2013年02月05日
ギター専用楽譜『度数譜』
⇒【sinyaが開発!弾く脳トレ!よなおしギター】
ウェス・モンゴメリー、ジョー・パス、ジャンゴ・ラインハルト、パット・メセニー、ジム・ホール、ケニー・バレル・・・、偉大なJAZZギターリストは、たくさんたくさんいます。
私は、JAZZ、特にギターの入ったJAZZをあまり聞いてこなかったので、彼等の音源をたくさん聞いているかというと、実はそうでもありません。なので、彼等の演奏について云々言える資格はありませんが.......
今回は彼らの頭の中をちょっとだけ考えてみようと思います。
偉大なジャズギターリスト達は、頭の中で何を考えながらJAZZを演奏しているのだろうか?
小さい頃からピアノ一筋でやってきたピアニストがいるとします。私は、どちらかというと、そういったピアニストの頭の中の方が想像しやすいんです。
ピアニストは、ちゃんと音を音名として捉えることが出来ているはずですので、『C(ド)を弾く時はC(ド)の音を出そう』と思って演奏していると思うんです。
それは、幼い頃から五線譜を使って毎日練習を重ねてきたであろうことからも想像できるんです。五線譜もピアノと同様に『同じ高さのC(ド)を表す方法は1つしかない』訳ですから、ピアノと五線譜はとても相性が良く一心同体といえます。
要するに、ピアニストにとっても五線譜にとっても、決まった高さの音は1つしか存在しない訳で、それ以外の選択肢が無い。『C(ド)だったらC(ド)』と、当たり前のように認識して演奏できるということなんです。
さらにピアニストは、耳が鍛えられている場合が多いですね。絶対音感までいかなくても、幼い頃から練習している演奏者は、たとえ素人でもかなりの音感がある訳です。
という事は、例えば、何かの伴奏に合わせて即興演奏をしようとした時、伴奏を耳で聴いて、それに合う例えば『C(ド)』を出そうと頭で考え腕を使ってピアノで『C(ド)』を押さえる。
この一連の動きを瞬時に行っているのではないかと想像する訳です。
もちろん、スケールの練習をたくさんして、お気に入りのフレーズをたくさんストックしておけば『手癖』が出来て、何も考えずに即興演奏が出来るでしょう。
ただ、やはりピアニストの根本は『音を音名として捉える』ことにあると思うんです。
一方、ギターリストはどうでしょうか?
素晴らしい演奏をする歴代のギターリストたち、特に即興演奏が必須のJAZZギターリストたちも、やはり『音を音名として捉えて』演奏しているのでしょうか?例えばピアニストのように、伴奏を聴いて『よしここでC(ド)の音だ!』と思って『C(ド)』の音を演奏するのでしょうか?
何か、ちょっとシックリきません。
ギターという楽器は、同じ高さの同じ音が出る場所が複数存在する楽器です。
【ギターの指板とピアノを比較した面白い表はこちら⇒】ギターの指板の仕組み~ギターリストは五線譜を読めるべきか?~
例えば、五線譜の下第一線で表す『C(ド)』の音は、ギターでは2箇所からその音を出すことができます。その上の『A(ラ)』の音は、ギターでは3箇所からそれと同じ高さの同じ音を出すことができます。
これって、ある意味スゴイことだと思うんです。
同じ高さの同じ音が出る場所が複数あったら、五線譜で音が表記されていても『ギターではどこの場所の音を出せばイイの?』ってことになる訳ですから。
これが、ギターリストが五線譜に弱い理由の1つです。
さらに、楽器を始める年齢に関しても、ピアニストの方が幼い頃から始めている人が多いのではないでしょうか?
