復刻本製作は戦いだ! 最強の復刻版『テレビマガジン完全復刻コレクション マジンガーZ』はどのようにして出来上がったのか。担当編集者が、完成までの「苦難の道のり」を明かします。
「最強の復刻本」をめざして
2018から2019年にかけて、永井豪の画業50周年を記念した展覧会や映画など、さまざまなイベントが行われ、関連書籍も各社から発売されました。なかでもコミックは、今までのように単に「読む」だけの単行本ではなく、いかに雑誌連載時の雰囲気を味わえるかに焦点を絞ったものが中心です。
2018年に私が担当した「連載再現版バイオレンスジャック」も、いかに雑誌を読んでいる錯覚に陥ってもらえるかをテーマに、扉の煽りや柱、ノンブルまで徹底的に再現。吹き出しはもちろん、キャラクターの紙型の細部に至るまで連載時に戻したものでした。
また永井豪作品に限らず、近年は雑誌連載時のサイズに拘った復刻本も多くなってきました。オリジナルのサイズをそのまま本に綴じるのは、同人誌などでは昔からよく見られる手法ですが、それは単に雑誌を原寸スキャン(コピー)してまとめただけのものがほとんど。これらは読んで楽しむものというより、資料としての側面が大きいでしょう。
本書『テレビマガジン完全復刻コレクション マジンガーZ』は、この「読む」楽しさに加えて、「美しい資料」としての性格を兼ね備えた、復刻本としては最強の作りとなっています。