おはようございます。
医師が転職や開業を失敗しないために
キャリアプランの重要性を唱え続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
いつの時代もそうなのかもしれませんけど、
ここ1年半のコロナ渦では
私たちの人生やキャリアの選択が
非常に難しくなっているように感じます。
ただでさえ時代の変化が激しくなり、
先行きが不透明になりつつあったわけですよね。
しかも人生100年時代なんて言われるようになり
キャリアの二毛作、三毛作が必要だと叫ばれ、
これからのサバイバル戦略をどう設定すべきか…。
かなり悩ましいなかで
コロナ渦となったわけです。
どういう選択をすれば
果たして今後5年、10年先の自分のためになるのか。
かなり悩ましいですよね…。
本日のブログのタイトルは、
【 キャリアの選択は年収だけでいいのか? 】
といたしました。
<目次>
1.そりゃ年収は高いに越したことはないですけど…
・自分ならではの価値観は確立できてますか?
・「今」とか「次」の年収よりも「生涯年収」を!
2.キャリアは中長期的な視点が必須です!
・中高年になって選択肢が狭まり給与が減っていく?
・スキルと経験が活きていく時代、何を身に付けるか?
*まとめ
目次
1.そりゃ年収は高いに越したことはないですけど…
今回のテーマは
「キャリアの選択は年収だけでいいのか?」としました。
いきなり結論から入りますが、
実は「キャリアの選択は年収だけ」でいいんです。
ただし条件付きです。
しかもかなり大事な条件です。
そしていつまで経っても年収だけでいい訳ではありません。
いや年収も大事ですけどね。
多くの場合は30代後半くらいからは
年収よりも大事な価値観が見えてこないと困ります。
誰が困るって自分自身がです。
そりゃ年収は高いに越したほうがいいんです。
私も高いほうが嬉しいです。
でも年収が最優先ではありません。
・自分ならではの価値観は確立できてますか?
選択のベースには、
いくつか大事なモノがあると考えています。
ひとつは情報収集力です。
やはり知らない、わからないままで
決断をするのはリスクが大きいです。
できるだけ多くの情報、
具体的な事例やノウハウを手に入れるべきと思います。
情報収集も含めて
もっと重要と私が思うのは
「価値観」であり、
「判断基準」です。
情報収集をしていて、
どんな情報を受け入れて
どんな情報は捨てるのか?
この取捨選択の元になるのが
自分の「価値観」であり「判断基準」ですからね。
情報収集をした後も
本当に転職するのか?
転職して実現したいものは何なのか?
転職先でどのように成長したいのか?など
これらの決断を誤らないためには
自分ならではの「価値観」と「判断基準」が
必須であると言っても過言ではありません。
私がいつも述べる
「キャリアの4ステップ」が重要ですね。
まずは経験値を高めて
自らの視野を広げるキャリアドリフト。
次に今までの経験から見い出した
自分ならではのキャリアアンカー。
その上で実現したいものを具体化させて
それを方針として掲げるキャリアプラン。
ビジョンが見えてくれば
どのように?どうやって?というキャリアパス。
価値観と判断基準とは
つまりキャリアの4ステップのなかの2つめ
「キャリアアンカー」に該当します。
ここが明確にならないと
その先のキャリアプランやキャリアパスが
グラグラと揺れ動くことになってしまうのですね。
そうなると確固たる価値観や判断基準がないままに
転職活動を進めてしまうことになります。
すると人はどうしても
わかりやすい判断基準にすがってしまうものなんです。
それが「年収」です。
いや別にそれが悪いってわけではないんです。
価値観や判断基準として
収入アップを目指す時期だってありますし、
働く人間としてきちんと報いてもらえるってのも
立派なやりがいですからね。
ただ特に実現したいものが見えず、
今の職場はすでに見切ってしまっていて
とにかく転職しなきゃ!みたいな感じで
転職活動をスタートすると
結局、年収しか判断材料がなくなってしまい
最も高年収のところに決めたら
後々後悔することになってしまった…。
こういう事例って物凄く多いんです。
転職支援をしていてこのパターンは非常に多いだけに
事前に皆さんには考えておいて欲しいのですね。
・「今」とか「次」の年収よりも「生涯年収」を!
