電子イオン水について(スーパーの無料電子水)
私の店の近くにスーパーがオープンしました。電子イオン水の容器を無料で配布すると言うので、私は何も事情を知らないまま妻と行列に並んでもらってきました。電子水(マイナスイオン水)とは何でしょうか。電子水の特徴や効果と私の意見を述べています。
ところで電子イオン水?って一体何?。説明書きを見てもよくわかりません。私の思うところを書いてみました。
電子イオン水とは(マイナスイオン水とは)
電子イオン水( マイナスイオン楽天 水)とはどのようなものでしょうか。スーパーのチラシには中性だと書いてあります。水道水を処理したのなら「カルキ」はどうなっているのでしょうか。
「電子水」で検索してみるとどうも交流の3000V程度の強電界中に長時間置いた水のようです。
マイナスの電子(イオン)がたくさん入った水だと書いてあるサイトもあります。交流の電界を掛けただけで電子が水の中にたくさん入るものでしょうか。昔は直流のマイナスの高電圧を掛けたものがあったような気がします。
電子水(電子イオン水)の特徴や効果
電子水はどのような特徴や効果があるのでしょうか。インターネットで検索した結果を総合すると次のようなことが書いてありました。
- 水の原子核の周りの電子は離脱し易いので酸化しやすい。電子水は電子を補充して酸化しにくくしているらしい。
- 電子水は水道水に比べて酸化しにくいので水が腐りにくいらしい。
- 水だけでなく、食材を処理すると美味しくなったり、長持ちするようになるらしい。
- 植物には霧吹きで葉っぱにかけてやると、光合成が活発になるらしい。
- 電子水は水に電子(マイナスイオン)を補ったものらしい。
- 弱アルカリ性だと書いたサイトもあります。
- 湯が速く沸くらしい。
- 電子水で洗濯すると衣類の肌触りがやさしくなるらしい。
スーパーマーケットの逆浸透膜ろ過の電子水とは
スーパーマーケットで逆浸透膜ろ過の電子水を扱っている場合があります。逆浸透膜(RO膜)とは、水は通しても、固形物やイオンや塩類等の水以外の不純物は通過させない性質を持つ膜のことです。その微細孔径は約0.0005[μm、ミクロン]と言われています。(0.0005[μm] = 0.5[nm、ナノメートル] = 0.5X10-9[m])
簡単に言うと生体の皮膚や植物の細胞膜のようなものです。例えば白菜の漬物を作る時、白菜に塩をふりかけると、白菜の中の水分だけが細胞膜を通り抜けて外に出てきます。この力(圧力)を浸透圧といいます。
逆浸透膜浄水器で水道水の放射性ヨウ素を除去できると思います
逆浸透膜ろ過方式の浄水器は海水でも真水にできる性能がありますが、この浄水器で、放射性物質を取り除くことができるかどうかを考えてみました。
逆浸透膜浄水器 のフィルターの微細孔径は約0.0005[μm、ミクロン](約0.5[nm])で、水の分子の大きさは約0.0003[μm、ミクロン](約0.3[nm])です。この為、逆浸透膜浄水器を使うと水の分子よりも大きい物はほぼ全部取り除くことができるのです。
放射性ヨウ素131やセシウム137の微細粒の直径は約0.01~10[μm、ミクロン]の大きさです。一般的には約0.1[μm、ミクロン]のサブミクロン単位の粒子です。煙の粒の大きさもほぼこれと同じです。
ヨウ素は水には溶けにくい性質があります。しかし、セシウムは水溶性であり水によく溶けます。この為、セシウムの除去はできないかも知れませんが、ヨウ素131は逆浸透膜浄水器を使って濾過(ろ過)して取り除くことは可能だと思います。
逆浸透膜浄水器で水中の放射性物質を除去できるかどうか実験した訳ではありません。あくまでも推測の域を出ません。判断は自己責任でお願いします。
私の意見
結局私が製品の選び方で書いた「磁気処理水」や「マイナスイオンを発生させる製品」と同じような「まやかしもの」「いいかげんなもの」であるというのが私の結論です。
ネットにある電子水の情報はどれも科学的根拠が無いというのがその理由です。科学的根拠があるのならその基礎となる理論は中学や高校や大学の教科書にあるはずです。
逆浸透膜ろ過の電子水は放射性ヨウ素をろ過できるなら、水道水が放射性ヨウ素で汚染された時の飲み水として有効と思われます。
「マイナスイオン」という言葉は教科書にはありません。「陰イオン」というのは中学校の教科書にも出てきます。
それにしても騙される人が多いものです。私は信じません。