2023.09.29
# 社会 # 経済

マクドナルドは高くて食べられない…「年収900万円」の夫婦が直面する「厳しすぎる現実」

9月27日、国税庁は2022年の平均年収を発表した。「民間給与実態統計調査」によれば、全国の平均年収は458万円で前年の443万円を15万円上回った。正社員は523万円、正社員以外は201万円だった。男女別では、男性の平均年収が563万円(前年比2.5%増)、女性が314万円(同3.9%増)だった。2年連続で平均年収が上がったが、コロナショックで落ち込んだ分の回復で増えた分もあり、喜んでばかりはいられない。

著書『年収443万円』のタイトルは、ちょうど1年前に国税庁が発表した2021年分の平均年収からとっている。これまで筆者は、就職氷河期世代が抱える非正規雇用の低賃金の問題を中心に追ってきたが、その一方では平均年収を得ていたとしても“普通の暮らし”ができなくなっているのだ。特に子育て世代にとっては教育費の負担が重くのしかかり、”普通の暮らし”が遠のいている。

夫婦で年収900万円、家計はキツイ…

「もう、マックのハンバーガーなんて高くて食べられませんよ。けど、誰かとお茶するならマックの120円のコーヒーです。マックなら気兼ねなく長居できるし。スターバックスやコメダ珈琲は高くて行けません。コーヒーに500円も払えないです。外食なんて、もはや敵でしかないですね」

都内に住む桜田香織さん(仮名、40代)は、そう話す。夫(50代)の年収は約600万円、香織さんの年収は約300万円。夫婦それぞれが都内の男女の平均的な収入を得ているが、「家計はキツイです」という。

家計を圧迫しているのは、教育費だ。今年、息子が私立大学の理系に進学したため、4年間で約700万円の学費がかかる見通しだ。中学2年生の娘も、高校受験や大学受験を控えている。

「私も夫も完全に文系なので、息子が理系に進むのは想定外でした。息子は都立高校だったので学費があまりかからず良かったのですが、娘は私立の高校に行きたいようです。高校だって私立に行けば授業料が年間に100万円かかってしまう。大学と高校でダブルパンチになりそうです」

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