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「Pandoc 3.0」が公開 ~さまざまな形式の文書と相互変換できるフリーツール

約5年ぶりのメジャーバージョンアップ

「Pandoc」の公式サイト

 さまざまな形式の文書を相互変換できる「Pandoc」が、1月19日にv3.0へとアップデートされた。2017年10月以来、約5年ぶりのメジャーバージョンアップとなる。

 「Pandoc」は、あるマークアップ形式から別のマークアップ形式へ変換するためのライブラリおよびそれを利用するコマンドラインツール。たとえばMarkdown形式で書いたドキュメントをHTML形式や「Microsoft Office」形式、LaTeX形式へ変換したり、ePub形式の電子書籍ファイルとしてエクスポートできる。ライブラリはHaskell言語で記述されているが、リーダーやライター、フィルターなどへモジュール化されており、フィルターはスクリプト言語「Lua」などでも記述できる。実際の動作は、オンラインデモで試すのが手っ取り早いだろう。

「Pandoc」のオンラインデモ

 対応OSはWindows、Mac、Linuxなど。Chrome OSもサポートされており、「Chromebrew」(crew)で簡単にインストールできる。Windowsの場合は公式サイト「pandoc.org」などで配布されているインストーラーを利用するのが手軽だが、「Chocolatey」(choco)や「Windows Package Manager」(winget)などのパッケージ管理システムを利用すればコマンドラインでも導入可能。ライセンスは「GPL-2.0」およびそれ以降。

Windows版のインストーラー

 メジャーバージョンアップとなる「Pandoc 3.0」では、パッケージが以下の3つに分割された。Haskell言語のパッケージ管理システム「Hackage」で「pandoc」パッケージをインストールしても、「pandoc」の実行ファイルは得られないので注意が必要だ。

  • pandoc-server:サーバーとして動作
  • pandoc-cli:コマンドラインツール
  • pandoc-lua-engine:従来のLuaサブシステムを独立させたもの。Luaインタープリターとして動作

 これに伴い、起動オプション「--version」の出力に依存パッケージのバージョンが含まれなくなり、代わりにどの機能(server/lua)が利用できるかを示す「Features」セクションが追加された。スクリプトエンジンに用いられるLua言語のバージョンも出力できるが、サポートされているのは現在のところ「Lua 5.4」のみだ。

起動オプション「--version」の出力

 そのほかにも、リーダーやライターの拡充やコマンドラインオプションの強化が行われた。たとえば、「chunkedhtml」形式を指定すれば、前・次・上へ・トップなどのリンクでつながれた複数のHTMLファイルを1つのZIPファイルとして出力できる。

 ただし、その一方で非推奨機能の無効化も行われているので注意したい。

ソフトウェア情報

「Pandoc」
【著作権者】
John MacFarlane 氏
【対応OS】
Windows/Mac/Linux/BSD/Chrome OS(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
3.0(23/01/19)