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【考察】TwitterがXになったのでユーザー歴15年半の私が感じたことを書かせてもらおう

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2022年10月27日には、イーロン・マスク氏がTwitterの買収を完了し、最初に取り組んだのは取締役会の解散と自身のCEO就任でした。全権を握ったマスク氏は、自身のビジョンに基づきTwitterを再構築しました。その手始めとして大規模な人員削減を行い、その後はサブスクリプションサービスの充実と無料会員との差別化に焦点を当てました。

イーロン・マスク氏によるTwitter買収を当初から歓迎していた私ですが、2023年7月31日時点の現状を鑑みて、Twitter利用歴15年半の一ユーザーとして感じていることを述べたいと思います。

目次

あらゆるサービスはいずれ終焉を迎える

インターネットが一般に普及してから約30年が経過しました。新たなサービスが生まれ、そしてまた終わる。このサイクルは絶えず続いています。人気がある、名前が知られているサービスであっても、その形状は常に変化し進化し続けています。Yahoo!やGoogleもその例外ではありません。それらの基盤となるのは検索エンジンですが、その姿形は日々変化し続けています。

これはどのサービスにも言えることで、「サービスはいずれ終わるという前提で考えること」がインターネットを活用する上で大切だと私は考えています。

ライフラインとなるインフラでは汎用性が重要

日本で大人気のTwitterは、災害時の速報性やニュースの拡散性、検索性などがその人気の理由となっています。自治体や企業が公式アカウントを作成し、情報を発信するのは今では常識的な状況となっています。しかし、Twitterのような特定のサービスに過度に依存するのはリスクを伴います。特に日本ではLINEへの依存度が高いのが問題です。TwitterやLINEがサービスを停止した場合の影響を常に頭に置いておくべきです。

具体的には以下のような対策が考えられます。

  • SNSのアカウントを複数のプラットフォームに分散させる
  • 汎用性の高い技術を活用する

TwitterやLINEが万が一停止した場合でも情報提供を続けられるように、複数のプラットフォームにアカウントを分散させたり、汎用性の高い技術を活用するなどの対策が必要です。

Twitter、そしてXへの変遷

2023年7月31日の時点で、Twitterの名前はすでにXへと変更されてしまいました。ウェブ版、iOS版、Android版すべてで、アイコンがかつての青い鳥からXへと変化しました。さらに、ダークモードがデフォルト設定となるとのことです。現在のドメイン名はまだTwitter.comのままですが、x.comからリダイレクトされているため、近い将来ドメインも変更される可能性があります。

2007年12月にTwitterへ登録してから既に15年半が経過しました。この長い時間をTwitterとともに過ごしてきた私にとって、Twitterという名前がすなおに消え去ってしまうことは何とも寂しく、感慨深いものです。大好きなTwitterがこれからどこに向かうのか。それについて、イーロン・マスク氏の行動を参考に、次の展開を予測してみたいと思います。

名称の消滅、そして新たなスタート

TwitterがXと名前を変え、元の名称へ戻る可能性は低いでしょう。ユーザーを巧妙に巻き込み、興味を持たせつつ、Xへの移行が進んでいくことでしょう。ユーザーとしては、一喜一憂せず冷静にこの移行を見守るつもりです。

数ヶ月後、公式ウェブサイトやアプリからTwitterという名前が完全に消え、Xのみが存在するでしょう。

それでもなお、Twitterのロゴやリンクは至る所に存在し続けるでしょう。インターネットだけでなく、印刷物にもTwitterのロゴは広く掲載されています。このロゴがXに完全に切り替わるには、数年単位の時間が必要となるでしょう。

人々がTwitterという名前を忘れるのは、それらが全て入れ替わったときでしょう。

Xの動向と他SNSへの移行

2022年10月以降、Xが既存ユーザーにとって有益な変更をもたらすことは少なかったように思います。サブスクリプションの導入により編集機能が追加されたり、長時間の動画の投稿が可能になったものの、それらは有料会員限定の機能でした。一方、閲覧数の制限やAPIの有料化、シャドーバンやアカウント凍結など、ユーザーにとっては混乱を招く変化が立て続けに起きました。メタ社がThreadsをリリースしたときの盛り上がりは、Xへの不満が大きかったことも一因でしょう。

幸いなことに、Threadsはリリース時点で機能が不足しており、時間の経過と共に利用者が減少しているとの報告もあります。しかし、元々InstagramにはXを超えるユーザーがおり、その潜在能力は圧倒的です。近い将来、ThreadsがXの機能を導入する可能性は非常に高いと考えられます。

Xに残された時間は短いかもしれません。その終焉のタイミングは、インターネット上や印刷物のTwitterロゴの入れ替えの時期と重なるかもしれません。入れ替えるならば、よりユーザー数の多いSNSに対応するのが一般的です。そのタイミングでThreadsがXより勢いを持っていれば、日本でもXからの離脱が進む可能性は十分に考えられます。

我々が注目すべきは、Xが日本市場でどのような価値を提供してくれるのかという点です。

最終的にはActivityPubへの移行が見込まれる

私が初めに述べたように、インフラストラクチャとして機能するものは、その汎用性が高いほど採用するべきです。インターネット、ウェブサイト、電子メールなどがそれにあたります。汎用性が高いテクノロジーは、誰の影響も受けずに永続的に利用可能です。この理念は、データにも同じく当てはまり、CSVデータやJPEGファイルなどが汎用的になることで、その安全性は増します。

2017年にマストドンに出会ったとき、私はそのSNSが全てだと確信しました。マストドンがオープンソースであることは勿論、ActivityPubを採用している点が特に称賛に値します。ActivityPubは非中央集権型の分散型SNSプロトコルのオープン標準です。これこそが永続的に利用可能な唯一の選択肢だと私は確信しました。それから6年余りが経ちましたが、その普及はまだ途中段階です。

ThreadsがActivityPubの採用を予定しているという話もありますが、これが実現すれば一気にその普及は加速するでしょう。ActivityPubを採用すれば、自身でSNSサーバを立ち上げることが可能になります。アカウントのバンやシャドーバンなどが物理的に起こることはありません。企業や政府の公式アカウントにとっては、特定のSNSに依存せず情報を発信できるというメリットがあります。

将来的には、ActivityPubを採用するSNSが増え、各企業や政府が独自のSNSサーバを立ち上げて、ActivityPubで情報を発信する動きが加速することを予想します。

さいごに

TwitterがXに変わったときの寂しさは大きかったものの、実際になくなってしまうと、「そういうものか」と思う自分にも驚きました。2022年10月にイーロン・マスク氏に買収されて以来、Twitterはマスク氏の一挙手一投足に振り回され続けました。その意味では、青い鳥を解き放つのに適切なタイミングだったのかもしれません。

XはTwitterとは別の存在として考えることで、より冷静に判断することができます。スーパーアプリ化を目指して、余分なものを削り落とすその方向性も、一定の理解は得られます。Xとしてのスタンスをきちんと理解すれば、それはそれで有りだと思います。ただし、新たなXの姿を支持できるかどうかは、また別の問題です。

Xが変化を急ぎすぎて自滅しそうな状況は確かに心配ですが、一度破壊して新たなものを創造するというのは、一つの方法論ではあります。今後のXに期待しながら、ここで今回の記事を締めくくりたいと思います。

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