愛知県森林公園で、皿屋敷に由来する「お菊虫」を見た!
2019年06月25日 23時58分
名古屋の自然
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本日、愛知県森林公園に向かっていると、維摩池の手前の急な上り坂で突然ノコギリクワガタが私の自転車の行く手を阻みました。今思えば、私はこのときに気付くべきだったのです。
森林公園で、お菊が私を待っているであろうことに……。
いつものように南門から入ると、そこには一番若い女性のスタッフがいました。
挨拶をして植物園に入り少し歩いたところで、後ろからその女性スタッフの逼迫した声が聞こえました。
あわてて走ってきたその女性は、私にある事実を伝えてくれたのです。
「ササユリが、カワラナデシコに変わりました……」
それは万葉の花に関する話でした。
その直後に撮影した一つめの万葉の花が、このミヤコイバラです。
先へと進みながら空を見上げると、シマサルスベリの花がたくさん咲いていることに気づきました。
そしてこのあと、私はこの世のものとは思えぬような美しい花や景色を見ることになったのです。
睡蓮池では、カワラナデシコが鮮やかな色で咲いていました。なんと美しい!
そのすぐ近くではノカンゾウが……。
蟻の塔草も咲いていました。
「蟻の塔」は日本人にとって特別な意味を持つ言葉です。
あの「いきものがかり」も「ありのとう」という歌を紅白で歌っていたのは皆さんもご存知のことと思います。
蟻の塔草は、肉眼では見えないほどの小さな花です。
でも「ありのとう」の価値は、大きさとは無縁のものです。
そのあとで岩本池を見た私は愕然としました。
岩本池の水がこんな色になっていたのです。これは何かの前兆に違いありません。
気がつくと私は、吸い寄せられるように丹沢様の生えている方へと向かって歩いておりました。
あっ、ジャカウアゲハの幼虫!
そのすぐ後ろにはジャカウアゲハの蛹が……。
「お菊虫で御座います」その蛹は音にはならない声で私に直接話しかけてきました。
よく見てみると、日本髪の女性だとすぐに気づきました。
「正確には、そのように人間に呼ばれている蛹でございます」
「私はジャカウアゲハの蛹で御座いますが、この姿が『後ろ手に縛られたお菊』に見えるとのことで、古来からお菊虫と呼ばれているので御座います」
そう言うとお菊虫はくるりと横を向きました。
「どうです? 後ろ手に縛られているのがわかるでしゃう? そしてお菊の髪の毛のような糸で枝に縛り付けられてもいるのです」
「あれは寛政七年のことで御座いました。姫路城下で私どもの仲間が大発生したとき、庶民どもは『お菊の幽霊が虫の姿を借りてこの世に帰ってきているのだ!』と噂し、それ以来私どもはお菊虫と呼ばれるようになったのです」
「ところで『ネムノキ』の和名は『ネムノキ』であって、『ネム』ではないと殿方はご存知でしょうか?」と急にお菊虫は話を変えました。
「タラノキはタラではないですし、トチノキはトチではありません。鱈は魚ですし、土地は不動産です。そのあたりを、私はちゃんとして欲しいのです。ブロガーとかネイチャーガイドとかユーチューバーの人に……」
写真を撮り終えた私は、お菊の問いかけには答えずに展示館方面へと向かいました。
オカトラノオ。
ヤブコウジ。
ヤブコウジの花のアップ。
岩石園の北門に近い階段の途中で咲いてました。
ハンゲショウ。
ハンゲショウの毛深い花柄。
本日はアジサイのしおりをいただきました。
矢田川のサイクリングロードでは、ネムノキの花がたくさん咲いていました。
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