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大航海時代online Boreasサーバー  マルコの航海日誌


by Nijyuurou
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『流されて大西洋』

1月12日、サンジョルジュ。

 1494年6月7日のことである。

 イスパニアとポルトガルの間にある条約が交わされた。

 その条約によってカーヴォヴェルデの西370リーグから側の新領土がポルトガルに、西側がイスパニアに属することが決定された。

 トルデシャリス条約、と言う。
 
 …要するに、世界を二つに切って、イスパニアとポルトガルで分けようと言う勝手極まりない条約だ。
 その上、元々この条約はイスパニア出身の当時の教皇が、母国に便宜を図ろうとして世界の西半分はイスパニアのもの、などという布令を出したことに端を発するのだから、お粗末な話である。
 新世界と言うエデンの園から締め出しを食ったフランスやイングランドは、まさにエデンの東に追われたアダムという訳である。

 以前、イングランドが新領地、植民地に強い関心を持っていると書いたが、おそらく、こういう条約への反発もあるのだろう。

 いずれにせよ、イングランドがそういう方針でいる、と言うことは、私の仕事が無くなる心配もないと言うことで、大変結構なことである。

 先日も一件そういう依頼があった。

 場所は、カリブから遙か離れて、南太西洋。
 陸地からひどく離れた島で、発見するのにひどく苦労をさせられた。
『流されて大西洋』_c0124516_005889.jpg

 どうも植民地を作るつもりだったようだが……島は火山質の地層で、あまりすむには良いところではない。
 第一、行き着くのに手間がありすぎる。
 …と、依頼主のイングランドの役人に伝えたら、ひどくガッカリとした顔をしていた。
 
 あまりに落ち込む顔をするものだから、ドゥルシネアが慰めるつもりか、流刑地にでもしたらいいじゃないの、等と言いだし、さらに依頼人を落ち込ませる。

 成る程、流刑地にはちょうど良い土地だが、あんな土地に流されたのではたまらない。
 大体、流刑地を維持する費用がかかりすぎで、割に合わないだろう。 
 もし、流刑地にするのなら、ヨーロッパに二度と戻って欲しくないような、とんでもない奴を送り込むくらいしか使い道がないだろうが……。

 そんな大物がいれば、の話である。
 
<ルール5『依頼人を落ち込ませない』>
by Nijyuurou | 2008-01-17 00:01