【ジョージ・リンチ】Seymour Duncan SH-12 レビュー！Screamin’ Demonってどんな音？【ダンカン解析】
👆 Seymour Duncan SH-12 Screamin’ Demon をレビュー！
目次
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Seymour Duncan SH-12 Screamin’ Demon がどんな音か気になる！
今回はSeymour Duncan (セイモア・ダンカン) より、 SH-12 Screamin’ Demon のサウンドデータを解析です。国内では『George lynch Screamin’ Demon』とされている通り、ジョージ・リンチのシグネチュアピックアップとなります。
ダンカン製シグネチャーとしては初となるモデルで、設計は勿論カスタムショップです。本品で最も印象的な要素といえば、2種のポールピースを搭載したルックスだと思います。
通常ハムバッカーのポールピースはマイナスですが、本品はヘクサポールピースも搭載です。
ブリッジ側が標準のポールピース、ネック側にヘクサポールピースが配されています。
SH-12 Screamin’ Demonの肝は脱バイト感！
理念としては59年製PAFのベースにしつつ、俗にいうバイト感を抑えて唸りを強調した設計です。ねっとり鼓膜に絡みつくような音ではなく、解像度の高い瑞々しさを高音域に備えます。ヴィンテージトーンとは明らかにベクトルが異なる『脱バイト感』こそ本モデルの肝です。
個人的な心象としては、SH-1のデジタルリマスター版みたいな雰囲気を感じます。アタックはどのような歪みでもクッキリと明瞭で、中音域はSH-1より若干強めのチューニングです。当然ながらデジタルは比喩なのですが、聴覚が若返ったような鮮烈さを抱く事でしょう。
SH-12 Screamin’ Demonはブリッジ専用だがネックもイケる！
元々がSH-1bのコンバート用途だったため、基本的にSH-12はブリッジ用のモデルです。ダンカンが推すセッティングはブリッジに本品、ネックはSH-1nかSH-2となっています。
ただし本品の出力はそこまで高くなく、アウトプットの分類は公式でミドル扱いです。故に高出力ハムバッカーをブリッジにマウントする場合は、本品をネックにセットしても問題ありません。
SH-1nやSH-2とは力感も空気感も異なる、均整の取れた鋭いリードトーンを生み出せます。今回は無難にブリッジへマウントし、歪み度合による音質の変化をみていきましょう。
» 【ジョージ・リンチ】Seymour Duncan SLSD-1はどんな音？【ダンカンギターピックアップ解析】
SH-12のシングルサイズハム版についてはコチラへ移動！
公表データの確認：Seymour Duncan SH-12 George lynch Screamin’ Demon
ブランド：Seymour Duncan ( セイモアダンカン )
モデル：George lynch Screamin’ Demon
型番：SH-12 / (TB-12)
マグネット：アルニコ5
直流抵抗値：10.1kΩ / (10.9kΩ)
アウトプットタイプ：Medium
出 力：6.4
トーン：低音域 5 / 中音域 4 / 高音域 9
レゾナントピーク：7.00kHz
ワイヤー：4芯シールド (4 Conductor Shielded)
※TB-12(Trembucker)の値が異なる箇所はカッコ内に記載、またマイナーチェンジ前の直流抵抗値は10.0kΩにつき生産時期に注意
クランチのSH-12はこんな音！
アンプのGAINを少し上げて、標準ストロークで軽く歪むようにセッティングです。体感的にはSH-1bの芯を太くして、アタックの輪郭をバキバキにした音色に感じます。
クランチの段階ではSH-1bよりも中～高音域が広範囲で大人しく、300Hz付近の主張が強いですね。波形だけみると低音域5は納得ですが、中音域は2、高音域は6か7程度に思えるかもしれません。
しかし400～2kHz付近にかけてはSH-1bよりも最高値が低い分、最低値が底上げされている特殊なチューニングとなっています。SH-1bでは谷間状の波形となっていたウィークポイントをグッと持ち上げる事で、音に立体感が加味されました。
この調整により空気中に音が混ざっていくようなSH-1bの飽和感に対し、本品は『流体』として宙を漂っている雰囲気です。ピックが弦に接触する瞬間に僅かに水滴を弾くような質感があるので、これが公式の謳う『シズル感』の要因かもしれません。
» 【音質解析】Seymour Duncan SH-1b ’59 model bridgeってどんな音？【ダンカンギターピックアップ】
👆 SH-1bの音質解析データもあわせてチェック！
オーバードライブのSH-12はこんな音！
歪みを深くすると本領発揮で、中～高音域にかけてSH-1b以上の特性に変化します。音の中心は250Hz付近とやや低音寄りにシフトし、6kHz以降の高音域が煌びやかです。中音域の底上げ傾向はより顕著となり、谷間が広がるSH-1bとは対照的となります。公式では唸りと表現されていますが、音の直進性とした方が分かりやすいでしょうか。
1音1音輪郭がクッキリ明瞭で瑞々しく、ダイレクトに音の芯が飛び込んでくる印象です。訳の分からない表現をすると、鼓膜にギターサウンドを注射器で注ぎ込まれているような気分となります。高音域の伸びは良くとも決してジャリジャリではなく、アタックを際立たせる隠し味として効いているのが絶妙です。
波形の周波数目安（左から順に）
赤線：100Hz,200Hz 橙線：400Hz,800Hz 桃線：2kHz,3kHz,6kHz
Seymour Duncan SH-12 Screamin’ Demon 音質解析 レビュー まとめ
脱バイト感を目指したモデルとして、唸るような響きとシズル感を兼ね備えています。歪みの設定によらず明瞭なアタックを保ち、輪郭のある音色で存在感を主張可能です。
SH-1がPAFのモダンアレンジとすれば、SH-12はネオモダンといった位置付けになると思います。SH-12はヴィンテージのほのかな香りを残しつつ、ミドル出力でありながらハイゲイン系に近いアタックを実現しています。
ヴィンテージではガッツが足りず、ハイゲインではパワーも唸りも強すぎる、かといってその中間を求める訳でもない……。そういった具合に、落とし所が見つからないプレーヤーの良い選択肢になるハズです！
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