花束は
ちゃんときれいだ
貯めていた
Tポイントで
注文しても
こんにちは。歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。
『ボヘミアン・ラプソディ』に『きのう何食べた?』、夏には『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』が公開。近年、同性愛者がフィーチャーされた映画やドラマが軒並みヒットして話題を呼んでいます。
自分一人の部屋のテレビでなら、どんな作品だって気兼ねなく見られるけれど、親や兄弟、子どもといっしょのリビングとなると、LGBTが登場する作品を見るのをためらう人は意外と多いかもしれません。
というのも、先日こんな意見を耳にしたのです。
「『ボヘミアン・ラプソディ』は息子に見せられない。ゲイになったら困るから」
なるほど。息子がフレディ・マーキュリーに感化されて、「自分もフレディみたいなゲイになる!」と言い出すんじゃないかと心配されているわけですね。まるで、ゲイが「うつる」みたいに。
今回は、「子どもが同性愛者になったらどうしよう……」と不安な親御さんたちのために、セクシュアリティにおける子どもの教育についてお話しましょう。
ゲイはうつるのか、否か
まずは単刀直入に、はっきりさせておきます。
ゲイはうつりません。病気じゃないので。
ただし「うつったように見える」ことはあるかもしれません。
ゲイやレズビアンが「自分は同性愛者だ」と自覚するに至るきっかけは、三者三様です。魅力的な同性に出会って自覚したケースや、異性からひどい仕打ちを受けて恐怖症になってしまったケース、などなど。
たとえば、知人に同性愛者がいて、その人と仲良くしているうちに「自分もゲイかもしれない……」と自覚するようになった場合、周囲からは「ゲイがうつった!」と見えるかもしれませんね。
これまでの長い歴史の中で、科学者たちは「同性愛者が生まれる原因」について頭を悩ませ、あらゆる説が唱えられてきました。遺伝的なものという説、性ホルモンのバランス説、親の育て方によるものだとする説、その他諸々。実際のところ、セクシュアリティを決定づける明確な原因はいまだにわかっていません。
親が「子どもをゲイにしたくない」と思うのには、様々な理由があるでしょう。社会で苦労させたくないから。孫の顔が見れなくなるんじゃないか。いや、ぶっちゃけ「息子がゲイとか、マジ無理」と同性愛者に嫌悪感を抱いている人だっていますよね。
たしかに、『ボヘミアン・ラプソディ』に感銘を受けるような後天的な要因で、ある日突然ゲイになることがあるかもしれない(フレディ・マーキュリーも、女性との恋愛を経て、晩年はゲイのパートナーと過ごしました)。けれど、各々のセクシュアリティは、物心つく前から先天的に決まっているものだとする説が有力視されています。
どこかのタイミングで「ゲイになる」というより、「元々ゲイだったことに後から気づく」という表現の方が適切かもしれません。