【特集】
「VRヘッドセット」オススメ5選! 2024年の最新モデルで快適なVRライフを【年末特集】
5万円以下の廉価モデルやフルボディトラッキング対応機を紹介
2024年12月26日 00:00
いよいよ年末年始の長期休暇に突入するシーズン。ボーナスやお年玉で自分へのご褒美にVRヘッドセットを購入して、今年の冬休みはVRゲームで体を動かしたり、仮想空間の中でアニメを見てゆったり過ごそうかなと思っている方もいらっしゃるだろう。
一方で2024年は「Meta Quest 3S」や「PICO 4 Ultra」、「Apple Vision Pro」といった様々なハードウェアが登場。昨今は様々なVRヘッドセットがラインナップされており、初めて購入する方ならまだしも、VRヘビーユーザーでもどれを購入したらいいのかわからないという方も多いはずだ。
そこで本稿では2024年に発売されたモデルも含め、現在販売されているオススメの最新VRヘッドセットを紹介。最新の体験ができつつ安価な「Meta Quest 3S」や簡単にフルボディトラッキングができる「PICO 4 Ultra」、PC対応を果たした「PlayStation VR2」など、それぞれのスペックや特徴を説明していこう。
2024年に値下げ実施! 万人にオススメできる「Meta Quest 3」
2023年10月10日 発売
価格:81,400円(512GB)
まずはVRヘッドセットのパイオニアであるMetaの「Meta Quest 3」を紹介していこう。Quest 3は2023年10月に発売されてから既に1年以上が経過しているが、2024年12月現在に販売されているVRヘッドセットの中で万人にオススメできるモデルだ。
SoCは最新の「Snapdragon XR2 Gen2」を採用しており、グラフィックス処理能力は前モデル「Meta Quest 2」の2倍に。さらに、Quest 2から解像感が30%向上した「Infinite Display」と“パンケーキレンズ”を光学系に採用したことで、より鮮明にVRゲームやコンテンツを楽しめるようになった。加えて、フルカラーパススルーカメラを搭載したことで、複合現実(MR)にも対応している。
またQuest 3は「Meta Horizonストア」で販売されているゲームをプレイでき、お馴染みの「Beat Saber」や独占タイトルである「バイオハザード4」、「PowerWash Simulator VR」まで、様々なVRゲームが取りそろえられているため、コンテンツ不足で困ることはないだろう。さらにゲーミングPCと接続すれば、PCVRヘッドセットとして使用でき「Steam」で配信されているゲームも楽しめる。
Quest 3は2024年10月に価格改定を実施し、従来は96,800円(512GB)だったが、81,400円までに値下げされた。発売時にラインナップされていた128GBモデル(当時は74,800円で販売)は廃止されたが、昨今のVRゲームは大容量化が進んでいるため、ストレージは多ければ多いほど助かる。初心者からVR経験者まで、とりあえずこれを買っておけば間違いのない一台だ。
「Meta Quest 3」のスペック
- SoC:Snapdragon XR2 Gen2
- ストレージ:512GB
- DRAM:8GB
- ディスプレイ:液晶、2,064×2,208ピクセル(片目あたり)、最大120Hz
- 光学系:パンケーキレンズ、視野角110度(水平)/96度(垂直)
- MR(複合現実):対応(2つのRGBカラーカメラ、深度プロジェクター搭載)
- アイトラッキング:非対応
- レンズ調整:対応(53mm~75mm)
- オーディオ:3Dスペーシャルオーディオ対応一体型ステレオスピーカー、3.5mmオーディオジャックとUSB-C搭載
- 重量:515g
- コントローラー:Meta Quest Touch Plusコントローラー付属
- PCVRサポート:Meta Quest Linkケーブル(有線)またはAir Link(無線)
VR初心者にピッタリ! コスパ良好なバランス型「Meta Quest 3S」
2024年10月15日 発売
価格 128GB:48,400円
256GB:64,900円
Metaが2024年10月に発売した「Meta Quest 3S」は、先ほど紹介した「Meta Quest 3」の廉価モデルだ。だが“廉価モデル”といってもVRヘッドセットとしてできることは「Quest 3」と変わりないため、特にVR初心者へオススメの一台となっている。
大きく変わっているのはディスプレイと光学系だ。ディスプレイは片目あたり1,832×1,920ピクセルで、光学系にはフレネルレンズを採用しているのだが、これらは前モデル「Meta Quest 2」と同様のスペックとなっている。一方でSoCは「Snapdragon XR2 Gen2」を採用しており、こちらは上位モデル「Meta Quest 3」と同じとなっている。
つまりQuest 3Sは、前モデルと上位モデルの“バランス”をとったVRヘッドセットになった。ディスプレイと光学系は前モデルのものを採用することでコストを抑えつつ、SoCは最新のものにすることで上位モデルと同様のスムーズなVR体験が可能だ。もちろん、コストを抑えるといってもVRゲームをプレイするには必要十分な解像感を備えている。
