置づけ。新設校である結ヶ丘女子高等学校は、シリーズで唯一、アニメの開始時点で全学年がそろっていなかった。

 5人が9人というのは2倍近い人数になるわけで、これはたくまざる形でLiella!というグループ全体の姿が大きく変わっていくことを意味するが、1期生と2期生は、ごく自然な形で融合しているように思えた。2期生は1期生の背中を見て成長し、1期生は2期生を思いやる。そんなアクションがライブの中で随所に見られた。特に、アニメ2期でも第10話「渋谷に響く歌」で9人のメンバー全員が参加して作り上げ、ウィーン・マルガレーテを破ってラブライブ!東京大会を制した曲「Sing!Shine!Smile!」は、2ndライブツアー「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 2nd LoveLive! ~What a Wonderful Dream!!~」からアニメへ“逆輸入”された衣装といい、キャスト全員が絡むような振りが印象的なダンスといい、歌詞といい、まさにLiella!を象徴するフラッグシップとも言うべき曲だ。セットリストも、第10話に準拠してゲスト出演の結那(ウィーン・マルガレーテ役)による「エーデルシュタイン」の後に「Sing!Shine!Smile!」。ライブの中でも、Liella!の真骨頂が凝縮されたパフォーマンスだ。

 ライブの合間に入るMCで、下級生である2期生が水分補給のドリンクボトルを持ってキャストの間を回るシーンなど、特に運動部に入っていた経験がある人には「あるある」だろう。しかしそのシーン、別に世代の間に上下関係があるようには見えなかった。むしろ、自然にお互い気配りができる関係ということなのではないだろうか。

 今年の1月21、22日の大阪城ホールでは、1期生のLiyuu(唐可可役)が客席に向かって「9人のLiella!はどうですか?」と呼びかけ、2期生がうれし涙を流すシーンもあったという。大阪城ホールは、5人時代の2022年6月「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 2nd LoveLive! ~What a Wonderful Dream!!~ with Yuigaoka Girls Band」でも訪れた場所であり、大阪のファンは、半年ちょっとでLiella!が大きな変貌を遂げたことを実感できただろう。もちろん、Liella!のよさはそのまま残っている。特に、ライブ活動を小規模のホールから始めたことで、ファンとの距離の近さはプロジェクトでも随一だが、このツアーから初めてフロート(トロッコ)を使い、ファンのすぐ近くまで行って交流を楽しむ表情の豊かさが印象的だ。

 これまでのプロジェクトも、それぞれ1年生から3年生までがそれぞれの夢、希望、逆に苦悩や問題も抱えながら、それを乗り越えて前に進んできた。しかし、Liella!はメンバーそれぞれの関係性がさらに立体的である。同学年同士の友情はもちろんのこと、先輩への敬慕、後輩に対する慈しみなど、様々な「愛」の形を描いている。人は生まれた時点では、ほぼほぼ家族が世界のすべて。それが幼児期につれて同い年の子どもと接点をもち、さらに年上、年下と接していく。それは、親や兄弟といった家族の年長者と接するのとは違い、人間が社会性を身につけていく過程でもある。中学から高校、そして成人し社会人になれば接する人間の幅はさらに広がり、生きる世界が劇的に広がっていく。

 思春期の中学、高校時代は、同年齢中心の関係性が強い小学校までと違い、自分よりキャリアが上の「先輩」、自分たちに続いていく「後輩」といった人間の社会的な関係性をはっきりと認識する時代でもある。そういう意味で、Liella!は見る人がリアルに共感できる成長曲線を描いている。早いもので、ラブライブ!プロジェクトは始まって13年。節目の15年も視界に入っている。初代のμ’sからバトンは「ラブライブ!サンシャイン!!」のAqoursへと受け継がれ、Liella!はそのバトンを受け継ぐ大きな流れの中で位置づけられているのは衆目の一致するところだろう。

 そして、プロジェクトは虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、さらには関西を舞台とした「スクールアイドルミュージカル」、金沢の「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」(アプリ名=Link!Like!ラブライブ!!)と、様々な世界観を持つコンテンツを擁する大きなものとなった。Aqoursというプロジェクトの大黒柱はまだまだ元気だし、今後もその先へと向かうだろうが、Liella!もまた、これからプロジェクトの中核となるべき存在であることは間違いない。おそらく、今回の3rdツアーはその点でLiella!の成長と今後の可能性を実感するものになるだろう。

 演劇でよく言われるが、公演初日と千秋楽ではまったく違う舞台になっているという。ツアー初日のゼビオアリーナ仙台とファイナルのベルーナドームでは、まったく違うLiella!が見られるのではないかと楽しみにしている。まして、ベルーナドームは単独ライブとして初の声出し解禁。ファンと自分たちだけしかいない幸せな空間で声を伝えあった時、キャストたちはどんなリアクションを見せるのだろうか。

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