2023.10.12

境内の「寄付金自販機」まで支払いが滞り…内紛で揺れる「神社本庁」とズブズブ「謎の不動産会社」のヤバすぎる現在

自販機の販売収益金が…

明治神宮北参道に面した神社本庁の庁舎を始め、全国の有力神社に置かれた自動販売機には、「鎮守の森」の育樹事業に1本当たり5円を寄付するものが多い。本庁傘下の日本文化興隆財団が、東日本大震災を機に育樹による再生プロジェクトとして取り組んだ。

参考:https://www.nihonbunka.or.jp/vending_machine/

渋谷区代々木の神社本庁/ウィキメディアコモンズより
 

まさに塵も積もれば山となる事業だが、自販機が最も稼働する夏以降、代理店のディンプル・インターナショナル(東京都新宿区)から神社へ販売収益金が支払われなくなり、「どうなっているんだ」という問い合わせが殺到。しかし同社は「担当者の退職で業務に支障」と、理由にならない言い訳を繰り返すばかり。9月以降は電話に誰も出ない状況が続いている。

筆者がディンプルに9月末、電話をかけ続け、ようやくつながった際、電話に出たのは石津英晃代表で、「業務が滞っているだけ。理由などの詳細はメールでお答えする」ということだったが、その後、メールに返信はなく電話にも出ない状態が続いている。

これが単なる販売代理店の業績悪化による延滞なら、「起こりうること」として受け止め、各神社が文化興隆財団や自販機設置会社の伊藤園などと善後策を協議すればいい話かも知れない。

だが、ディンプルはただの自販機代理店ではない。神社本庁は今、「総長の座」をめぐって宗教団体のトップである統理と宗教法人を率いる総長が争っており、法廷闘争は最高裁に持ち込まれている。ディンプルはその“震源”ともいえる会社なのだ。

話は2015年に遡る。同年10月、神社本庁は川崎市の「百合丘宿舎」をディンプルに約1億8400万円で売却した。「安過ぎるし、入札が原則の本庁資産をなぜ随意契約で売却したのか」という声が内部であがった。

疑問を抱いた幹部職員らが調べたところ、ディンプルが田中恆清総長の「右腕」といわれる打田文博神道政治連盟会長と親しい高橋恒雄氏(高は梯子高)が経営する会社であることが判明した。

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