それはすなわち、ギターリストは、ピアニストほど音名に対しての耳が鍛えられていない場合が多いのではないかということです。(ギターリストは、相対音感に関してはスゴク耳が良いと思います)。
つまりギターリストは、聞こえてくる音を判断し五線譜のある一箇所の音名と結び付けることが非常に苦手な訳です。
『五線譜に弱く音名に対する耳もピアニストほど良くない』
それがギターリストならば、やはり即興演奏などをする時に『音を音名として捉えている』とは考え難い訳です。
それなら、ギターリストたちは『C(ド)』をどんな捉え方で弾いているのかを考えてみます。
ギターのもう一つの特徴として、転調の自由度が上げられます。
例えば、ボーカリストの都合で、「キイをCからE♭に変えてくれ」と言われても、すぐに対応できてしまうのがギターです。
それができるのは、キイが変わってもコードもメロディも同じ運指で弾くことが可能だからなんですね。多少の知識があれば、それほど経験のないギターリストでも転調は難しい作業ではありません。
では、ピアノの場合はどうでしょう。
もちろん、経験豊富なピアニストなら問題なく転調もこなしてしまうでしょう。ただ、キイがCからE♭に変わるということは、メジャースケールあるいはダイアトニックコードしか使っていない曲だとしても、黒鍵を全く使わない状態から、黒鍵を3つ使う状態になるわけです。
私なんかはもうそれだけで訳が分からなくなってしまいます
同時に、五線譜もやはり転調が大変なツールです。
もし五線譜をCからE♭に転調しなければならない場合、全てを書き直さなければならないのですから。
そう考えますと、ギターリストにとって常に考えている必要があるのは『キイ』だと思うんです。極端に言ってしまえば...
『キイさえ分かっていればどうにでもなる』
のがギターという楽器なんです。
ですから、もし『C(ド)』を弾く時に考えているとしたら『その音がキイ(の主音)からどれくらい離れた音なのか』という事だけだと思うんですね。
もしその伴奏のキイが『C(シーメジャー)』ならC(ド)を弾く時は『1度を弾く』と考え、もしその伴奏のキイが『F(エフメジャー)』ならC(ド)を弾く時には『5度を弾く』と考えるということです。
こう考える方が、ギターという楽器の特性上、とてもシックリくるんですね。
以前の記事で『席順表』をご紹介しました。
【ギターの『席順表』についてはこちら⇒】ギター指板上の度数配列表~3度7度の役割~
席順表は、1度からの各音の距離、いわゆる『度数』を表した表です。
この席順表さえ頭に入っていれば、五線譜を読み取る必要もなく、音を音名として認識する必要もなく、好きなようにコードやメロディが演奏できるんです。
この表こそがギターという楽器の最大の武器となり得ます。
五線譜が読めないと音楽ではないような・・・音名が分からないと楽器を弾いている感じがしない・・・と、固定概念に囚われている人は結構多いと思います。
しかし、断言できます。
『五線譜はギターの特性には合わない楽譜』
です。もっと言うならば....
『五線譜ではギターの最大の武器を生かせない』
ということなんです。
ギターリストが演奏をする上でもっとも必要なのは音名ではありません。キイの主音からどれだけ離れた音なのかを示す『度数』です。
ということで.....
新たにギターの最大の武器を生かせる譜面を作りました!
その名も『度数譜』です。
下に、ある曲の『度数譜』を載せました。
数字は度数を表します。その他、音の長さ等の表記方法は五線譜と同じです。参考に、『席順表』も載せますので、興味のある方は何の曲か考えてみてください。
この譜面には、キイが載っていませんね。キイは演奏者が自由に選んでいただいて大丈夫ですが、始めはキイを『C(シーメジャー)』(1をCとして)演奏してみましょう。
その後、イロイロなキイで演奏していただくと、この譜面がいかにギターの特性にマッチしているかが分かると思います。
☆度数譜関連記事
・ギター専用楽譜『度数譜』
・ギター専用楽譜『度数譜』 補足
・ある曲の度数譜 答え
・ギター専用楽譜度数譜による『大きな古時計』
・ギター専用楽譜度数譜による『さんぽ』
・ギター専用楽譜度数譜による『Hey Jude』
・ギター専用楽譜度数譜のコード表記
【初心者・独学ギターリストの強い味方】とにかくギターを弾きたいという方へおすすめの教材です!
