財務省が、安倍政権の「参院選での敗北」を望んでいる可能性
悲願の「消費税10%」のためなら…手段を選ばない
株価2万5000円超えも期待された2018年だったが、年末に世界同時株安の影響をモロに受け、2万円割れにまで落ち込んでしまった。
今年は消費増税という一大イベントが控え、衆参ダブル選の噂も流れている。そんななか、財務省はどのような動きを見せるのか。
増税のために手段を選ばないのが財務省だが、ハッキリ言って彼らにとって安倍政権は好ましくない存在だ。
民主党政権のとき、5%から8%、8%から10%へと二段階で増税することを法律に定めた。8%への増税はスムーズに達成したが、その後、安倍政権は再増税を延期してきた。
安倍政権と財務省の軋轢は、10年以上前の第1次政権時から生じている。
安倍首相は内閣の要である官房副長官に旧大蔵省出身者を登用したが、公務員制度改革で反感を買い、財務省が「倒閣運動」を仕掛け、政権崩壊を招いた。それ以来、安倍政権は財務省に用心して経産省出身者を重用し、政権維持を図っている。
財務省にとって一番望ましいのは、10月の消費増税を確定させたうえで、安倍政権が退陣することだ。そのため夏の参院選で安倍政権に負けてほしいと考えている。
安倍政権の後に控えているのは岸田文雄氏や石破茂氏らだが、彼らは財務省の意向に従うと見られ、10月の増税を翻意することもないだろう。
3月までは'19年度予算を通すために、安倍政権も財務省も国会では慎重運転だろう。ただし、4月以降は何があるかわからない。
4月に統一地方選があるが、そこで安倍政権が劣勢だと、財務省も動き出すかもしれない。財務省は各省に出向者を送っているため、強い情報網を持っている。マスコミにリークして、他省での問題案件を焚きつけることも容易だ。