HDRiな生活

HDR(ハイダイナミックレンジ)写真の連載。ストックフォトでカメラ機材代の捻出を目論む。


ことばのお仕事

ことばのお仕事

カメラ:D700、 レンズ:SIGMA 20mm F1.8 EX DG、ISO:200、絞り優先、ブラケット:-2〜+2、ホワイトバランス:オート

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「我々は、あー、国民の、皆様の、おー、健康を、第一に考えて、えー、おります。」
街頭演説している候補者の表情が、刹那曇った。

2年前、『国民の生活が第一党』という『いま売れています』みたいな党が結成された。そのため、演説から、国民の〜で始まる文章が出ると、聴衆も演説者も、どこかでその党を意識してしまう現象が今も続いている。

口にすると改めて気付くが、言葉の力はすごい。その単語が口から出た瞬間、警戒する小動物のように眉間が痙攣したり、目が泳いだり、ひどいのになると、どもりはじめて汗を吹き出させる候補者もいた。一番肝心な、対象を呼びかける言葉の調子がこれじゃ、国民に届かないのも無理はない。

おおよそ選挙演説とは、選挙権をもつ国民全体を口説くため、件の単語無しにはなかなか成立しにくい性質を含んでいる。代替単語を使えればいいのだろうが、なかなかそうもいかない。日本国の〜、平民の〜、市民の〜、など、しかし、いずれもピントを外している。党名を作った人はコピーライターでも食べていけそうだと思った。

演説の様子が YouTube やニコニコ動画などの動画サイトにたくさんアップされ、世界から笑い者にされているくらいだが、僕の好きだった落語家は、「バカな話題がニュースになるくらい平和なんですよ、今の日本は。いいことなんです。」と言っていた。

その翌年、『増税に反対する党』という『ロッカーに猫の死体を入れないでください』みたいな名称の党が届け出された際、総務省は党名のレギュレーション見直しを計り、それ以降、有権者の代名詞・具体的な政策名を含む党名は禁止になったが、初代は特例として維持可、という措置になっているようだ。

そうそう、『国民の生活が第一党』のネーミングセンスが、今年のイグ・ノーベル賞にノミネートされました。

コンコンコン。おや、こんな夜更けに誰だろう。

撮影環境・雑多品

Nikkor AF-S Micro 60mm F2.8G ED

ブツ撮りはコレ一本あればいいと今は思ってるNikkor 60mm単焦点。D40でもオートフォーカスが使える超音波モーター。本当、フルサイズ機になってますます使い勝手が良くなりましたこのレンズ。ナノクリスタルコート。

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コメント: 2

にゃあ 

>コンコンコン

で、誰だったのですか?

Toshiro 

>にゃあさん
これで完結ですのでご想像にお任せします・・・