通常とはルールが異なる! タワーマンションの引越しの流れを引越し会社に教えてもらった
最終更新日 2023年09月26日
眺望の良さや充実した設備などで人気のタワーマンション(タワマン)ですが、「引越し」の実情についてはなかなか語られることがありません。そこでSUUMO引越し見積もりでは、実際にタワーマンションへの引越しをした人にアンケートを実施。引越しで困ったことをランキングで紹介します。さらに引越し会社にも、通常の引越しとタワーマンションへの引越しの違い、その流れなどを聞いてみました。
■目次
・何が困る? タワーマンションでの引越し
・引越し会社に聞いた、通常の引越しとタワーマンションへの引越しの違い
・タワーマンションへの引越しの基本の流れ
・タワーマンションへの引越しの見積もりでの注意点
・タワーマンションへの引越しは計画的に
何が困る? タワーマンションでの引越し
タワーマンションの引越しで困ったことランキング
タワーマンションへの引越しでどんなことに「困った」のか、実際に引越しをした人にアンケートを実施したところ、上のグラフのようなランキング結果となりました。
まず「特に困ったことはない」(37.4%)という人が最も多かったものの、6割以上の人が何かしら「困った」ことがあると回答。そのなかで多かったものを5つ挙げると、
・「引越し料金が高くなった」(27.2%)
・「引越しの時間帯に制約があった」(18.7%)
・「引越し会社を選べなかった」(14.9%)
・「マンション内での引越し日の調整が大変だった」(14.5%)
・「エレベーターに乗らない大型家具を手放すことになった」(13.6%)
がランクイン。これだけを見ても、タワーマンションへの引越しは「通常より費用がかかり、引越しの日時や引越し会社に制約があり、大型家具は搬入が難しいこともあるのだろう」と考える人も多いでしょう。そのあたりの実情について、引越し会社・アップル引越センターに聞いてみました。
引越し会社に聞いた、通常の引越しとタワーマンションへの引越しの違い
タワーマンション、特に新築の場合の引越しは、通常の引越しとどんな点が異なるのでしょうか。
最も大きな違いは「タワーマンションに限ったことではないですが、大型の新築マンション特有の『一斉入居』がある点です」とアップル引越センター(以下すべて)。
「新築マンションの工事が終わると、一斉に入居が始まるため、世帯数が多いタワーマンションなどの場合、搬入作業をいつでも自由にできるようにしてしまうと混乱を招くのは想像に難くありません。それを避けるため幹事会社と呼ばれる引越し会社が入居スケジュールにかかわる一切を取り仕切ります。幹事会社以外に引越しを依頼することもできますが、スケジュールの調整は幹事会社が行い、それほど大きくないマンションであればだいたい10日から2週間程度、大型マンションであれば、長いと2、3カ月にもわたる期間を設け、そのなかで世帯ごとの搬入日時、時間枠を定めます」
となると、自分が希望する日に引越しできるのかが気になるところですが、「入居の順番は契約順ではなく、希望日を出して抽選で決めます。スムーズな引越しをするためにスケジュール調整をしているのはもちろんですが、建物の事前の傷チェックや作業中は防犯カメラの記録を行うなど、建物を傷つけてしまった場合の管理責任も含めて幹事会社が立てられています」
タワーマンションへの引越しの基本の流れ
タワーマンションへの引越しの流れは、マンションが新築か中古かによって異なるそう。それぞれの流れのうち、入居者がかかわる部分について教えてもらいました。
新築タワーマンションの場合
引き渡し(入居者に鍵が渡される)
↓
引越しの抽選会(~入居説明会)
↓
引越し見積もり(幹事会社や幹事会社以外の引越し会社でもOK)
↓
入居
幹事会社ではない引越し会社に見積もりを取る場合は、「次のような情報を提示するとスムーズ。幹事会社からその情報が書かれた入居案内の資料をもらえると思いますが、事前に幹事会社に確認し、ご準備することをオススメします」
1.幹事会社(担当部署などの連絡先含む)
2.入居予定日時
3.車両サイズ制限
4.作業終了時間(開始から撤収までの時間)および作業にあたっての注意事項
