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2年近い沈黙を破って、突如として世に問われた小保方さんの手記。彼女を信じていた人も、そうでない人も、「この本がきわめて重要な証言だ」という点は一致している。あなたなら、どう読むか。
「読み終えると同時に涙があふれました」
「あの日に戻れるよ、と神様に言われたら、私はこれまでの人生のどの日を選ぶだろうか。一体、いつからやり直せば、この一連の騒動を起こすことがなかったのかと考えると、自分が生まれた日さえも、呪われた日のように思えます」
こう書き出された、小保方晴子さんの手記『あの日』が世に出て、早くも1ヵ月が経った。発行部数は26万部を超える勢いで、いまだに大きな反響が止んでいない。
「これは、現代の『魔女狩り』である」(青森県の男性)
「この一連の騒動に感じていた”違和感”の答えがわかったように思います」(沖縄県の40代男性)
「読み終えると同時に涙があふれました。よく頑張った、生きていてよかったと思いました」(50代女性)
2月21日付朝日新聞朝刊掲載の『あの日』の広告で紹介された、読者の声だ。本書の担当部署のもとには、今も連日、膨大な数のハガキや手紙、メールが届き続けている。
実は、そうした読者の声のうち、95%以上は、
「小保方さんには、今おかれた辛い状況を乗り越え、研究者として再起してほしい」
「これまで、いかに一方的な報道にもとづいて小保方さんが断罪されてきたのか、よくわかった」
そして、
「なぜ本書の中で小保方さんに名指しで非難されている共同研究者らは、何も話そうとしないのか」
といった、小保方さんの境遇に共感を寄せるものや、「STAP細胞」をめぐる騒動の真相究明を願うものである。手記を刊行する以前、小保方さんが受けていた大バッシングはいったい何だったのか、と見紛うほどに、彼女を肯定する意見が圧倒的多数を占めるのだ。