これによってQuest 3Sは48,400円(128GB)と、他モデルと比較して廉価な価格となっている。もちろん、ゲーミングPCと接続してPCVRヘッドセットとしても使用できるので、「VRを始めてみたいけど、なるべく価格は安く抑えたい」という方には打って付けの一台だ。
「Meta Quest 3S」のスペック
- SoC:Snapdragon XR2 Gen2
- ストレージ:128GB/256GB
- DRAM:8GB
- ディスプレイ:液晶、1,832×1,920ピクセル(片目あたり)、最大120Hz
- 光学系:フレネルレンズ、視野角96度(水平)/90度(垂直)
- MR(複合現実):対応(2つのRGBカメラ搭載、18PPD)
- アイトラッキング:非対応
- レンズ調整:対応(3段階)
- オーディオ:一体型ステレオスピーカー内蔵、USB-C搭載(別売りの変換アダプターで3.5mmジャックヘッドホンも接続可能)
- 重量:514g
- コントローラー:Meta Quest Touch Plusコントローラー付属
- PCVRサポート:Meta Quest Linkケーブル(有線)またはAir Link(無線)
簡単にフルボディトラッキングができる「PICO 4 Ultra」
2024年9月20日 発売
価格 PICO 4 Ultra:89,800円
PICO Motion Tracker:11,800円
「PICO」シリーズは中国のPICO Technologyが展開するスタンドアロンVRヘッドセット。その最新モデルとなる「PICO 4 Ultra」が2024年9月に日本でも発売された。
SoCは「Snapdragon XR2 Gen2」を採用し、2,160×2,160ピクセルの液晶ディスプレイを搭載するなど、基本的なスペックはライバルである「Meta Quest 3」と似ており、メモリは12GBでWi-Fi 7に対応するなど、細部では上回るものもある。加えてQuest 3と異なり、後頭部にバッテリーを搭載することで前後の重量バランスも改善している。
この「PICO 4 Ultra」最大の特徴は、オプションの「PICO Motion Tracker」の存在だ。こちらを両足に装着することで、体全体をトラッキングする「フルボディトラッキング」が可能となる。これによって対応ゲームでは体全体を使った操作が可能となるほか、バーチャルSNS「VRChat」ではワールド内を歩いて回ったり、身振り手振りをつかってコミュニケーションをとれるようになる。
従来のフルボディトラッキングは、高価なトラッカーを何個も購入してそれぞれをペアリングする必要があったが、「PICO 4 Ultra」と「PICO Motion Tracker」を使うことで、簡単に誰でもフルボディトラッキングができるようになる。通常は別途購入する必要があるが、キャンペーンとして無料で「PICO Motion Tracker」が付属することもあるため、購入を検討されている方は要チェックだ。
「PICO 4 Ultra」のスペック
- SoC:Snapdragon XR2 Gen2
- ストレージ:256GB
- DRAM:12GB
- ディスプレイ:液晶、2,160×2,160ピクセル(片目あたり)、最大90Hz
- 光学系:パンケーキレンズ、視野角約105度
- MR(複合現実):対応(2つの32MPカラーシースルーカメラ、iToF深度センサー搭載)
- アイトラッキング:非対応
- レンズ調整:対応(58mm~72mm)
- オーディオ:デュアルステレオスピーカー、USB-C搭載(別売りの変換アダプターで3.5mmジャックヘッドホンも接続可能)
- 重量:580g
- コントローラー:PICO 4 Ultraコントローラー付属
- PCVRサポート:対応(PICO Connectによる無線接続)
PS5&PCで利用可能になった「PlayStation VR2」
2023年2月22日 発売
価格 PlayStation VR2:89,980円
PlayStation VR2 Horizon Call of the Mountain同梱版:94,980円
PlayStation VR2 PCアダプター:8,480円
続いては、2023年2月に発売されたVRヘッドセット「PlayStation VR2」だ。こちらはPS5ファミリーに属するVRヘッドセットだが、2024年8月になんとPC対応を果たし活躍の場が広がった。
ディスプレイは2,000×2,040ピクセルの有機ELで、光学系はフレネルレンズを採用。VRヘッドセットでは珍しくHDRに対応しており、他のVRヘッドセットと比較して明るく、色彩豊かな映像が楽しめるのが特徴だ。またコンソール機であるPS5/PS5 Proの性能を活かし、スタンドアロンVRよりもリッチなグラフィックスを楽しめる。だが独占タイトルにあまり恵まれず、PSVR2ならではのコンテンツは少ないというのが現状だ。
2024年8月に発売された「PlayStation VR2 PCアダプター」を使用することで、Steamで配信されているPCVRゲームをプレイできるようになった。視線トラッキングやアダプティブトリガー、HDRといった一部機能は利用できないが、PS5とPC両方で使用できる唯一無二のVRヘッドセットとなっている。