なお、一斉入居の時間枠は、次の引越し時間枠や、すでに生活している人への不便もあるため、かなり厳密に決められているそう。「決められた時間枠内に搬入が完了しなければ、そこで作業は中断し、その日の最終枠が終わり次第、残りの搬入作業をする流れになります。その時間内で終わらせるために最低必要作業人員数を定めています」
幹事会社に依頼した場合、「想定より時間が押しそうだったとしても常駐スタッフを置いていたり、他の入居者の引越しを前後や同時に行っている場合が多く、流動的にサポートに入ることで当日のイレギュラー対応が可能となります」
中古タワーマンションの場合
新築のように一斉に入居が始まる物件以外は、同日に引越しが発生することはまれなので先述のような幹事会社がかかわるようなことはなく、物件側から日程等について特別な指示がない限り、任意で引越し日程を決めることができます。しかし、新築でなくても大型マンションなどでは引越しの条件が定められていることがあるのだそう。
「タワーマンションではほとんどの場合、エレベーターの運行など物件の管理をしている防災センターに条件を確認する必要があります。事前に防災センターの連絡先を調べておき、見積もり時に引越し会社へ伝えると、途中で条件が増えることによる料金追加が避けられます。さらに、次のような情報を提示するとよりスムーズです」
1.入居予定日(作業時間)
2.車両サイズ制限
3.車両駐車位置
4.建物養生箇所
5.作業届の有無
※地下搬入の場合高さ制限あり。家財量に見合ったトラックが合わない場合は小さめのトラック2.3台で行うため料金が上がる傾向にあるとのこと。
タワーマンションへの引越しの見積もりでの注意点
タワーマンションでは「駐車位置から入居者の部屋までの距離が長く、作業スタッフ数も多く必要となるため、引越し料金が高くなりやすいです」
複数の会社に見積もりを取る際は、作業人数を要チェック。「作業人員を削ることで料金を安くしますという提案を受けた場合には、本当にその時間枠内に作業が完了するのか、完了しなかった場合はどう対応してもらえるのか、依頼する引越し会社へ確認しておきましょう」
また、通常の引越しと同様、引越しの時期や日程などによってもアップダウンするそう。「引越し料金は、日時(平日/土日祝日、上旬/中旬/下旬、閑散月/繁忙月)、作業時間(搬出搬入時間、移動時間など)、作業人数、さらにオプションの有無で変わります」
例えば最繁忙期の3月下旬の土日は、一年で引越し料金が最も高い日程。「考え方としては、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始の航空券やホテルと同じです。枠に限りがあり、需給バランスが偏ると料金は変動します。繁忙期は企業の転勤やマンションの竣工が重なり、もともと限りのある引越し枠が圧迫されているため、値引きが一切利かない料金提示となります」
反対に、例えば1月、6月、11月の中旬の平日は大体の引越し会社が値引きしやすく、手頃な料金での引越しがしやすいのだとか。ただし、引越し会社によっても忙しい日は異なるので個別に確認しましょう。
タワーマンションへの引越しは計画的に
タワーマンションへの引越しは準備を計画的にする必要があるといえそう。いつでも気軽に、というわけにはいかない可能性があるので、早めに見積もりを取って引越し会社を決め、状況の変化に対応できるような心構えをしておきましょう。
●取材協力
アップル引越センター
●調査概要
・調査期間:2021年3月11日~2021年3月16日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:マクロミルモニタ 18~69歳の男女。直近1年以内に引越し会社を利用して引越し、かつ「引越し先の物件選び・荷造り・引越し会社への見積依頼・引越し会社の決定」のすべてに関与した人。またタワーマンション(20階建て以上の高層マンション)に引越ししたことがある人。
・有効回答数:235
・調査機関:株式会社マクロミル
●画像:PIXTA
引越し対応エリアから探す
現住所(現在の住居)の都道府県をクリックしてください。
SUUMO引越し見積もりでは、各都道府県の住みたい街ランキングを確認できます。
いま住んでいる街や住みたい街の情報をチェックして、引越しに役立てよう!
北海道・東北 | |
---|---|
関東 | |
北陸・甲信越 | |
中部 | |
関西 | |
中国 | |
四国 | |
九州・沖縄 |