朝日新聞が世論調査結果を報道した記事(3月18日付朝刊3面)を読んでびっくりした。記事に内閣支持率の数字が書かれておらず、見落としかなと思って2度、3度と読み返したが、やはりない。4面の「質問と回答」を読んで、支持率は50%と2月調査に比べ3ポイント上昇していることがようやく分かったからだ。
「朝日新聞はフェアじゃない!支持率が下がったら大きく書き、上がったら書かないのか」
朝日の記事が首相官邸の秘書官室で話題となり、ある首相秘書官はこう言って怒った。月例世論調査で、内閣および政党支持率は主要な質問項目であり、朝日新聞が本記で書かなかったのはたしかに解せない。
4野党の合計支持率一ケタ台、対する自民は高止まり
3月の各社世論調査で、安倍内閣の支持率は、朝日とほぼ同時期の14~16日に調査した読売新聞が2月に比べ1ポイント減の59%、それより1週間遅れで実施した日経新聞は同3ポイント上がり59%、月末に調査した毎日新聞が同3ポイント増の55%だった。支持率が元々高い読売を除く朝日、毎日、日経新聞はいずれも3ポイント上昇した。
各社の世論調査結果を分析すると、内閣支持率は昨年12月に特定秘密保護法成立後、10ポイント近く下がったが、少しずつ回復してきている。3月に上昇した要因は、官邸の分析ではベースアップだ。3月17日付読売朝刊に「官邸に 向いて合掌 春のベア」(よみうり時事川柳)という川柳が載っていたが、官邸が主導した春闘が内閣支持率にもプラスに働いたと見ている。
一方、悲惨だったのは野党の政党支持率だ。民主党、日本維新の会、みんなの党、結いの党の4党の合計支持率は次の通りだった(カッコ内は民主党支持率)。
朝日新聞 7%(5%)▽毎日新聞 9%(4%)▽読売新聞 6%(4%)▽日経新聞 7%(5%)
4党の合計支持率はいずれも一ケタ台。対する自民党支持率は朝日と毎日が37%、読売が40%、日経が46%で、内閣支持率と同じく高どまりしている。