フランス人の「朝・昼・夕食」が日本とここまで違う理由
妻が食事作りに忙殺されることはないフランス人の食事は意外と質素
我が国の食事は一汁三菜が基本とされ、ご飯、汁物のほか3種類も作ることがよいとされる傾向にある。共働き世帯が専業主婦世帯を上回っている現在、家事の負担は妻の肩にのしかかることがほとんどだ。
一方、フランスでの食事は、大きなお皿にトリュフやこってりしたソースがかかった料理が美しく盛られているイメージだ。しかし、イメージ通りの食事を毎日食べている家庭はまずない。フランス人の食生活は意外に質素である。
日本でもフランスでも食事作りは女性の役割となっていることが多いが、フランス女性はなぜ仕事と食事作りの両立が上手なのかを考えていきたい。
朝から卵、ベーコン、ソーセージなどは食べない
2017年の労働力調査によると、男性雇用者世帯に占める共働き世帯の割合は約63%。とくに日本の場合、妻が家事や育児をこなすという「家庭での労働」に時間を費やされる傾向にある。国立社会保障・人口問題研究所の全国家庭動向調査(2013年)によると妻と夫が行う家事の総量を100とすると、その85.1%が妻の負担となっているのが現状だ。
妻にとって大きな悩みは食事作りだ。毎日同じメニューを出すわけにもいかないし、子どもが中学生になるとお弁当が始まる。夫の帰りは遅いし、1日に何回も食事を作り、後片付けが途切れることはない。仕事と家事の両立に悩んだ挙句、退職する人も多いという。
だからといって専業主婦では家計が立ち行かず、結局はパートに出る。給料は下がった挙句、家事の負担が増えてしまいがちだ。結局夫はフルタイムで働いていない妻に、家庭での労働を押し付ける形になることが多い。日本の妻たちは疲労している。
バラエティ豊かな食事を作るのが、母や妻の務めのように言われることもあるが、女性の就業率約9割のフランスの食事はとてもシンプル。
朝食は、フランスパンとコーヒーが基本だ。
コーヒーにミルクを加えれば、カフェオレが出来上がる。アメリカやイギリスのように、朝から卵にベーコン、ソーセージなどを食べることはない。
そもそも、子どものときから朝はパンとドリンク、あってもヨーグルトや果物だけであり、とてもではないが、朝から重い食事を食べられないのが実情だ。