「生産性」という言葉が頭をよぎった瞬間
ごきげんよう、青木美沙子です。
日本発祥のカルチャー、ロリータ。世界中のあちらこちらでカワイイ!と受け入れられて、モデルのわたしも週1ペースで海外に遠征します。海外にいないときは実家のある船橋にいて、ナースとして働いています。ナースでロリータの美沙子です。
先日、夏休みで帰省している中学の同級生とランチすることになりました。同級生には赤ちゃんがいるので、和室のあるお店を予約しました。ひさしぶりの再会で、ワクワクです。
ランチのあとは夜の便で中国へ出発だったので、スーツケースをごろごろさせて向かいました。お店について予約名を伝えると、店員さんが、「スーツケースはこちらで預かります」と仰ってくださりました。お願いしますと、店員さんにお渡しして、スーツケースは、そのままレジの後ろに置かれました。スーツケースの隣には、ベビーカーが置かれていました。それは、先に入店していた同級生が預けたベビーカーでした。
一緒に並んだベビーカーとスーツケース。とても印象に残りました。同級生はベビーカーを運び、わたしはスーツケースを運びます。予約した和室の個室へ向かう中、なんとなく、とある政治家の例のあの、生産性、という言葉が頭をよぎりました。
わたしは今年、35歳です。同じ世代の子たちは、結婚して二人目が生まれたり、結婚に失敗してシングルマザーとして再出発していたり、そういう年齢です。ちなみにわたしは結婚も出産もしていません。だけど、もちろん、勤労して、納税して、一生懸命に生きています。
実は結婚に関しては、一時期、真剣に考えたことがあります。ちょうど30になる頃のことです。ロリータは死ぬまで続けるつもりですが、では、ロリータを継続しながらの結婚(恋愛)はどうなんだろう、と思い始めました。
ロリータは、男性ウケが最強に悪いファッションといわれており、ファンの子からもよく悩み相談を受けます。女の子たちは、彼氏にロリータやめろと言われたり、親に怒られたり、ひどいときには電車で他人から暴言を浴びせられたりしています。ニュースになったりはしていませんが、そういう服装での差別はこの国の中でよく起こっています。
ロリータであることで恋人や家族、はたまた他人からも否定されるという彼女たちの悩みを聞いて、また自分の結婚についても考えるため、真剣にロリータの恋愛や結婚についてリサーチしようと決めました。そうしてわたしは、出会い系アプリを始めたのです。