「テレコ」という言葉は、業界用語として用いられます。
この「テレコ」には、方言としての側面もあります。
とはいえ、各業界で意味合いは変わりますし、方言としての「テレコ」も地域によって意味が異なります。
そこでここでは、方言や業界用語として使用される「テレコ」について見ていきましょう。
目次
関西を中心とした方言としての「テレコ」
テレコは、もともと関西地方を中心にして使用される言葉です。
まずは、そんな方言としての「テレコ」の意味を、それぞれの地域ごとに見ていきましょう。
大阪での「テレコ」
大阪でのテレコは、交互や代わる代わるといった意味で用いられます。
また、互い違いや食い違いなども表す言葉となっています。
奈良での「テレコ」
奈良は反対、逆さといった意味でテレコは使用されます。
上下が逆になっていたり、左右が逆になっている状態を指します。
三重での「テレコ」
三重では、テレコを逆・あべこべといった様子をあらわす際に用いられることがあります。
上と下が逆になっている状態などを言います。
徳島での「テレコ」
徳島では、ものの位置が入れ替わっていることを指して使われます。
数字などが入れ替わっている場合や、順番が違うことをあらわす際に用いられることがあります。
業界用語としての「テレコ」
テレコは、業界用語としても耳にすることがあります。
ここからは業界別にテレコが差すものをまとめます。
服飾・繊維業界での「テレコ」
「テレコ素材」と呼ばれる生地があります。
このテレコ素材とは、凹凸のあるリブ織りの一種のことです。
その特徴は、リブの凹凸(表面と裏面)が同じ数になっていることで鵜s。
伸縮性や通気性に優れ、肌触りや着心地が抜群です。
また、「中身の入れ違い」をテレコと表現することもあります。
仕入れたはずの商品と届いた商品が違う時や、渡す商品を間違えた際に用いられることがあるのだとか。
物流業界での「テレコ」
物流業界でのテレコは、、互い違いになることをあらわしています。
運送などの際、Aに届けるはずの荷物をBに届けてしまうことなどを指して言います。
なお、同じ場所にまとめて届くはずのものが別々に届くことをテレコとは言いません。
その場合は業界用語で「口割れ」と呼ばれます。
放送業界での「テレコ」
放送業界でのテレコは、いくつかの意味があります。
まずは、ひとつおきという意味で使用されることがあります。
これは、2つの番組を毎週交互に放送する場合に使われます。
また、CMスケジュールで2つの素材を交互に放送する場合にも用いられます。
同じくCMなどに関するもので違う意味で使われることがあります。
番組を制作する際は、提供が付きます。
この提供元の企業のCMが放送されるわけですが、毎日放映する帯番組で、企業が1日おきに提供することを「テレコ提供」と言います。
制作現場で使用される際は意味がまた異なります。
シーンやセリフの入れ替えや、前後を逆にすることをあらわして用いられます。
テレコの由来
ここからは、テレコの語源について見ていきましょう。
元は歌舞伎の用語だった?
テレコはもともと歌舞伎用語だったとされます。
2つの異なる展開を関連性のある一つの脚本にまとめ、それを交互に進行していく演出から生まれたとされます。
これが、次第に交互になることや互い違いという意味で関西を中心に根付いたとされます。
また、テレコという言葉自体は「手を入れて交互にする」ことから来たとされます。
まとめ
テレコという言葉は、関西を中心に使用されている方言とされます。
地方によって異なることもありますが、いずれも互い違いになるといった意味合いを含んで使用されます。
また、業界用語としても使用されます。
その際は、業界によって使用される場面が変わってきます。