スクープ!
シャープ現役幹部が決意の勧告
「社長(高橋興三氏)、
あなたでは無理なんです」
躁状態と鬱状態を行き来する高橋社長〔PHOTO〕gettyimages
ついに身内からも批判の鉾が突き出された。社長の迷言・妄動が止まらず、経営再建案は銀行に言われるがまま——残る手は「一度倒産するしかない」と言い切る現役幹部が、会社の闇を語った。
ただの「操り人形」
「高橋社長は危機にある会社を変革していくには失礼ながら、能力不足。メインバンクの単なる『操り人形』です。これから希望退職者を募りますが、従業員のクビを切る前にあなたが辞めろと言いたい」
怒りと悲しみのこもった口調で、シャープの高橋興三社長を糾弾するのは、現役のシャープ社員A氏。長年にわたり高橋社長を始め、経営陣の言動を間近に見てきた経営幹部だ。
「なにより許せないのは、高橋社長は嘘をつくということです。これまで社員に説明してきた重要なことは、ほとんど嘘だった。そして、ものづくりのことはまったくわかっていないくせに、ただ債権回収さえできればいいと考えている銀行とグルになって社員をだましてきた。
もう社長も銀行も信用できません。シャープの名を残して、少しでも多くの社員を救うためには、両者の関与が制限される民事再生を申請して、いったん倒産させるしかないと思います」
シャープの'15年4月~6月期の営業損益は350億円の赤字に陥る見通しだ。今年5月14日に新中期経営計画を発表した際には、4~9月期に100億円の営業黒字を予想しているので、この計画を達成するためには残り3ヵ月で450億円もプラスにする必要がある。
だが、頼みの綱である液晶価格は回復せず、好調だった白物家電も落ち込みが見え始めた。また、7月27日からは全従業員の約7%にあたる3500人の希望退職の受け付けが始まる。経営破綻寸前に追い込まれているシャープの内部で、いま何が起こっているのか——。