2021.12.03

「老後資金2000万円問題」が、じつは「まったく新たな展開」を迎えていた…!

ご存知でしたか?

「老後資金2000万円問題」の今

『老後の資金がありません!』という映画が話題になっています。

それは、老後のお金に不安を持っている人がたくさんいるからでしょう。

老後のお金については3年前、金融庁の審議会が「老後資金が2000万円不足する」という報告書を出し、大騒ぎになりました。

この報告書は、総務省統計局の調査をもとにしたもので、高齢者世帯は収入に比べて支出が月に約5万円多く、これが30年続くと、生活費だけで約2000万円のお金が不足するから、貯蓄を切り崩していかなくてはならないというものでした。

この話を聞いて老後資金を作るために慌てて投資を始めた人も多いのではないでしょうか。中には詐欺まがいの怪しい「儲け話」に騙されてしまった人もいるかもしれません。

第21回 市場ワーキンググループ 厚生労働省提出資料より

 

ところが、新型コロナ禍で、状況が一変しました。

「老後2000万円不足問題」で衝撃を受けた高齢者が、新型コロナを期に、お金を使わずに貯め込むようになったのです。

外出が減り、娯楽費や交際費が大幅に減っただけでなく、19万1880円だった社会保障給付費が21万9976円へと約2万円増えています。2020年は、1人10万円の現金給付があったので、この一部が貯蓄に回ったのではないかとも推測されます。

結果、2020年の総務省の調査では、月約5万円だった赤字が消えただけでなく、一転して1111円の黒字となったのです。

つまり、あれだけ大騒ぎした「2000万円問題」というのは、一時的な統計結果を元にした計算上の「問題」だったというわけなのです。

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