ウェス・モンゴメリー、ジョー・パス、ジャンゴ・ラインハルト、パット・メセニー、ジム・ホール、ケニー・バレル・・・、偉大なJAZZギターリストは、たくさんたくさんいます。
私は、JAZZ、特にギターの入ったJAZZをあまり聞いてこなかったので、彼等の音源をたくさん聞いているかというと、実はそうでもありません。なので、彼等の演奏について云々言える資格はありませんが.......
今回は彼らの頭の中をちょっとだけ考えてみようと思います。
【ピアニストの頭の中を考えてみる】
偉大なジャズギターリスト達は、頭の中で何を考えながらJAZZを演奏しているのだろうか?
小さい頃からピアノ一筋でやってきたピアニストがいるとします。私は、どちらかというと、そういったピアニストの頭の中の方が想像しやすいんです。
ピアニストは、ちゃんと音を音名として捉えることが出来ているはずですので、『C(ド)を弾く時はC(ド)の音を出そう』と思って演奏していると思うんです。
それは、幼い頃から五線譜を使って毎日練習を重ねてきたであろうことからも想像できるんです。五線譜もピアノと同様に『同じ高さのC(ド)を表す方法は1つしかない』訳ですから、ピアノと五線譜はとても相性が良く一心同体といえます。
要するに、ピアニストにとっても五線譜にとっても、決まった高さの音は1つしか存在しない訳で、それ以外の選択肢が無い。『C(ド)だったらC(ド)』と、当たり前のように認識して演奏できるということなんです。
さらにピアニストは、耳が鍛えられている場合が多いですね。絶対音感までいかなくても、幼い頃から練習している演奏者は、たとえ素人でもかなりの音感がある訳です。
という事は、例えば、何かの伴奏に合わせて即興演奏をしようとした時、伴奏を耳で聴いて、それに合う例えば『C(ド)』を出そうと頭で考え腕を使ってピアノで『C(ド)』を押さえる。
この一連の動きを瞬時に行っているのではないかと想像する訳です。
もちろん、スケールの練習をたくさんして、お気に入りのフレーズをたくさんストックしておけば『手癖』が出来て、何も考えずに即興演奏が出来るでしょう。
ただ、やはりピアニストの根本は『音を音名として捉える』ことにあると思うんです。
【ギターリストが五線譜を苦手な理由】
一方、ギターリストはどうでしょうか?
素晴らしい演奏をする歴代のギターリストたち、特に即興演奏が必須のJAZZギターリストたちも、やはり『音を音名として捉えて』演奏しているのでしょうか?例えばピアニストのように、伴奏を聴いて『よしここでC(ド)の音だ!』と思って『C(ド)』の音を演奏するのでしょうか?
何か、ちょっとシックリきません。
ギターという楽器は、同じ高さの同じ音が出る場所が複数存在する楽器です。
【ギターの指板とピアノを比較した面白い表はこちら⇒】ギターの指板の仕組み~ギターリストは五線譜を読めるべきか?~
例えば、五線譜の下第一線で表す『C(ド)』の音は、ギターでは2箇所からその音を出すことができます。その上の『A(ラ)』の音は、ギターでは3箇所からそれと同じ高さの同じ音を出すことができます。
これって、ある意味スゴイことだと思うんです。
同じ高さの同じ音が出る場所が複数あったら、五線譜で音が表記されていても『ギターではどこの場所の音を出せばイイの?』ってことになる訳ですから。
これが、ギターリストが五線譜に弱い理由の1つです。
さらに、楽器を始める年齢に関しても、ピアニストの方が幼い頃から始めている人が多いのではないでしょうか?
