おはようございます。
医師のキャリアプランの専門家、
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私の個人的見解ですが、
医師が年収を気にするのは
やはり子育て世代が最も多いように感じています。
特にお子さまが医学部を目指すとなると
バイトを増やしたり、
高年収の医療機関を探したりするケースは多いです。
また一般的な傾向としては、
若手医師の方が年収を気にする傾向があり、
中堅からベテランになると
それなりの待遇を得られているからか
段々と気にしなくなっているように思います。
年収は働いた対価ですから、
やはり高いに越したことはありませんよね…。
でもお金だけで医師をしている訳ではなく、
でも相場以下は避けたい…。
そんな感じでしょうか?
本日のブログのタイトルは、
【 医師の年収を多角的に考えてみる!? 】
といたしました。
<目次>
1.医師の平均年収
・自分は平均より上か下かは大きい?
・平均年収を超えてくる年代
2.医療機関種別や科目別から考える医師の年収
・大学病院、自治体病院、民間病院
・高年収はリスクと裏腹?
*まとめ
1.医師の平均年収
当ブログでは医師の年収についての記事は
なぜかよく読まれる傾向にあります。
それだけ先生方も
年収について気にされているという事でしょうか?
その一方で、年収ってそんなに大事か?
医者って年収は
あんまり気にしないんじゃないか?という
ご意見を頂いたりするのも事実です。
医師とひと括りにしてしまうのは
やはり無理があります。
30万人もいらっしゃる訳ですから
そりゃ多様な考え方がありますよね。
ただハードな勤務である職業な訳ですし、
継続的な勉強も必要ですし、
医学部受験の準備段階から
相当な投資をしている事もありますし、
頑張りに対する報いはあって当然とも思います。
・自分は平均より上か下かは大きい?
厚生労働省が2017年に発表した
「賃金構造基本統計調査」では、
勤務医の平均年収は約1230万円とあります。
以前に日経メディカルオンラインで調査した際には、
1477万円と言われていました。
勤務医だけか?
開業医も含めるか?
開業医だけならどうか?
年代別はどうか?
男女で比較するとどうか?など
いくつかエクスキューズはありますね。
ただ私の感覚値ですと、
ざっくりと言ってしまえば
「1500万円」に
ひとつの壁があるように思います。
雇用形態、働き方、勤務日数や勤務時間、
診療科目、当直の有無や回数、
オンコールや緊急出動の頻度、
バイトはどの程度しているか?していないか?など
比較時に考えるべき点は多いのですが、
ホントざっくりですが
「1500万円」を超えているか?
それ以下であるかによって
満足度は異なってくるように感じています。
ただいつも言う事ではありますが、
私は「今の年収」だけでなく、
また「次の年収」だけでなく、
最も重視すべきは「生涯年収」であると考えており、
いかにして「生涯年収」を高めていくか?
これこそが最重要であり、
最大のポイントであると考えています。
ちなみに24歳~59歳の
賃金構造基本統計調査によりますと、
勤務医の生涯年収約4億3000万円とされています。
開業医も含めると
4億6000万~4億8000万円とも言われているようです。
1230万とか、1477万とか、
今の年収を気にし過ぎて
急な年収アップを望むと
むしろ中長期的なキャリアプランを
ぶっ壊してしまい
挙句の果てには
生涯年収を下げる事に繋がったりもします。
これでは意味がありませんよね?
自分が平均年収以上か、以下か、は
どうしても人として気になるものですけど
視点をロングにして
自分の生涯年収を平均以上とするように
中長期的なキャリアプランを組み立てる方が
確実に自分のためになると思います。
・平均年収を超えてくる年代
医師は国試合格、
初期研修医時代に始まり、
レジデントと呼ばれる後期研修医時代を経て、
専攻医となる若手医師に成長していきます。
医師に限った話しではなく、
どんな職業でも同じですけれども
ひと昔前ほどの年功序列はなくなっていますが、
それでも年収においては
「 若手 < 中堅 < ベテラン」という構図は
現在でも色濃く残っているんですよね。
ではその中で
前述した1230万とか、1477万をいう
平均年収を超えてくるのは
どの年代でしょうか?
あえてメチャクチャざっくり言うと
「30代半ば」くらいかな?と思いますが、
実はこれ当てはまらないケースが
医師の場合はあまりにも多いのですね。
診療科目、地域、病院種別など
かなり異なってきますので
あくまでもざっくりとして基準です。
ただこの「30代半ば」というのは、
キャリアプラン上では
実に重要なターニングポイントだと私は考えます。
この年代でキャリアプランが描けていないと
40代、50代、60代と苦労するかもしれません。
焦って考える必要はありませんが、
30代半ばくらいから40代に掛けて
医師もキャリアプランを考えるのが
適切であろうと考えております。
<参考>
若い時分はキャリアを積み重ね30代後半から花開かせる!?
