一部では有名なイケダハヤト氏。ノマドワーカー、プロブロガーを自称し、おっさん受けのいいキーワードをちりばめた活動をされているため、注目を浴びている。しかし、発言内容と行動が一致していない、デタラメな内容も多く第三者がそれらの指摘をしても、基本はスル―。Twitter上でも気に入らないコメントをする人は、すぐにブロックする…… といった行為を繰り返しているため反感と失笑を集めている御仁だ(もしくはウォッチ物件になっている)。
イケダハヤト氏の細かい活動について突っ込みを入れていくと、ロフトプラスワンで3時間ほど喋るぐらいの分量になってしまうので、今回は先週末から話題をよんでいるブログのアクセスアップ術「『月20万稼げるブログ」を運営する上で気をつけている5つのこと』」がデタラメだらけなので、指摘したい。
間違いその1「検索からの流入を重視」
イケダハヤト氏のブログは、月間約20万PVを検索経由で稼いでおり、全体のアクセス量の43%を占めている。そのため氏は「検索エンジンで読まれる「価値あるコンテンツ」を投稿していく必要があるのです」と断言しているが、これは「言葉は真実」であるが、イケダハヤト氏のブログの場合では当てはまらない。
エロ漫画雑誌と政治思想誌では、同じ雑誌だがアプローチが違うように、Webも種類によって情報発信の方法が違ってくる。
「検索エンジンで読まれる「価値あるコンテンツ」」を重視しないといけないブログは、情報の質と量が重視されるサイトだ。「クレジットカード比較サイト」「格安チケットの予約」「健康相談」「企業の公式ページ」などなど。この手のサイトは読者が求める欲求(検索ワード)にマッチさせるかがPV流入の鍵となる。個人的には「カタログコンテンツ」と勝手に命名している。カタログコンテンツは基本的に1度限り、もしくは必要な時だけアクセスされるので再アクセス率が低い。
一方、人気のある個人ブログや2ちゃんねるまとめサイトは「再アクセス率」が非常に高い。ブログやサイト自体に固定のファンが付くからだ。これは「ファン型コンテンツ」と命名しているが、このタイプは「読んでくれた人間をファン化させる」が重要になる。
イケダ氏のブログは、個人の名前を前面に出して活動しているので、ファンをつけてPVを増やすのが定石だ。氏のブログが「誰も知らない情報、読むと気絶するほどの有用情報が満載」なら、「カタログコンテンツ」方式の戦略でいけるだろう。しかし残念ながら氏のコンテンツにはそれはなかった。
全体のアクセス量の43%が検索エンジンからというのは、「ファン型コンテンツ」として大失敗している証拠だ。ちなみに私の日記はイケダ氏の約6倍ぐらいのアクセスがあるが、9割が再訪問者だ。
あと余談になるがイケダ氏のブログに私のブログがリンクされたことがあるが、流入アクセス数が「200未満」で、あまりにも少なくて驚いた。ブログの影響力を測定するにはいろいろな数値がある。1つはPV、そしてもう1つは記事・エントリーでリンクしたサイトにどれだけアクセスを送りこめるか… が重要だ。これについてはまた機会がある時に説明したい。
間違いその2「オリジナルでニッチなテーマを扱う」
なるほど、これは正しいように思える。じゃあ「発言小町に投稿される、トピ主の名前の文字数を毎日記録し統計発表」、「切込隊長(現やまもといちろう氏)が、次のエントリー更新の際、文末に「mixi倒産しろ」という単語を入れるかどうか、毎日予測する」というテーマで毎日更新したら、「月20万円稼げるブログ」ができるのか? (私は読みたいが!)
イケダ氏は「検索エンジンからもコンスタントな流入を望めます」と語っているように、検索エンジン経由のアクセスのことしか考えていない。
間違いその1で指摘したように、稼げる「ファン型コンテンツ」を目指すなら読者のニーズに応える記事を発表すべき。イケダ氏は「ファン型コンテンツ」と「カタログコンテンツ」の区別がついておらず、「医大を目指してるのに、美大の受験勉強をしている」ようにしか思えない。
間違いその3「賛否を呼ぶ意見を発信する」
これも文字だけみると正しい。しかし、一歩間違えると単なる炎上マーケティングの勧めでしかない。そしてハヤト氏のエントリーをみると、炎上マーケティング的なエントリーが多い。
「賛否を呼ぶ意見を発信する」には次の2つのパターンがある。1つは「PV稼ぎにやる」もの。2つ目は「世間と俺の考えは違うかもしれないが、俺の意見を聞いてくれ」といったものだ。アクセスのために行うのが炎上マーケティング。そして、後者が本当の「賛否を呼ぶ意見」となる。「賛否を呼ぶ意見を発信する」人は信念があるので、Twitterでちょっと反論されたぐらいで相手をブロックしない。
間違いその4「毎日更新する」
これも間違ってはいない。でも、「ゴミみたいな情報を毎日更新したらアクセスがくるのか?」と質問したら、多くの人は「ノー」と答えるだろう。イケダ氏は「検索流入は基本的に本数と比例する」と、またまたまたまたまた「検索エンジン教の信者」よろしく××の1つ覚えに検索エンジン検索エンジンと言ってるが、「ファン型コンテンツ」に大切なのは、読者のニーズに応えること(同じことを何度も言ってすまん)。
正しくは「みんなが読みたがる情報・意見を毎日更新すること。ゴミエントリーはのせない」ことだ。単に更新するだけなら、プログラムで1日1万更新ぐらい普通にできる。
なぜ「Chikirinの日記」が週1・1エントリー更新であれだけのアクセスを集めているのか、イケダ氏は300時間ほどじっくりと考えて欲しい。
正しい情報その1「商人根性を忘れない」
やっと正しい情報がでてきた! しかし、書かれているテクニックは有用ではない。イケダ氏はPVにこだわっているので、アマゾンのアフィリエイトよりも、Google AdSenseの稼ぎ方について言及した方が筋が通ってるのだが…
あと余談になるが、イケダ氏は「ビッグイシュー」にてオンライン版の編集長になるも、自身のアマゾンアフィリエイトコードをベタベタ貼っていた。トラブルの元になるのではないかと心配していたが、最近ビッグイシューのサイトをみると、アマゾンの広告は一切なくなっていた。商人根性もほどほどにしたい。というか、商人根性という表現は品がないですよ、ハヤトさん。マネタイズって言いましょうよ、ここは。
こんな情報も→イケダハヤト,他社調査グラフを無断転載し,ビッグイシュー サイト PV 水増し疑惑
イケダ氏のテクニックは間違った物ばかり。きちんと対策をすれば、もっと収入がアップするのに大変モッタイない。