「お前、バカなことを聞くな!」市民に激昂、前宮古島市長“収賄容疑で逮捕”の全貌
【独自】防衛省内部文書の中身とは防衛省が南西防衛の一環として進めた沖縄県宮古島市へのミサイル部隊配備は、当時の下地敏彦宮古島市長と防衛省側がひそかに通じていたことから実現した。
下地前市長は2015年、赤字だったゴルフ場を部隊用地として購入するよう防衛省に求め、実現した見返りとしてゴルフ場経営者から650万円の賄賂を受け取った容疑で12日、沖縄県警に逮捕された。
市長室の面談で激昂する下地敏彦市長=2016年6月10日撮影、YouTubeより
下地前市長から防衛省へ働き掛けがあった事実は、2015年のうちに明らかになっていたが、県警が強制捜査に踏み切ったのは6年後。ミサイル部隊はゴルフ場跡地で発足済みだ。国と市長との癒着を指摘し続けてきた宮古島の市民は「悔しくて涙が出る」と怒りの声を上げている。
防衛省は2010年12月に策定した「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」で対中国を想定した「南西防衛」「島嶼防衛」を打ち出した。
具体的には、日本の最西端にある与那国島に艦艇や航空機を監視する沿岸監視隊を発足させるのを皮切りに、鹿児島県の奄美大島、沖縄県の宮古島、石垣島の順にそれぞれ地対艦、地対空ミサイル部隊を新規編成する計画だ。
宮古島の候補地は「大福牧場」と「千代田カントリークラブ(千代田CC)」の2カ所。大福牧場は沖縄大手の建設会社「大米建設」の創業者で、政党そうぞう代表の下地幹郎衆院議員の父、故下地米一氏が創業した。
下地前市長が防衛省に購入を求めた千代田カントリークラブ=筆者撮影
この計画に対し、下地市長は大福牧場のある福山地区が水の乏しい宮古島の飲料水、農業用水を供給する水源地にあたることから難色を示し、2016年6月、千代田CCに一本化することを条件に部隊配備を容認した。