2.医療機関種別や科目別から考える医師の年収
あまりオープンにして言えない事もあるのですが、
大まかに医師の年収の基準となる点を
ここでは考えてみます。
・大学病院、自治体病院、民間病院
まず医療機関種別ですが、
一般的には民間病院の方が
大学病院や自治体病院よりも
年収は高いと言えそうです。
私の経験上でも、
大学病院や自治体病院から
民間病院に転職をして
年収が下がったケースは1度もありません。
どんなに悪くても
キープどころか
多少なりとも年収アップするのが実態です。
理由は様々あると思いますが、
やはり3次救急、高度医療を提供する事を
使命とする大学、自治体の病院は
費用対効果よりも救命や延命をすることが多いために、
その分、コストが上がりがちですので、
人件費を抑えねばならないという点は
いかんともしがたいのですね。
また大学の場合は、
研究や育成という使命もありますし、
ここで費用が嵩むというのもありますね。
その点、民間病院では
臨床1本であり、
なおかつ不採算部門を担わないという選択をする事もでき、
やはり大学、自治体の病院と比較すれば
人件費を上げやすい体制になっていると言えます。
では診療科目別に見るとどうか?ですが、
これは診療報酬と連動する事が多いですね。
よって診療報酬の枠外にある
自由診療を行う施設では
高年収であるケースが多いです。
逆に皮膚科や整形外科など
診療報酬が抑えられている科目では
年収は抑えられがちですが、
その一方で医師数が少ない科目は
それなりに高い年収である事も多いですね。
その他、地域の問題もあります。
やはり人口に照らし合わせて
医師数が少ない地域では
年収は上がりがちです。
しかしその分、ハードな勤務になる事も
大いにあり得ますね。
個別具体的には伝えずらいものですが、
ここでは大きな枠組みとして、
・医師数が少ない(地域、科目)
・診療報酬が高い
・費用が少ない
これらに当て嵌まる医療機関は
割と年収は高いという点だけ述べておきます。
いずれ詳細に渡る地域別、科目別の記事は
書くつもりです。
<参考>
医師・歯科医師・薬剤師調査の概況
・高年収はリスクと裏腹?
ここでそもそも論に戻りますが、
いくらの年収であれば満足できますでしょうか?
実はこれ、人によって
かなり違いがあるんですね。
年収3000万でもまだまだ稼ぎたい方もいれば、
年収1500万円でも充分という方もいます。
これはライフプランをベースにしたキャリアプランであり、
人生設計や将来設計がしっかりしていれば、
遮二無二稼ぐ必要はないのですね。
まして一般的な給与水準から
大きく外れる高年収は
その裏にリスクが隠れている事もしばしばです。
また1度上がった生活水準は
そう簡単に下げられませんから、
後戻りしにくいケースも何度も見てきました。
100万円アップ、200万円アップくらいなら
実現可能性はかなり高いですけど、
これが500万円アップとか、1000万円アップとなると
5年後、10年後を見据えて決断しないと
思わぬ事態に陥る事もあるのですね。
いつも言うことですが
年収は、「今」とか「次」という目先だけでなく、
生涯年収という観点で考えるのが最善です。
<参考>
年収に対しての考え方に悩む医師
*まとめ
年収については、
個々がそれぞれで冷静に考えた方が良いです。
だってお金なんてあればあるほどいいですし、
仕事の対価として高評価を受けたいとか、
今までの頑張りに報いて欲しいという気持ちは
誰にだってありますもんね。
ですがお金に魂を売ってしまうと
仕事だけじゃなく、
人生を棒に振ることだってあり得ます。
億り人として
悠々自適だった方が、
急転直下で資産を失うケースだってあります。
どの程度の年収が良いのか?
きっとバックボーンによっても異なりますから、
他者と比較するのではなく、
自分で相応しい水準を決めていくべきですね。
そうでないとお金に翻弄されてしまいます。
アーリーリタイヤなんて簡単ではありませんし、
できたから幸福とも言えない事だってあるでしょう。
ライフプランってお金だけじゃありませんよね。
お金も大事ですけど、
お金で不幸は避けられますが、
お金で幸福は買えませんしね。
プライスレスな充実した人生。
その上でお金がそれなりにあるといいのでしょうね。
それでは、また…。
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