ムックリは“弾く”のか“吹く”のか?
一方、故安東ウメ子さんのムックリの演奏方法は、個性的でオリジナリティの高いものだと言える。私の聴いてわかる範囲では、声帯の閉鎖を多用しているようだ。つまり、気管を閉じて息を止めることの多い奏法であるため、常に空気が弁の部分を通過している音とは違ったものになる。そのためかどうかは知らないが、ウメ子さんのムックリの生音は、すごく小さな音だったと聞いている(その小さい音がまた良かったらしい……)。
結局、人に聴かせることを主として演奏している人は、大きく倍音を強調した音を出すために“吹く”スタイルになる傾向が強いのではないかと思う。それに対し、夜寝る時にお母さんが聴かせてくれたムックリの音を受け継いだと言われるウメ子さんは“吹く”スタイルではなかったため、“弾く”と表現していたのではないだろうか。いずれにしても、どちらも素晴らしいムックリの音であることに違いはない。
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