例えば〇〇の経験を身に付けたいとか、
この領域に携わりたいとか、
適度なワークライフバランスを手に入れたいとか、
ハラスメントのない職場に行きたいとか、
当直やオンコールから離れたいとか、
具体的な転職理由があったとしても、
それでも「年収」は大事なポイントですよね。
大幅に年収がダウンするのに
その職場を選ぶというケースは
万に一つ、極々レアケースであります。
私は年収アップを目的とする転職を
否定するつもりはありません。
特に若いうちは「年収=自分への評価」ですから
年収を基準にするのは決して悪いことではありません。
ただいつまで経っても
年収優先ではいけません…という事です。
例えばベテランドクターで
あんまりお金を気にしている人って
多くないと思うんです。
それはすでに充分に稼いできて
それなりの余裕もあるからでしょうし、
もっと重要なのは
自分なりの価値観を確立しているからなんです。
自分らしい判断基準を持っているからなんです。
私自身が今までお会いしてきた
ベテラン医師を振り返ってみても
年収よりも実現したい「何か」を明確にお持ちでした。
その「何か」のために転職するのですね。
年収に関しては、
大幅に減らなければ別にいいですよ…という
現状維持や若干の減収でも問題なく、
「何か」の実現が最優先で
でも意外とこういうスタンスのほうが
年収がアップするケースが多いものなんです。
当ブログでは再三に渡ってお知らせしてきましたが、
「今」や「次」の年収よりも「生涯年収」のほうが
よっぽど重要です。
「今」や「次」の年収にフォーカスし過ぎて
将来の選択肢をグッと狭めてしまって
何年か後に猛烈な後悔をする事例なんて
かなり多いものなんですよ。
年収アップを最優先にした転職は
決して悪いものではないんです。
ただ…そうですね…
30代も半ばになったら
年収以外に最優先とする価値観が必要ではないでしょうか?
自分らしい判断基準があって然るべきではないでしょうか?
もしないなら…
それはキャリアドリフトができていないと言えるかもしれません。
もっと多様な経験を積んで、
様々な人脈との接点を作って
いろんな施設で働いたり、
嫌なものにチャレンジした方がいいかもしれません。
キャリアアンカーが年収だけでは
それはちょっと寂しいです。
自分ならではの譲れないもの。
視野を広げて考えてみたほうがいいですね。
<参考>
ウィズコロナ時代の医師の<年収>戦略を考えてみる!
2.キャリアは中長期的な視点が必須です!
キャリアの選択は年収だけでいいのか?
若いうちはいいんじゃないでしょうか。
でも中堅からベテランになって
カネ、カネ言ってる人はどうでしょうね…。
むしろカネ、カネと言わずとも
普通に仕事をしていれば
それなりに稼げてしまう自分になったほうが
よほどいいんじゃないでしょうか?
そのためにはキャリアの4ステップを確実に踏むことです。
自分らしいキャリアアンカーを持って下さい。
実現したい「何か」を明確にしましょう。
ライフプランをベースにしたキャリアプランを設定しましょう。
キャリアアップのために
プライベートを犠牲にしたり、
家族を犠牲にするのはいかがなものでしょうか?
もちろんそれで成り立つ関係性もあるのですが、
多数派としてはワークライフバランスを
自分らしく適正に取ったほうがよくないですか。
・中高年になって選択肢が狭まり給与が減っていく?
年を経るごとに選択肢が狭まる。
まあ中高年になるってのは
こういうことだとも言えますけどね…
でもいかにして選択肢を持ち続けるか?
これこそがキャリア設計と言えると思います。
選択肢が狭まると
妥協が必要になるんです。
時には一択というところまで
追い込まれてしまうこともありますね。
もう条件云々なんて言ってられません。
一択なら飲むしかなくなりますよね。
年を取って給与が段々と減っていく。
今までのキャリアは何だったのでしょうか?
寂しいことですね。
若いうちは何度だって失敗できますし、
大抵の失敗が取り戻せます。
だからこそ失敗は成功の母なのですけど、
唯一取り返しの付かない致命的な失敗は
将来の選択肢を狭めるということです。
こればかりは気づいた時には遅いんですね…。
過去には戻れないんですね。
変えられるのは未来と自分。
変えられないのは過去と他人。
キャリアプランには中長期的な視点が不可欠です。
そもそもキャリア自体が何十年も掛かるのですから
短期的では意味がありませんね。
キャリア上で絶対に避けるべきなのは
将来の選択肢を狭める決断をすることです。
年収ばかり追い掛けていると
いつの間にか蟻地獄にハマってしまいますよ。
きちんと年収以外の価値観も確立しましょう。
年収以外の判断基準も持っておきましょう。
・スキルと経験が活きていく時代、何を身に付けるか?