それはすなわち、ギターリストは、ピアニストほど音名に対しての耳が鍛えられていない場合が多いのではないかということです。(ギターリストは、相対音感に関してはスゴク耳が良いと思います)。
つまりギターリストは、聞こえてくる音を判断し五線譜のある一箇所の音名と結び付けることが非常に苦手な訳です。
『五線譜に弱く音名に対する耳もピアニストほど良くない』
それがギターリストならば、やはり即興演奏などをする時に『音を音名として捉えている』とは考え難い訳です。
【ギターは転調が簡単?】
それなら、ギターリストたちは『C(ド)』をどんな捉え方で弾いているのかを考えてみます。
ギターのもう一つの特徴として、転調の自由度が上げられます。
例えば、ボーカリストの都合で、「キイをCからE♭に変えてくれ」と言われても、すぐに対応できてしまうのがギターです。
それができるのは、キイが変わってもコードもメロディも同じ運指で弾くことが可能だからなんですね。多少の知識があれば、それほど経験のないギターリストでも転調は難しい作業ではありません。
では、ピアノの場合はどうでしょう。
もちろん、経験豊富なピアニストなら問題なく転調もこなしてしまうでしょう。ただ、キイがCからE♭に変わるということは、メジャースケールあるいはダイアトニックコードしか使っていない曲だとしても、黒鍵を全く使わない状態から、黒鍵を3つ使う状態になるわけです。
私なんかはもうそれだけで訳が分からなくなってしまいます
同時に、五線譜もやはり転調が大変なツールです。
もし五線譜をCからE♭に転調しなければならない場合、全てを書き直さなければならないのですから。
【ギターリストの頭の中を考えてみる】
そう考えますと、ギターリストにとって常に考えている必要があるのは『キイ』だと思うんです。極端に言ってしまえば...
『キイさえ分かっていればどうにでもなる』
のがギターという楽器なんです。
ですから、もし『C(ド)』を弾く時に考えているとしたら『その音がキイ(の主音)からどれくらい離れた音なのか』という事だけだと思うんですね。
もしその伴奏のキイが『C(シーメジャー)』ならC(ド)を弾く時は『1度を弾く』と考え、もしその伴奏のキイが『F(エフメジャー)』ならC(ド)を弾く時には『5度を弾く』と考えるということです。
こう考える方が、ギターという楽器の特性上、とてもシックリくるんですね。
【ギターにとって最適な楽譜を考える】
以前の記事で『席順表』をご紹介しました。
【ギターの『席順表』についてはこちら⇒】ギター指板上の度数配列表~3度7度の役割~
席順表は、1度からの各音の距離、いわゆる『度数』を表した表です。
この席順表さえ頭に入っていれば、五線譜を読み取る必要もなく、音を音名として認識する必要もなく、好きなようにコードやメロディが演奏できるんです。
この表こそがギターという楽器の最大の武器となり得ます。
五線譜が読めないと音楽ではないような・・・音名が分からないと楽器を弾いている感じがしない・・・と、固定概念に囚われている人は結構多いと思います。
しかし、断言できます。
『五線譜はギターの特性には合わない楽譜』
です。もっと言うならば....
『五線譜ではギターの最大の武器を生かせない』
ということなんです。
ギターリストが演奏をする上でもっとも必要なのは音名ではありません。キイの主音からどれだけ離れた音なのかを示す『度数』です。
ということで.....
新たにギターの最大の武器を生かせる譜面を作りました!
その名も『度数譜』です。
【度数譜】
下に、ある曲の『度数譜』を載せました。
数字は度数を表します。その他、音の長さ等の表記方法は五線譜と同じです。参考に、『席順表』も載せますので、興味のある方は何の曲か考えてみてください。
この譜面には、キイが載っていませんね。キイは演奏者が自由に選んでいただいて大丈夫ですが、始めはキイを『C(シーメジャー)』(1をCとして)演奏してみましょう。
その後、イロイロなキイで演奏していただくと、この譜面がいかにギターの特性にマッチしているかが分かると思います。
☆度数譜関連記事
・ギター専用楽譜『度数譜』
・ギター専用楽譜『度数譜』 補足
・ある曲の度数譜 答え
・ギター専用楽譜度数譜による『大きな古時計』
・ギター専用楽譜度数譜による『さんぽ』
・ギター専用楽譜度数譜による『Hey Jude』
・ギター専用楽譜度数譜のコード表記
【初心者・独学ギターリストの強い味方】とにかくギターを弾きたいという方へおすすめの教材です!
Posted by sinya at 21:22
│度数譜