ネックとなるのは価格で、2024年8月に実施された値上げでPSVR2本体は89,980円となり、PS5と組み合わせると16万円以上となってしまう。だが2024年末に実施されたプレイステーションの「ブラックフライデーセール」や「年末年始セール」では57,000円前後で販売され、コストパフォーマンスの高いVRヘッドセットとなった。購入を検討されている方は「Days of Play」といった大型セール期間中がねらい目だ。
「PlayStation VR2」のスペック
- SoC:非搭載(PS5またはPCに依存)
- ストレージ:非搭載(PS5またはPCに依存)
- DRAM:非搭載(PS5またはPCに依存)
- ディスプレイ:有機EL、2,000×2,040ピクセル(片目あたり)、最大120Hz
- 光学系:フレネルレンズ、視野角約110度
- MR(複合現実):非対応(モノクロパススルーのみ対応)
- アイトラッキング:対応(視線トラッキング用IRカメラ×2)
- レンズ調整:対応
- オーディオ:3.5mmステレオヘッドホン端子(イヤホン付属。スピーカーは非搭載)
- 重量:560g
- コントローラー:PlayStation VR2 Senseコントローラー付属
- PCVRサポート:対応(別売りのPSVR2 PCアダプターによる有線接続)
VRヘッドセットとしてオススメはできないが……。Apple初の“空間コンピュータ”「Apple Vision Pro」
2024年6月28日 発売
価格 256GB:599,800円
512GB:634,800円
1TB:669,800円
2024年にVR業界で最も注目を集めたのは、やはりAppleの空間コンピュータ「Apple Vision Pro」の発売だろう。2024年2月より米国にて先行販売され、2024年6月に日本上陸を果たした「Vision Pro」は、その価格設定(256GB:599,800円~)が大きな話題となった。同社は“空間コンピュータ”としているが、ハードウェアとしてはVR(MR)ヘッドセットに近い構成となっている。
SoCはMacやiPadにも使われている「M2」と新開発の「R1」を搭載したデュアルチップ構成。ディスプレイは“マイクロOLED”を採用しており、これまでのVRヘッドセットを凌駕する高精細な映像を楽しむことができる。またコントローラーを使わず、視線や手、声を使って操作する点もこれまでのVRヘッドセットと異なる点だ。
だが「Vision Pro」は最安モデルで約60万円と超高価。まだリリースして間もないこともあり、App Storeで配信されているVRゲームは非常に少ないほか、外装にアルミニウムやガラスといった高品質な素材を使用している分、VRヘッドセットとしては重く、重量バランスがあまりよくない。正直なところ、VRヘッドセットとしての購入はあまりオススメしない。
一方で極上の映像品質や未来的な操作感は「Vision Pro」でしか味わうことができないほか、iPhoneやiPad、Macとの連携機能が大きな特徴で、iPhoneの画面をミラーリングしたり、Macの外部ディスプレイとして使用することもできる。またVRゲームはまだ少ないが、対応するiPadゲームをコントローラーを使ってプレイできるため、コンテンツ自体は結構ある。Appleのエコシステムで統一しているユーザーで、財布事情に余裕がある方は検討してみてはいかがだろうか。
「Apple Vision Pro」のスペック
- SoC:M2+R1チップ
- ストレージ:256GB/512GB/1TB
- DRAM:16GB
- ディスプレイ:マイクロOLED、両目合計2,300万ピクセル(解像度は非公開)、最大100Hz
- 光学系:パンケーキレンズ、視野角非公開
- MR(複合現実):対応(2つの高解像度メインカメラ、LiDARスキャナ搭載)
- アイトラッキング:対応(4つのアイトラッキングカメラ搭載)、フェイストラッキングにも対応(6つのワールドフェイシングトラッキングカメラ搭載)
- レンズ調整:対応(51mm~75mm)
- オーディオ:スピーカー搭載(空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキングに対応)、Bluetooth接続のヘッドホンのみ対応
- 重量:600g~650g(ライトシーリングとヘッドバンドの構成で異なる)、外付けバッテリー353g
- コントローラー:なし(手、視線、音声で操作)
- PCVRサポート:サードパーティアプリでSteam VRが動作(ベータ版)
最新のVRヘッドセットで楽しい冬休みを!
ここまで2024年最新のオススメ「VRヘッドセット」を紹介してきた。5万円以下で上位モデル譲りのVR体験ができる「Meta Quest 3S」から60万円で最新のテクノロジーを詰め込んだ「Apple Vision Pro」まで幅広いモデルを紹介したが、どのVRヘッドセットも発売されて2年以内の最新モデルで、今購入すれば今後数年は楽しませてくれるだろう。
VRヘッドセットは比較的高価なハードウェアで、どれも個性があるため簡単に選ぶことはできないが、逆にどれを選んでも後悔することはないはずだ。ぜひ皆さんには最新のVRヘッドセットでVRゲームをプレイしたり没入型コンテンツを視聴して、この冬休みを楽しんでいただきたい。
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