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「Excel」でMapやReduceなどが利用可能に~ラムダを引数にとる7つの関数がテスト導入

フィルタリングや集計に役立つ

「Excel」の新しい関数「LAMBDA」

 米Microsoftは7月26日(現地時間)、「Excel」に「LAMBDA」(ラムダ)を引数にとれる新しい関数を7つ追加したと発表した。まずは「Office Insiders」の参加ユーザーを対象にテスト公開される。

 「LAMBDA」関数は、「Excel」の関数・数式を組み合わせて独自のカスタム関数を定義し、そのワークブックの中で再利用できるようにする。従来はVBA(Basic)などの知識が必要だったが、それが不要となる。

 カスタム関数を利用すれば冗長な繰り返し表現を排除できるため、数式の見通しがよくなったり、入力ミスを防止できる。また、これまでは記述できなかった動的なループ処理を「Excel」の数式だけで記述できるようになることもメリット。つまり、マクロやトリッキーな手法を用いなくても、「Excel」の数式をチューリング完全なプログラミング言語として利用できる。

 また、ラムダ関数は他の「Excel」関数の引数として利用することもできる。これまではそうした関数は用意されていなかったが、今回のアップデートでは一気に7つもの新関数が導入され、これまで以上にラムダ関数を活用できるようになった。いずれもフィルタリングや集計に役立つものだ。

  • MAP 関数:与えられた配列の各要素に対しラムダ関数の処理を施し、新しい配列を返す
  • REDUCE 関数:初期値と配列を与え、配列から一つずつ要素を取り出してラムダ関数の処理を施し、最終的に一つの値にまとめる
  • SCAN 関数:初期値と配列を与え、配列から一つずつ要素を取り出してラムダ関数の処理を施し、新しい配列を返す
  • MAKEARRAY 関数:ラムダ関数の処理を適用して、指定された行と列の配列を返す
  • BYROW 関数:各行にラムダ関数の処理を適用し、その結果の配列を返す
  • BYCOL 関数:各列にラムダ関数の処理を適用し、その結果の配列を返す
  • ISOMITTED 関数:値があるかどうかをチェックし、TRUEまたはFALSEをす

 これらの新しい関数は、Windows版の場合「Office Insiders」のBetaチャネル(バージョン 2108、Build 14312.20008)以降で利用可能。Mac版ではバージョン 16.52(Build 21072100)以降の「Office Insiders」に提供される。

「Office Insiders」のBetaチャネルでテスト可能