私がこの仕事を長年続けてきたなかで、
この人のキャリアは盤石だなと思うのは
きちんとした「スキル」と「経験」を身に付けている人です。
どこに出ても恥ずかしくない。
これは強いですよ。
キャリア上のサバイバル戦略は
どんなスキルを身に付けているか?
どんな経験値を持っているか?
ここに集約されると思います。
問うべきは「どんな」だけです。
過去は通用したけど
これからは通用しない…。
こんなスキルや経験では困りますもんね。
今の時代に算盤ができても
それほど有利ではありませんよね。
でも圧倒的に有利だった時代はありますよね。
すでに電卓が早く打てても
あまり価値はありませんね。
でもひと昔前は完全にスキルでした。
スキルって時代によって移り変わります。
ただ医療においては、
それこそAIに置き換えられないスキルって多くて
例えば外来や病棟での医師と患者の会話から病変を察するとか、
その人の個性に合わせた治療計画を作るとか、
人でないとできないことが多いように感じています。
検査から診断は一部AIに置き換わる可能性はありますが、
患者を診るという点においてのスキルや経験は
相当に貴重ですし、将来的にも有効だと考えます。
え!そんなの当たり前じゃん…と思われる方も多いでしょうが、
意外とスキルや経験って自分ではわからないものです。
その道のプロから見たら
ごく普通のことでも
時代が求めるスキルや経験って
この普通のなかにこそあるものです。
どんなに高度な読影ができても
外来で患者とのちょっとした会話から
小さな異変に気付くなど
こういったスキルはAIより人の方が優れていますよね。
いわゆる「基本」の部分と言えますでしょうか。
このスキルと経験は大事にしたほうがいいです。
たまにベテランドクターから
自分のような老いぼれでは
若い先生のように良い求人はないかもしれないけど
何とか探してくれるかい…と依頼されることがありますが、
結局、患者とのやり取りが抜群に上手な先生ですと
あっという間に決まってしまうものなんですよね。
そりゃ最新医学とか、高度医療とは異なる領域ですけど
スキルや経験ってそれだけではありません。
突き詰めて考えると
なぜ転職をするか?って
スキルや経験を身に付けるため!というのが
絶対的な正解なのかもしれません。
それが将来の選択肢を増やすことにもなり、
生涯年収を高めていくことにも繋がるでしょう。
後先が逆なんですよね。
カネ、カネなんて言ってると
お金の神様は逃げていきます。
バブルの頃にも大勢いました。
そして一時はカネを手にしましたが、
すべて失い、消えていった人の多いこと…。
私はスキルと経験のあるところに
お金も集まってくるように感じています。
医師の転職支援をしていて
大幅な年収アップを獲得するのは2種類の先生です。
ひとつはスキルと経験のある方、
もうひとつは自費診療に転換する方。
前者は手堅いですが、
後者は向き不向きもありますし、
失意とともに保険診療に戻る方もいます。
自費診療の世界だって甘くありませんし、
結局は特有なスキルと経験が必要になりますね。
考えるべきはスキルと経験。
お金は大事。
大事ですけど最優先でいいのは若い時だけ。
お金以外の価値観が見い出せない人生ですと
後々後悔することが多いように感じます。
私の経験上…。
<参考>
医師の年収を多角的に考えてみる!?
*まとめ
いざ転職活動を初めてみると
よくわからないことって多いと思います。
本当にこの病院でいいのか?
オファーされた条件は適切なのか?
就業条件明示書を出されたけどこれでいいのか?
本来は転職エージェントが
こういう時に頼りになるもののはずですが、
残念ながら知識や経験不足の担当者が多いのも事実です。
WEB上にある医師の転職に関する情報も
正直首をかしげるような内容も少なくなく、
本当の意味で参考になるような情報って多くありません。
だからこそご自身の方針やビジョンを明確にして
当ブログを参考にしていただきながら、
また弊社の運営するyoutubeチャンネルもご覧になり
人生の転機である転職を失敗しないように
目的をブレずに転職活動をしていただきたいと思います。
それでは、また…。
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