元エース記者が解説する「アベノミクス 日経新聞は何を考えているのか」
"戦犯"の白川前日銀総裁〔PHOTO〕gettyimages
何よりも日銀が大好き
『日本経済新聞』は、本来なら噦第4の権力器として財務省や日銀に対するチェック機能を果たすべきなのに、逆に財務省や日銀に迎合する「御用メディア」と化しています。いまの日経はジャーナリスト精神ではなく、上司にこびへつらい、自己の出世しか考えないサラリーマン文化に支配されている、との嘆きを実力派の後輩記者から聞きます。
現在、安倍政権が生まれ、アベノミクスによって、日本経済が再生する最後のチャンスを迎えたというのに、日経はそれさえも邪魔しようとするようにしか見えません。
こう述べるのは、元日経新聞経済部のエース記者・田村秀男氏だ。田村氏は古巣の日経新聞の内部事情を暴露した『日経新聞の真実』を上梓し、メディア関係者の間で話題を呼んでいる。
私は'06年12月に日経から『産経新聞』に転職しましたが、OBとして日経に格別の愛着があります。ところが、経済ジャーナリズムを代表する日経がこのていたらくでは日本の再生は遠のくとみて、危機感を覚えます。厳しく日経批判を展開することが、経済ジャーナリズムの質的向上の第一歩だと考えました。
昨年末の総選挙で、安倍氏は自民党総裁として初めて「デフレからの脱却」「大胆な金融緩和」を公約の目玉にしました。
そこに立ちはだかったのが、日銀と日経新聞でした。日銀は、物価や雇用などの目標設定可否の自由を有していて、結果について責任を負わず、かつ誰にも批判されないという、未曾有の権力を手にした世界最強の金融権力集団です。そして、そのような日銀官僚に呼応した日経新聞は、激しい安倍批判を展開します。